相手が日本だと、韓国は何でこうも「勝ち負け」が気になるのか

 

19世紀に「外交達人」と呼ばれるほど有能だったオーストリア人のメッテルニヒは、「外交は勝利したような印象を与えない技術」という言葉を残した。
ということを韓国紙・中央日報のコラム(2019.11.28)で最近知ったのだ。

勝利しても勝ったふりをしないのが外交というが=韓国

日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を宣言して、日本を揺さぶろうとしたものの、日本からほとんど何の譲歩も引き出すことができず、激怒したアメリカに揺さぶられた韓国政府は3か月後、破棄宣言を撤回してGSOMIA延長を発表した。
それだけでなく、世界貿易機関(WTO)へ日本を提訴していた韓国はその手続きの中断もきめた。

日本は韓国に一歩もゆずらずにこれだけの”成果”を得たことで、国内からはパーフェクト・ゲーム(完全試合)という声も飛び出す。

もっとも韓国政府は「事実上の判定勝ち」と評価しているから、日韓のどちらが勝者かは見る人によって違う。
ただ得たものと失ったものを並べると、客観的に日本の優位は否定できないから、韓国紙は「勝利しても勝ったふりをしないのが外交」と皮肉を言っているのだろう。

でも「勝ったふり」以前に、そもそも日本は勝ってない。
日本は韓国に対して合意や国際法を守ることを要求していただけで、一度も勝負を挑んでいないのだから。
韓国がひとりで敗北したことを、日本がパーフェクト・ゲームと勝利宣言するのはたしかにおかしい。
他人がつまづいて転んでも、自分の勝ちにはならない。

 

それにしても韓国は、相手が日本となると強烈に意識して勝手に勝ち負けにこだわる。
2017年には今回と”逆”のことがあった。

韓国政府はアメリカのトランプ大統領を歓迎する食事会に元慰安婦の女性を呼んでおいて、大統領に引き合わせる。
トランプ大統領は目の前の女性を抱擁したけど、後日、相手がどんな人物か知らなかったことが判明。
でも韓国政府にとってそんなことはどうでもいい。
大事なことは国民にその様子を見せて、政権支持につながること。
細かいことはケンチャナヨ。

これについて日本では、菅官房長官が記者会見で「一昨年の合意は、慰安婦問題の、最終的で不可逆的な解決について日韓両国間で確認したもの」「この合意が着実に実施されることが重要」と不快感を示す。
でも、韓国政府が日本の抗議を一蹴するところを国民に見せられると、一度で二度おいしい。

そしてこの出来事を伝える韓国紙の表現が、なんか勝ち誇っているのだ。

中央日報の記事(2017.11.08)

安倍氏にひと泡吹かせた1枚の写真…トランプ氏、慰安婦被害女性を抱擁

米大統領を迎える晩さん会で慰安婦問題をアピールするなんて、日本人の発想にはありえないから驚いて不快感をおぼえたことはたしかだけど、それで「ひと泡吹かせた」と痛快事になるのがこれ以上なく韓国らしい。
日本に一杯食わせてやったことで、精神勝利の美酒に酔っている。
なんでこういうときは、「外交は勝利したような印象を与えない技術」というメッテルニヒの名言を使わないのか。

こんなふうに韓国紙の報道をみていると、知らないうちに日本と韓国が勝負をしていて、結果を判定されていることが多々ある。
でも何か言うと、勝手な解釈で強引に上げ足を取られるから、日本は「丁寧な無視」を続けていけばいい。
韓国に対してこれ以上有効な戦略なんてないのだから。

 

以下、おまけ

韓国は日本に傷つけられるのは大嫌いだけど、「ひと泡吹かせた」のようにその逆は好きらしい。
きょねん暴風雨におそわれて、関西国際空港が浸水して使えなくなった。
たまたまこの日が開港24周年の記念日だったことで、韓国の全国紙・朝鮮日報は「空港の誕生日に最悪の浸水被害に遭ったのだ」と表現して、記事(2018/09/06)で読者にこう伝える。

この25年間、数多くの台風に見舞われてきた日本だが、今年の台風21号ほど日本人のプライドを傷つけた台風はなかっただろう。(中略)疲れきった様子で空港を後にする姿に、日本人はぼうぜん自失となった。

関空閉鎖、日本人のプライドを傷付けた台風21号

 

そんな日本人なんて見たことないぞ。
このとき日本のネットでは、
「強烈な台風が来ますって散々言ってたのに、なぜ空港に行った?」
「関空の職員に文句言う前に、なぜこの日に関空に行ったのかと自分を責めろ」
とあきれる人がほとんどだ。

ぼうぜん自失となった日本人とか日本人のプライドを傷付けたとか、韓国は本当に独特で定型的な見方をする。

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。