前回、フロリダ州出身のアメリカ人から聞いた話を書いた。
彼女がスクール・トリップ(修学旅行)で、ディズニーリゾートに行ったときの話を聞いていて、つくづく思った。
「日本の学校だったら、とてもこんな修学旅行にはならないだろうなあ」
彼女は、ディズニーリゾートしか行っていない。
楽しみまくって、遊びたおしている。
彼女の話を聞いた限りでは、「修学」というものが見当たらない。
その点、日本の学校は違う。
たとえば、修学旅行で東京に行ったとする。
このときには「ディズニーランドだけ」、「ディズニーシーだけ」という、児童生徒にとっては夢のような旅行にはならない。
学校の先生としては当然、「修学旅行は遊びではない、学習なんだ!」と考えるはず。
だから、ディズニーランドと同時に国会議事堂や博物館といった「勉強っぽい」ところにも行かせる。
お楽しみだけでも勉強だけでもない。
日本だったら、その両方のバランスを考えた修学旅行にするはず。
でも、彼女の修学旅行の話では、アメリカの学校にはそんな配慮がまったくなさそう。
日本とアメリカの学校とでは、修学旅行(スクール・トリップ)をする目的がまったく違うように思う。
アメリカでは、たぶんおやつも無制限で何でも持って行けるんじゃないかな?
もちろん、どちらが良い悪いということではない。
日本とアメリカとでは、先生たちの教育についての考え方が違うということ。
日本の学校で、立派なアメリカ人を育てる必要はない。
今回は、今までアメリカ人から聞いた学校生活についての話を書いていきたい。
日本の学校と比べたり、ボクが思ったりしたことを交えながら。
外国人も大好き「Fuji Q(富士急)」!
アメリカの学校では、「学ぶこと」と「楽しむこと(遊ぶこと)」が日本の学校のように、はっきり分かれていない。
日本の学校だと、楽しむ(遊ぶ)ことにはちょっとマイナスのイメージがある。
アメリカの学校では、それがない。
楽しむことは、何も悪いことじゃない。
良いことだと積極的に考えていて、とても大切にしていると思う。
アメリカのそうした考え方を知って、とても驚いたという日本人に会ったことがある。
その人は、ボクがタイを旅行していたときに会った60歳を超えたベテラン・バックパッカーのおじいさん。
以前は、中学校の先生をしていたという。
「教員をしていたときから、海外旅行が好きでしてね。夏休みや冬休みにはよく行ってましたよ」
「でも夏休みだと、部活があってなかなか休みが取りにくくなかったですか?」
「そうそう。大会で、勝ち進むと困るんだよね。結局、海外旅行に行けなくなって、泣く泣くチケットをキャンセルしたこともありますよ。だから、生徒たちには『おまえら、次の試合には絶対勝てよ!』って言うけど、家に帰ってガイドブックを見ながら『あいつら、早く負けないかなあ』って思ってましたよ」
ひどい先生だな。おい。
定年退職後も海外旅行をしては、いろんな国の学校を見学しているという。
「自分探しの旅」ではなくて、明確な目的をもったバックパッカーだ。
まあ、60を過ぎて「自分探しの旅」もないだろうけど。
その人があるとき、アメリカで中学校を見学をさせてもらった。
そのときに、アメリカ人の先生が言った言葉に衝撃を受けたという。
「この学校で、大切にしていることは何ですか?」
と聞いたところ、そのアメリカ人の先生はこう言う。
「教育では、子どもたちが持っている力を伸ばすことが何より大事です。ここは学校ですから、生徒たちにとっては家にいるときと同じように、リラックスできる空間であるべきです。リラックスした状態でないと、生徒をのばすことができませんから」
これを聞いた老バックパッカーは、言葉を失ってしまったという。
「私は、まったく反対のことを思っていました。生徒にも、『ここは学校だ、家じゃない』ってよく言ってましたよ。家と学校で、気持ちを切り替えることが大事だと思ってたんです。学校はしっかり学ぶところで、家はリラックスするところ。そんなメリハリをつけることが大切だと考えていたんですよ」
この考え方は、ちょっと古いかもしれない。
でも、「家と学校は別のところ」と分けて考えることは、今の日本の学校でもあるだろう。
「学校でも、自宅にいるようにリラックスしなさい」なんて、日本の学校の先生が言うとは思えない。
そんな日本の学校では、遠足や修学旅行をしたとしてもそれは学習であって「お楽しみ(遊び)」ではない。
ところで、遠足は一年のいつにやっていただろうか?
4月の終わりか5月ごろに遠足をした人が多いと思う。
日本の学校では、4月に学年が変わってクラスのメンバーも一新する。
クラスメートが打ち解けて良い雰囲気になるように、4月か5月に遠足を計画する学校が多いと思う。
遠足に行くとき、教員は計画書を出す。
学校での遠足は家族旅行ではないから、遊びだけで終わってはいけない。
遠足の目的や教育的な効果をはっきりさせて、それを学年の教員の間で共有するはず。
遠足や修学旅行はあくまで教育活動で、それをとおして子どもたちに「知識・意欲・集団行動」といった力を身につけさせることを教員は考えているだろう。
教員は、生徒に時間を意識して行動することや、集団で移動することなんかを学ばせているはず。
さらには、子どもたちが遊んでいる様子を見て、クラスの中心になりそうな生徒を見つけることなんかもやっていると思う。
そして学校に戻ってきたら、先生たちで「振り返り」をする。
学年主任にもよるけど、「その遠足で、どのくらい目的を達成できたか?」なんてことまで確認する学校もあると思う。
「家に帰るまでが遠足です」なんて言葉を聞いたことがあると思う。
教員の場合、教頭に報告書を出すまでが遠足だ。
アメリカの学校では、たぶんそんなことをやらない。
いや、絶対やらない気がする。
アメリカ人から聞いた話では、アメリカの学校には職員室がない。
アメリカでは、家族旅行も学校の旅行もそんなに大きな違いはないだろう。
思い切り楽しむことができる。
ひょっとしたら、学校の先生の方が楽しんでたりして。
たぶん、計画書の作成や打ち合わせは楽だし、事後の報告書も簡単なものだろう。
それらがないかもしれない。
外国人の話を聞いていると、日本の学校の先生は働きすぎだと思うことがよくある。
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アメリカは日本のように大勢で移動することはないだろう。
遠足と修学旅行は意味合いが違う。日本のような修学旅行は韓国ぐらいだろう。
別のニューヨーク出身のアメリカ人も修学旅行をしていました。
フロリダ出身のアメリカ人も、修学旅行でディズニーリゾートへ行って楽しんでいました。
うらやましいですね。
この記事に出てくるアメリカ人は、日本のいろいろな中学校で英語を教えていました。
これはその彼女の視点です。
それと知り合いのイギリス人の姪は、2泊3日の修学旅行でアウシュヴィッツなどに行ったそうです。
台湾にも修学旅行はなかったですか?
アメリカは歴史が短いので歴史を学ぶような建造物がないのだと思う。
だから、アメリカ人はエジソンを知らない人が多い。
それがいいとか悪いとかではなく。
日本が週休2日制を導入する時も、単に週の2日を休みにしていろいろと弊害が出たけれど、アメリカの中学は朝7時30分に始まり4時ごろ終わる。1日の学校にいる時間が日本より長い。
先生は夏休みやクリスマス休暇などは給料がでない。
高校にはシングルマザー向けに託児所がある。
海外には恥の文化がなく、特にアメリカはなんでも楽しんでやる傾向が強いと思う。
私が知っているアメリカ人のお母さんは小学生の修学旅行で性教育をせずに男女一緒の宿泊施設に泊まらせることを「アンビリーバボー!」と言ってました。「何かあったらどーするんだ!」と。それだけ、アメリカは成熟度が違うということでしょう。
あと知人のアメリカ人は、日本では先生の権限がとても大きいと驚いていました。
アメリカで教師の社会的地位や評価はけっこう低いらしく。
マラソン大会も親の許可が無かったら、学校の独断ではできないと彼女は言います。