いま日本中でこだまする、メリークリスマス!。
SNSで外国人のメッセージを見るとクリスマスのあいさつはやっぱり、「Merry Christmas」がいちばん多い。
ちなみに台湾人は「聖誕快樂」だ。
銀座にあるこのビルのあいさつはそれとちがって、ハッピーホリデー(ズ)。
この「Happy Holidays」とやらを知ってますか?
メリークリスマスはキリスト教のあいさつで、ユダヤ教徒やイスラーム教徒などの異教徒には関係ない。
無神論の人にはきっと不快だ。
そんなワケで世界中の人種や宗教が集まるアメリカでは、メリークリスマスのかわりにハッピーホリデーと言うことが近ごろ増えている。
*クリスマスツリーを「ホリデーツリー」に言いかえることもある。
本当に多民族国家のアメリカらしいあいさつだ。
なんて思ってしまいがちだけど、ハッピーホリデーは別にアメリカ的なあいさつではない。
白人、黒人、アジア人、ヒスパニック、さらにキリスト教徒やユダヤ教徒、イスラーム教徒に無神論者といったいろんな人が集まっているのはニューヨークやカルフォルニアなどの都市で、アメリカの都市すべてがそんな複雑な人種構成ではないのだ。
だから「人種のサラダボウル」と呼ばれるニューヨークではハッピーホリデーがふさわしいけど、他の都市ではメリークリスマスのほうがいいばあいもある。
「アメリカ的」というのはこうした多様性や地域性をさす。
ニューヨークやカルフォルニアなどの青い州は民主党の支持者が多くて、リベラルな価値観が社会に強い影響をあたえている。
テキサスやサウスカロライナなどの赤い州は共和党(トランプ大統領)の支持者が多くて、保守的な価値観やキリスト教の影響力が強い。
ひとつの参考程度に聞いてほしいけど、青いところではハッピーホリデー、赤いところではメリークリスマスが受け入れられる傾向があると思う。
では、アメリカ人はどう考えているのか?
いまニューヨークにいるアメリカ人に、あいさつはメリークリスマスよりハッピーホリデーのほうが多いか聞いてみると、こんな返事が到着。
「I think that’s true. Most people I know including myself say Happy Holidays. It’s just more inclusive.」
きっとそれは正しい。ハッピーホリデーはいろんな立場の人をふくめた幅広い言葉だから、ニューヨークではこのあいさつのほうがいい。
「But with my family and close friends who also celebrate Christmas I will say Merry Christmas to them. Specifically on Christmas.」
でも、家族や仲のいい友だちでクリスマスを祝う人にはメリークリスマスと言う。
これが、「赤い州」のジョージア州にいるアメリカ人に聞くと事情がかわる。
ニューヨークみたいなリベラルなところでは、ラジオやテレビなどの公共放送で「メリークリスマス」を使うと批判されるからそれは言わない。
でもジョージア州には保守的な人が多いから、「ハッピーホリデー」と言うと、「メリークリスマスと言え!」怒られることがあるという。
ニューヨークの価値観はここでは合わないのだ。
そのアメリカ人はジョージアで両方のあいさつを聞いたけど、数でいえば「メリクリ」が多い。
だからこんなところで、「ハッピーホリデーというあいさつは本当にアメリカ的だ」なんて知った顔で言うときっと怒られる。
以前、アメリカのスターバックスがいろんな宗教に配慮して、紙コップからトナカイなどのクリスマスをイメージするデザインを取っぱらって赤一色のシンプルなものにしたら、「スターバックスはクリスマスを否定するのか!」と保守的なアメリカ人から猛抗議を受けた。
アメリカではクリスマスのあいさつで「ハッピーホリデー」が増えてきたから、そんな空気に反対するトランプ大統領は「メリークリスマス」という美しい言葉を使うべきだと呼びかけた。
People are proud to be saying Merry Christmas again. I am proud to have led the charge against the assault of our cherished and beautiful phrase. MERRY CHRISTMAS!!!!!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) December 25, 2017
この考え方を支持するアメリカ人はたくさんいる。
だからアメリカでの適切なあいさつはメリークリスマスとハッピーホリデーの両方で、相手や状況によって使い分けるのが正解。
「答えはひとつではない」というのが本当にアメリカ的だ。
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> メリークリスマスはキリスト教のあいさつで、ユダヤ教徒やイスラーム教徒などの異教徒には関係ない。
> 無神論の人にはきっと不快だ。
何という狭い見識の他宗教・多民族に対する排他的な考え方なのでしょうか。この辺が、1神教や共産主義者の考え方に関して、理解不能であり愚かしいと言わざるを得ない所以です。
自分の宗教に関係なくとも、自分が無神論であったとしても、それが他宗教の信者からの挨拶を「拒絶する」理由にはならないでしょう? 「メリー・クリスマス!」という挨拶が、ユダヤ教やイスラム教や無神論を侮辱するものなのですか? 他宗教の信徒が親しみを込めて挨拶してくるなら、それくらいは先方に合せて受け入れてやっても然るべきなんじゃないですか? 別に喧嘩を売ってきているんじゃないのだから。
欧米人のこういう狭い考え方を見るにつけ、宗教は本質的には人類文明に有害なものであると考えざるを得ませんね。「(日本人の多神教以外の)宗教は阿片だ」その考え方の方が合理的だと考えます。葬式仏教、結婚式キリスト教、合格祈願神道で大いに結構。
郷に入っては郷に従えで、ニューヨークやジョージアではそれぞれのやり方がいいということでしょうね。
日本人は大らかというか宗教に関心がないから、メリークリスマス!でいいですが。
知り合いの中国系シンガポール人はヒンドゥー教やイスラーム教の祭りで「おめでとう!」という
メッセージをSNSでしてましたね。それはシンガポールの文化と考えているようです。