「慰安婦や徴用工は日本によって強制連行されて奴隷のように働かされた」と韓国では一般的に信じられているけれど、その説には根拠がないと一蹴して、韓国でベストセラーとなった「反日種族主義」という本がある。
読売新聞やNHKが「反日批判本」と紹介した本で、いまは日本でも出版されている。
韓国社会で反日は”正義”とされていて、慰安婦像は違法であっても警察も役所も手出しできなかった。
そんな国で反日を批判するという行為は正義を否定することと同じ。
*これがベストセラーになっているということは、そんな考え方に批判的な韓国人も多いということ。
では、この本に対する韓国側の見方を紹介しようと思う。
朝鮮日報に少しまえ、こんな記事(2019/09/14)があった。
徴用・慰安婦・独島…研究者が見た『反日種族主義』の3大争点
この韓国紙も、反日を批判する本が韓国の大手書店で3週連続ベストセラーとなったことに注目している。
そしてこの本が提起した「日帝下強制動員」について専門家の反論を載せた。
*「日帝下強制動員」というのは、慰安婦が日本軍によって強制連行されたということ。
東北アジア歴史財団のト・シファン日本軍「慰安婦」研究センター長は、1993年に日本政府が発表した「河野談話」を持ち出して「(日本は)慰安婦の強制動員を認めた」と断定する。
日本軍が慰安所の設置と管理、慰安婦の移送へ直接・間接に関与したとした。慰安婦の募集は軍の要請を受けた民間業者が主動したが、甘言、強圧など被害者の意思に反して行われるケースが多く、場合によっては官憲などが直接加担したと表明した。
徴用・慰安婦・独島…研究者が見た『反日種族主義』の3大争点
この「民間業者」というのは韓国人業者のことだろう。
こうした業者や親に売られるなどして、本人の意思に反して慰安婦にされたケースが多かったというのは否定できない。
問題は、「官憲などが直接加担した」という記述だ。
この専門家はこれによって、日本が「慰安婦の強制動員を認めた」と結論づけているのだから。
ただ、日本軍が慰安所の設置や慰安婦の移送にかかわっていたのは当たり前で、現地へ女性を運んだのは日本軍で、性病がまん延しないように管理していたのも日本軍だ。
でもこれは、韓国の女性を誘拐するように無理やり連れて行ったということではない。
慰安婦は世界中の軍隊にいたし、あとで紹介するけど韓国の政府と軍も慰安所の設置と管理、慰安婦の移送にかかわっていたのだ。
もちろんほめられたことではないけど、現在の常識や価値観から当時の人間を責めても、本人が自己満足する以外に意味はない。
「人道的」というのなら、こういう状況をこれから二度とつくり出さないことだ。
ちなみに慰安婦は朝鮮人女性より日本人女性が多かった。
話はそれたけど、韓国の専門家は「慰安婦強制連行説」の根拠を河野談話に求めている。
ということはこの説は虚構ということが分かる。
日本が慰安婦を強制連行したとを“認めた”河野談話には客観的な根拠がなく、歴史的事実とは言えないひどいものだから。
こんなバカことをくり返さないように、日本人はいま一度、河野談話を確認したほうがいい。
ステーキのようにいきなり結論を書いてしまうけど、当時の日本政府は「河野談話」で慰安婦の強制連行を“認めた”けど、その根拠はまったくなかったのだ。
前の外務大臣で現防衛大臣の河野太郎氏が、その後の調べでそのことが判明したと書いている。
安倍晋三首相は、2007年3月16日付の質問主意書への答弁書の中で「調査結果の発表までに政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示す記述も見当たらなかった」と述べています。
当時の石原信雄官房副長官も、「通達とか指令とかいろんな資料を集めたんですけど、文書で強制性を立証するようなものは出てこなかったんです。」と認めている。
河野談話から分かることは、日本軍強制連行説には客観的な根拠がまったく見つからなかったということ。
だから、韓国の専門家が証拠として河野談話を持ってきた時点で無理がある。
根拠がないのだから、この説を事実と言うのは歴史と真実に対してウソをつくことになる。
では、「強制性を立証するようなものは出てこなかった」にもかかわらず、日本はなぜそれを認めたような記述をしたのか?
それは、元慰安婦の話を聞いた担当者が”事実と感じたから”だった。
「人道的立場でヒヤリングをやってもらい」「ヒヤリングを通して真実であることに間違いないという担当官の報告が出たのです」という。
ヒヤリングに人道的も非人道的もない。
個人的な感情を抜きにして、客観的な立場でやるべきだった。
石原信雄官房副長官はこう証言する。
その報告を受けたわけです。それを政府としては、彼らの心証を大事にしていこうと考え、それが強制性の認定につながったわけです。
客観的な根拠はひとつもない。
韓国政府が16人の元慰安婦を選定して、その話を聞いた人間の心証が根拠となって「強制性の認定につながった」。そして現在、これを韓国側に利用されているのだ。
当時の日本政府は100万回バカと言われても、一度も反論できないほどの無能と無責任の極み。
さらにこのとき、日本側は元慰安婦の証言が事実かどうか確認することを許されていなかった。
河野談話の根拠は、実質的には韓国側が用意した元慰安婦の証言だけなのだから、「日本軍が強制連行した」という結論は最初からきまっていたのだ。
日本が韓国側にゆずった背景として読売新聞は、
「韓国政府は・・・金銭的支援は独自にやるので日本は強制連行を認めればよいという姿勢が鮮明になってきた」
「政府は強制連行を認めないままでは事態の打開は困難と判断した」
と書いている。
河野洋平氏はこの密約を否定したけど、「政府としては、彼らの心証を大事にしていこうと考え」という河野談話ははじめから結論ありきだったとしか考えられない。
実際、この談話が発表される5か月前、金泳三大統領は「従軍慰安婦問題に対し日本に物質的な補償は求めない方針だ」と明言している。
日本はその代わりに強制連行を認めたとみるのが自然。
元慰安婦16人からのヒヤリングについては公開されていないから内容は分からないけど、のちに産経新聞が聞き取り調査報告書を確認した。
証言の事実関係はあいまいで別の機会での発言との食い違いも目立つほか、氏名や生年すら不正確な例もあり、歴史資料としては通用しない内容だった。
決め手となったヒヤリングも「ずさんだったと判明したことで、河野談話の正当性は根底から崩れたといえる」とある。
日本が譲歩して強制連行を“認めた”けれど、韓国側はいまでも慰安婦問題が解決したとは認めていない。
韓国側が用意した元慰安婦の証言と担当者の心証を根拠にした結果、「(日本は)慰安婦の強制動員を認めた」といまでは逆に利用されている。
さらに河野談話のせいで「強制連行」の誤解は世界中に広まった。
いまの日本人はそれで苦労している。
いまさらこの談話を動かせないから、日本人にできることは河野談話についてしっかり反省して過ちをくり返さないことだ。
*記事中の「韓国軍慰安婦」については下をクリックしてほしい。
彼女たちは韓国軍、アメリカ軍、国連軍の兵士の相手をしていた。
韓国政府・軍は慰安婦に対して「あなたたちはドルを得る愛国者」として「称賛」したという。
慰安婦は前線に送られる際には、ドラム缶にひとりずつ押し込めてトラックで移送し前線を移動して回り、第五種補給品として韓国軍と共に米兵も利用した。
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