韓国と台湾は本当に対照的だ。
同じ過去があるのに、現在がまるで違う。
それぞれ戦争が終わるまで日本に統治されていたけど、いまの韓国には反日、台湾には親日の雰囲気に満ちている。
ちょうどタイミングよく、日本に対する見方の違いがわかる記事があったから、今回はそれを紹介しようと思う。
まずは残念なほうから。
先月10月、台風19号が関東地方や東北地方などを襲って、95人以上の死者と400人以上の負傷者をだす大災害となった。
このあとすぐ、韓国の主要企業は日本への支援はしないことをきめた。
ソウル新聞の「韓国企業の多くが日本の被災地への支援を行わない」という記事を引用する形で、レコードチャイナがこう報じている。(2019年10月17日)
韓国の主要大企業は「日韓関係の悪化」を理由に、日本の被災地に寄付金や救護物資の送付などの支援を行わない方針を固めた。
韓国大企業など、台風被害の日本を「支援しない」方針固める=韓国ネット「どうせ感謝されない」「助けた方が…」
でも正確にいうと、したくてもできなかったらしい。
企業側は支援を考えたけど、いまの韓国国民の感情を考慮するとそれはあまりに“危険”。
このとき韓国では日本製品の不買運動が展開されていて、国民の間で反日感情が高まっていた。(いまもそうだけど)
上の記事では韓国企業の関係者が、「日韓関係が悪化して大規模な日本製品不買運動まで行われている状況で寄付金を出すのは難しい」と話している。
それはそうだけど、自然災害と政治はまったくの別問題だ。
むしろだからこそ、支援を行えば関係改善のきっかけになることはあっても、マイナスには働かないはず。
というのは日本人的な考え方で、韓国企業がそんなことをしたら、「親日行為」(=裏切り)と見なされてボイコット対象にされるかもしれない。
経営者としては、「韓国内の反発を招く可能性」を覚悟して日本を支援する理由はない。
ただこの姿勢については韓国でも賛否が分かれている。
と書きたいところだけど、日本への支援については、「日本はお金持ちだから必要ない」「地震の時に寄付したけど大して感謝されなかった」といった否定的な意見が多いらしい。
「隣国を慰める余裕すらない冷たい国にはなりたくない」という声はあるけど、そんな意見もあるていどで、影響力はなさそうだ。
韓国にも日本を好きな人がいるけど、その声はいま圧殺されている。
ことし友人の韓国人が日本に来ることを考えていたけど、「国の雰囲気」を理由にそれは流れた。
隠れて日本製品を買ったり旅行に行ったりする人もいて、そんな行動は「シャイ・ジャパン」なんて呼ばれている。
台湾の雰囲気は「シャイ・ジャパン」の真逆で、日本への支援にためらいはない。
台風19号によって大きな被害がでたのを知った台湾人の陳一銘さんが、自費で宮城県に行ってボランティア活動をしたことが日台で話題になった。
宮城で泥をかき出したり廃棄物を撤去したりして台湾にもどってきた陳さんはいま、次のボランティアの計画をしている。
台湾メディア・フォーカス台湾がそれを好意的に伝える。(2019/11/16)
台湾には9日深夜に帰国したばかりだが、同町に大雪が降る前にもう一度復旧作業を手伝いたいと、すでに再度の訪日計画を練っている。
台風19号被災地に自費で駆け付けた台湾人ボランティア、再度の訪日に意欲
これには日本のネットも感謝の声しかない。
・台湾人ってどんだけ日本を考えてくれるんだよ。
友達つーか家族だよな。
・なぜそこまでしてくれるのか
いや有難いんだけどさ
・いつも気にかけてくれてありがとうございます。
・宮城県だけじゃないよー
長野にも来てくれてるよー
助かってる。ほんと。
陳さんは台南市でデザート店を経営している。
このあと何人もの日本人が店を訪れて「ありがとう」を伝えたと記事にある。
これが陳さんこの店。
韓国と台湾は過去を共有しているのに、日本への見方がいまではまるで違う。
それは結局、過去の伝え方、つまり歴史教育が違うということだ。
おまけ
日本を訪問していた中国の駆逐艦「太原」が台風19号の被害をうけた人たちに見舞いの気持ちをあらわしたのをご存知ですか?
「台風被災心より御見舞、早期復旧心より御祈念」という横断幕をかかげたのだけど、日本のメディアでこれをとり上げたところを知らない。
くわしいことは新華社通信の記事(2019/10/14)を。
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