思えば4か月前、韓国ではこんなことがあった。
ハンギョレ新聞の記事(2019-08-07)
就職博覧会中止、明洞「NO JAPAN」の旗…官主導“過剰”ボイコットに批判の声
日本が対韓輸出の管理を強化すると、「経済侵略」と猛反発した文大統領は「(日本に)二度と負けない」と対抗心をあらわにして、国民の反日感情に火をつけた。
「政府 vs 政府」の争いにとどめておくべきだったのに、「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」で韓国政府は日本企業や韓国国民にまで圧力をかける。
数百の日本企業が参加して、毎年おこなわれていた就職博覧会をなくしてしまったのだ。
これは事実上の入社面接を受ける機会にもなっていたから、いちばん大きな影響を受けたのは日本企業での就職を希望する韓国の若者だ。
上の記事では、「絶望的」「信じられない」といった政府に対する怒りの声を伝えている。
「外交摩擦のために政府が乗り出して自国の若者たちの国外就職の道を阻むなんて、とんでもないことじゃないですか」
「そうでなくとも最近就職が厳しくて心配なのに、若者たちの国外就職が日本に“脅迫用”のカードで使われたようで、荒唐無稽だ」
「国民として理解はできるが、どうしようもなく虚しく苦い気分になる。政府と民間レベルの問題を分けて考えなければならないとした政治家の話は何だったのか」
ことし8月ごろ、こうして若者の就職の機会を奪ったりソウル市中区が「NO JAPAN」の旗の設置したことなどで、政府や役所による行き過ぎたボイコット運動に対して市民から批判の声が上がっていた。
当時、韓国製品の不買運動なんてかけらもなく、無風状態だった日本から見ると韓国社会は熱くなりすぎ。
この全国的な反日運動は海外の注目を集め、英語版ウィキペディアにも「ボイコットジャパン」の説明がある。
不買すべき日本製品とそれに代わる国産品を紹介するサイト「ノーノージャパン」を開設したら、閲覧者が殺到してサーバーがダウンした。
A website called NoNoJapan.com, created by Kim Byung-kyu was launched on 11 July to provide information about Japanese products and services that Koreans boycotted and alternative Korean products to these Japanese one.As more Koreans join the boycott, the website experienced a server crash due to a spike in traffic.
韓国の店に貼られたステッカー
英語版ウィキペディアでこれを見た外国人はどう思うか。
若者の次に、文政権は韓国企業の見通しまで奪った。
韓国経済新聞/中央日報の記事(2019.12.11)
来年夏季路線の運航計画が霧の中だ。日本旅行の不買運動の余波で日本路線が半年間半分になった中で航空業界は来年日本路線の増便と路線の多角化の中で苦心している。
韓経:乱気流続く韓国航空業界…来年の航路も確定できず
「日本製品は買わない。日本に行かない」の不買運動の直撃を受けて、いま韓国の航空会社は大ピンチ。
最大手の大韓航空は役員数の20%を減らして、3カ月間の無給休職制度を導入した。
体力のない格安航空会社はもっと悲惨で、イースター航空は無給休職を行わざるを得ない「非常経営」に入ったとある。
韓国の航空会社は来年1月の中ごろまでには、夏季路線の運航計画を確定する必要がある。
韓日関係の悪化で日本路線の乗客は大幅に減ったけど、それにかわる稼ぎのいい路線は見つからない。
来年の夏ごろに関係が改善されるかなんて神のみぞ知る。
予測が立てられないから業界関係者は、日本路線を増やすべきか東南アジアなど他の路線に割り当てるべきか決められずに困難な決定を迫られているという。
格安航空会社(LCC)の関係者は、「収益性次元では東南アジア路線を一回運航するより日本路線を数回運航するほうが良い」と話す。
この判断で失敗したら会社存続の危機だから、責任者は毎日、胃腸が痛いに違いない。
その一方で反日感情や不買運動をあおり、結果として、韓国の若者や企業の未来を奪った文大統領は国民に夢を語っていた。
「我々には貿易の血が流れている」と強調した文大統領はこう話す。
中央日報の記事(2019.12.05)
サマルカンドのアフラシヤブ壁画には中央アジアと交流した高句麗の使節の姿が彫られていて、新羅人は中国に新羅坊を設置して唐と交易した。高麗時代の碧瀾渡(ピョンナンド)は遠いアラビアの商人も行き来した国際貿易港だった
文大統領「世界4大輸出強国なるまで立ち止まらない」
むかしから貿易に長けた韓国人なら必ず世界4大輸出強国になることができるとし、文大統領は「皆さんと共に新しい未来に向かって力強く走る」と力をこめる。
でもその前に、国内の悲鳴とため息に耳を傾けたほうがいい。
「我々には貿易の血が流れている」じゃなくて、本当に出血している国民がいるのだから。
こちらの記事もどうぞ。
コメントを残す