【日韓首脳会談】韓国の期待に冷や水をかける日本政府

 

韓国が待ち望んでいた、文大統領と安倍首相との首脳会談が今月24日にきまった。

いまの韓国にとって最重要課題は、日本がおこなっている輸出管理(韓国では輸出規制)の強化を一刻も早く撤廃させること。
15か月ぶりに行われるこのトップ会談はそのきっかけになるかもしれない。

だからこの決定に、韓国側は狂喜乱舞、欣喜雀躍といったところだろう。

韓国大統領府(青瓦台)の高官はこう話す。
朝鮮日報の記事(2019/12/20)

輸出規制問題に関し、青瓦台の高官は記者団に「首脳同士が会えば常に進展があるものだ。輸出規制問題に関する実務者会合でも、少しずつ進展があるようだ」と話した。

24日に韓日首脳会談 1年3カ月ぶり開催=両国の懸案議論

 

そんなワクワクムードの韓国に、菅官房長官が冷や水をかける。

中央日報の記事(2019.12.19)

韓日首脳会談が差し迫っている中、日本政府がまた「韓国は約束を守りなさい」と声を高め始めた。

首脳会談が近づくと菅長官、再び「国家間約束を守りなさい」徴用関連で圧力

 

韓国はいま輸出管理のことしか頭にないけど、都合よく自分の立場を忘れてもらっては困るのだ。
徴用工問題の解決を確認した日韓請求権協定をひっくり返したことで、現在の韓国は国際法違反の状態にある。
日本はこれに加えて慰安婦合意も守っているのだから、同じことを韓国に求めるのはフェアにして当然。
関係を維持する最低条件でもある。

そもそも国家間の約束は守らないといけないと言われて、「圧力をかけられた」と被害者モードに入るほうがどうかしている。
自分の言葉を自分で否定する人間が悪い。
「また声を高め始めた」と日本をうるさい姑(しゅうとめ)のように表現するな。

ちなちに菅官房長官は記者会見で、直接「韓国は約束を守りなさい」とは言っていない。

「重要な隣国である韓国が国と国との約束を順守することで健全な関係に戻っていく」

「その契機を韓国が作らなければならない」

いまの日韓関係を見ればこれは当たり前のこと。
菅官房長官も内心、「いちいち言わせんなよ」と思っているかもしれない。
首脳会談が近づいて浮かれ気分の韓国は、どうやら現実離れした期待をもっているようだ。

そんな相手には、頭を冷やして現実を見つめてもらう必要がある。
さいわい菅官房長官のメッセージはしっかり韓国側に届いていた。

「首脳会談の時進展したカードを持ってこい」というメッセージを韓国政府に伝えようとする狙いという分析が出ている。

 

関係悪化の原因となった徴用工問題については、韓国が国際法違反の状態を是正して、日本が納得できるような解決案を持ってくる必要がある。

菅官房長官は時事通信とのインタビューでも、「政府の方針は明快で、1965年の日韓請求権協定が全てだ」と話している。
首脳会談で韓国側は「輸出規制」の解除を望んでいるけど、枕元に靴下をおいて待っているだけではそのクリスマスプレゼントはもらえない。
でも韓国は、翌朝「プレゼントが入ってないじゃないか!」と怒り出すタイプだと思う。
「首脳同士が会えば常に進展があるものだ」という韓国の期待と、いまの日本がもつ期待はまったく違うから。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。