韓国に対して、いま日本が輸出管理の強化を行っている。
この原因は韓国側にあるのだけど、なぜか韓国では日本が悪者だ。
最近、この問題が思わぬところにも影響をあたえているいう話を聞いた。
その“被害者”はソウルで英語を教えているアメリカ人。
彼女は日本に3年間住んでいたから、何人か日本人の友人がいて、ときどき食べ物なんかを送ってもらっている。
この前イギリス人の友人がクリスマスプレゼントとして、日本のお菓子や小物をそのアメリカ人に送ったところ、「着いた!ありがとう!」という連絡がこないという。
しばらくして返事はきたものの、いつもの2倍以上の日数がかかったから、不思議に思ったイギリス人がアメリカ人にたずねたところ、「いま韓国と日本は貿易問題をかかえているから、日本からの荷物が届くのに時間がかかるようになった」と言う。
個人の荷物に関係あるか?とボクは思うのだけど、そのアメリカ人はそう考えている。
それで、「いい加減にこの問題を終わらせてくれ」とアメリカ人は怒っていたそうな。
そうは言われてもすべては文政権しだいだから、文句があったら韓国大統領府のホームページで国民請願でもすればいい。
でもこれぐらいなら、まあ大したこたぁない。
いま日本に住んでいるアメリカ人がSNSに投稿したメッセージのほうが深刻だ。
Sigh.
When will Asians stop hating each other?
Why all the hate against Japan over semi-conductor materials?
The backlash is out of control.
Is Japan so guilty that all Japanese products must be banned?
「Sigh」は「ああ…」といったため息のこと。
「アジア人はいつまで憎しあっているのか」と言うけど、憎悪のレベルで日韓は伯仲していないのだが。
日本側は基本的に冷静で、韓国製品のボイコット運動が始まったなんて話は聞いたことがない。
「日本はそんなに罪深いのか?」というアメリカ人の嘆きは、イギリス紙ガーディアンの記事(2019/07/24)のこと。
Petrol stations and garages in South Korea are refusing to fill up or service Japanese cars as part of a growing boycott of Japanese goods sparked by trade and political tensions.
「South Korean petrol stations refuse to fill up Japanese cars amid growing boycott」
どのていどの規模か分からないけど、韓国のガソリンスタンドが日本車へのガソリン供給を拒否した。
これもノージャパンのひとつ。
こんな4か月ほど前の記事をいま載せたわけは、最近このアメリカ人と会ったとき、日韓の貿易問題にはまったく興味のない彼でもこれだけはしっかり覚えていたから。
日本車だからという理由でガソリンを入れないのは差別。
これは彼の価値観に反する行為だから、「あれは間違っている。絶対にするべきではなかった」と怒っていた。
この怒りはもちろん日本のためではなくて、彼を不快にさせたことへの反応だ。
ノージャパン運動が激しかったころ、もはや不買運動でもなんでもなって、日本人への差別行為が各地で見られた。
たとえば、入り口に「日本人は立入禁止」と書かれたレストランを見て、ラファエルという(たぶんイギリス人)が「これは国家主義ではなく人種差別主義だ」(This ain’t nationalism、this is racism)というツイートを投稿した。
ハンギョレ新聞の記事(2019-08-15)にはこんな事例もある。
チャムソリ博物館が「日本人観覧禁止」と「No Japs Allowed」と書いた「ボイコットジャパン」の立て札を掲げたが、観覧客の抗議を受けて撤去する事態が発生した。
「日本人立入禁止」「No Japs」の看板は“人種差別”…批判相次ぐ
「日本人観覧禁止」もひどいけど、「ジャップ」という日本人への侮蔑的で差別的な表現は最悪だ。
なんでこんなものが博物館にあるのか。
韓国人から見ても、さすにこれはやりすぎと思ったらしい。
7月から始まって、いろいろやってくれた韓国のノージャパン運動。
日韓以外の人間にしてみれば、いちばん印象に残るのは日本人への差別行為ではないだろうか。
これ以上に強烈なものはないだろう。
少なくとも知り合いのアメリカ人にとっては、日本のビールや衣類が売れなくなったことはどうでもいいけど、アメリカ社会のタブーに触れる行為は許せなかった。
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