外国人がすすめる日本の観光地トップ5:世界の流行はスピリチュアル

 

「もう鎖国なんてしている場合じゃねえ!」と日本が外国人観光客を受け入れはじめた明治時代、シドモアというアメリカ人女性がやってきた。

京都の清水寺のあたりを散策した彼女はその印象を手記にこう記す。

ある幸運な午後、清水の祭りに参加する機会に恵まれました。ティーポット・ヒル全体が、まばゆい彩りの縮緬や紗を着た民衆、少女、子供たちで混雑し、飾り立てた家々は鮮やかさを競っています。

「シドモア日本紀行 (講談社学術文庫)」

 

こんな京都は今は昔。
ことしの夏に清水寺に行ったら、そこは英語や中国語が飛びかう異文化・国際空間になっていた。
明治は遠くになりにけり。

さてきょねん2018年、訪日外国人がはじめて3000万人の大台を突破した。
そして東京オリンピック・パラリンピックが行われる来年は一層の増加が期待できる。
まあ国内では、観光客の増えすぎによる「観光公害」という問題もあるのだけど。

もし来年、外国人が日本へ旅行にくるなら、日本をよく知る外国人は彼らにどこをすすめるのか?

外国人に日本を紹介する情報サイト「ガイジンポット」が2000人の読者を対象に行ったアンケートで、2020年に訪れるべき10の観光スポットがわかった。

Top 10 Japan Travel Destinations for 2020

前回は10位~6位までを紹介したから、今回はトップ5をみていこう。
ちなみにこのサイトは英文で書かれていて、読者の対象はおもに欧米人だ。

 

 

5位:琵琶湖

緑の山々にかこまれた日本最大の湖・琵琶湖は、日本語でいうなら風光明媚なところで本当に絵になる。
そこでハイキングをしたり自転車を走らせたり、マリン・スポーツをするのがおすすめ。
でもそんな場所なら、海外だって珍しくない。

琵琶湖の北には、日本で「パワースポット」と呼ばれる竹生島(ちくぶしま)がある。
湖に浮かぶその小島は古来から、神のすむ島として信仰の対象になってきた。
*竹生島は人類発祥の地であると唱えた大石凝 真素美(おおいしごり ますみ)なんて宗教家もいた。
外国人の視点ではそこへの巡礼もおすすめという。

ちなみに「パワースポット」は日本語で外国人には謎ワード。
だから記事の“power spot”には、「an area of concentrated spiritual energy」とスピリチュアルな力が集まる場所という説明が必要になる。

 

琵琶湖の竹生島

 

4位:札幌

雪まつりにラーメン、ビール博物館がある札幌はほかの都市とは一味違う魅力を提供している。
札幌駅の近くにはイオンがあって、そこでは多言語対応のできるスタッフがいるから安心して買い物を楽しめる。
また札幌で情報収集や準備をして、東に広がる北海道の大自然へ冒険旅行にでかけることも可能だ。
そこにあるのはまさにゴールデンカムイの世界。

札幌にある市民防災センターで、地震体験や暴風体験をすることもすすめている。
たしかに外国人はこういう体験が好きそう。

 

3位:長野と岐阜にまたがる中山道

江戸時代の雰囲気がそのままのこる妻籠宿や馬籠宿は外国人に大人気。
約9キロのこの区間を歩けば、数百年前にタイムスリップできる。
一日歩いて疲れたら、地元名物の「おやき」や栗のデザートで栄養補給。

そこから少し足をのばせば、天下分け目の関ヶ原の戦いのあと地があって、スマホのアプリを使えば、その日の両軍の動きを細かく知ることができるという。

 

馬籠宿にはことしの秋にタイ人、リトアニア人、トルコ人、ロシア人を連れて行った。
ヨーロッパやトルコにも古い街並みはあるけど、レンガや石造りの建物だから、木造の宿場町というのは彼らにとってはとても新鮮だった。
世界でここでしか見られないような日本的な雰囲気がただよっているという。
タイ人にも木造の建築物はあるけど、建物がまったく違うし保存状態もここまで良くない。
外国人の話をきくと、馬籠宿は想像以上にせまくて、すぐに散策が終わってしまうことがちょっと不満らしい。
江戸時代ならこれで十分だったのだから、まあアキラメロン。

 

 

2位=東京

もし来年オリンピックが開かれなかったら、おすすめの場所として東京を選ばなかったという。
東京は有名すぎてどこのガイドブックにも載っているから。
東京では秋葉原や原宿で日本のポップカルチャーに触れることや、代官山や中目黒のおしゃれな店で飲み物を飲んだり、道行く人を“観察”することをすすめている。

 

1位:和歌山の熊野古道

数ある日本の観光地の中で、いま外国人が外国人にすすめるナンバーワンスポットは「Spiritual travel」が体験できる熊野古道だった。
スピリチュアルな旅行はいま、世界的な流行になりつつあるらしい。

熊野古道で行くべきところは熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社の3つの神社がある熊野三山(くまのさんざん)。
ここは日本に約三千ある熊野神社の総本社でもある。

 

熊野速玉大社のお札
う~ん、スピリチュアル。

 

日本人の信仰の特徴は仏教と神道が入り混じった神仏習合で、こんなものは海外にはない。

熊野古道ではいろいろなお寺や神社があって、仏教と神道が平和に共存している様子を見ることができるのだ。

Here you’ll pray to both indigenous Shinto and Buddhist gods, a testament to the harmony cultivated between the two religions throughout a formidable history.

Top 10 Japan Travel Destinations for 2020

 

また、1800年の歴史のある「湯の峰温泉」で体を清めてから、熊野古道へ巡礼の旅に出かけるべきと提案している。
やばい。日本人が日本で負けそう。

 

那智の滝

 

日本の歴史と信仰がつまった熊野古道は「スピリチュアルな旅行」としては最高の場所。
いま海外からたくさんの外国人旅行客が来るから、多言語で観光案内もしてくれる。
日本人は英語ができないという説は外国でも有名だから、こういう対応があれば初来日の外国人でも安心だ。
ということで、日本通の外国人が日本旅行を考えている外国人におすすめの観光地は、古代の日本と現代的なおもてなしを体験できる熊野古道がナンバーワンだった。

 

一方の日本では東京の主要ホテルはすでにおさえられていて、民泊がすさまじいことになっている。

日経ビジネスの記事(12/22)

東京・四ツ谷駅から徒歩10分のアパートの一室を利用した民泊は45万円だった。通常は2万円程度の部屋だ。

1泊45万円の民泊も 五輪期間の宿泊料金、すでに高騰

日本の評判が落ちそうでコワい。

 

 

こちらの記事もどうぞ。

外国人から見た不思議の国・日本 「目次」

外国人から見た日本と日本人 15の言葉 「目次」

世界の中の日本 目次

試合終了からのゴミ拾い。日本人のマナーと世界の反応。

 

2 件のコメント

  • 世界中でスピリチュアルなもの・場所が流行するというのは、あまり良いことだとは思いませんね。
    現状がちっとも変わらず、いつまでも同じ問題点が解決されず残っていることに、世界中の人々が疲れているのかもしれません。
    ですが、グレタさんに指摘されるまでもなく、誰かが現実に努力しない限り、世界は良い方向へ自ら変化することはありません。なぜなら、現実世界は人間が作っているものだからです。
    向上と変革を起こさせるエネルギーをスピリチュアルな存在に頼るのは、根拠のない、虚しい願望に過ぎないと思います。寄り添うだけでは解決できない問題も世の中には多いのです。

  • まあ見方はいろいろですよ。
    精神的に癒されてまた現実とたたかう人もいるでしょうし。
    基本的に休日の過ごし方は個人の自由だし、日本文化を正しく学んで尊重する外国人はいいと思います。
    変な霊感商法にだまされるのは問題ですけど。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。