今回の内容
・ラジオ体操の海外の反応
・日本のラジオ体操の歴史
・現在のラジオ体操
日本の中学校で英語を教えているアメリカ人が、生まれて初めて日本の運動会を見た。
前にそのアメリカ人の感想を書いた。
彼女は運動会とラジオ体操を「アメリカにはない、日本らしい文化」と言う。
でも実際には、運動会もラジオ体操も日本の伝統的な行事ではなくて、明治・大正時代に欧米からきた比較的新しいイベントだ。
今回はそのラジオ体操について、海外の反応や現在までの歴史を書いていきたい。
戦前のラジオ体操の様子
・ラジオ体操の海外の反応
彼女は日本に来る前から、ラジオ体操を見ることを心待ちにしていた。
「日本のラジオ体操は、ユーチューブで見たことがあったの。あれはぜひ、直接見たいと思ってたわ!」
外国人にとって日本のラジオ体操は、ユーチューブで見るほど楽しいものなんだろうか?
ここでこんな疑問を感じた。
「ラジオ体操は、海外でどう見られているんだろう?」
で、さっそくラジオ体操の動画を見た外国人の感想を探してみた。
すると、「アメリカにも導入するべきっ」ラジオ体操の海外反応」というページがある。
ここに書いてある外国人の感想が面白い。
たとえば、日本にいるスイス人から見ると、ラジオ体操は「日本の象徴」になるようだ。
ここ日本にいる間に一度でいいからラジオ体操に参加したいと常々思ってるんだ。
これは間違いなく日本を象徴してる。
以下、アメリカ人やカナダ人のこんな感想が並んでいる。
これ最高! ラジオ体操ってアニメや漫画の中だけの冗談だと思ってたわ。XD
日本に行ったら俺も絶対に参加させてもらうよ。
スピーチする人がお辞儀をして、聴衆がそれにお辞儀で返すのが良いわね。
そしておはようございますの声にも、おはようございますと返す。
とても日本的で・・・・・・・キュートだわ。
ここにある「XD」を見たことある?
これは、笑顔をあらわしている。
「X」が目で、「D」が口になる。
これは、台湾人もよく書いている。
・日本のラジオ体操の歴史
面白いというか感慨深いのは、このアメリカ人の感想だ。
これは素晴らしい。興味深いコンセプトだよ。
アメリカはこれから何かヒントを得ることができるかもな。
「アメリカはこれから何かヒントを得ることができるかも」と、このアメリカ人は書いている。
でも、日本のラジオ体操はアメリカのラジオ体操から生まれているのだ。
健康増進などのために、メトロポリタンというアメリカの生命保険会社が考え出し、1925年からラジオ体操番組 「Setting up exercise」が放送された。
日本のラジオ体操はこれがもとになっている。
アメリカでおこなわれていたラジオ体操を「日本でもやろう!」と言ったのが、猪熊という人。
当時アメリカにおいて、保健事業の一環として、ラジオによって体操が放送され、国民の健康を増進していることに着目し、当時文部省体育課長であった北豊吉と相談し、NHKのラジオ放送によって体操を実施することを企画した。
「日本大百科全書(ニッポニカ)の解説」
そして、1928年(昭和3年)11月1日に、記念すべき第一回目のラジオ体操がおこなわれた。
面白いのは、このとき担当したNHKのアナウンサーがパンツ1枚という姿だったこと。
元軍人だったせいか分からないけど、その姿で気合いを入れて体操していた。
でも、パンツ1枚で放送していたこのアナウンサーがあることを聞いて顔が真っ青になる。
この放送を皇族の方が聴いていたという。
パンツ姿で皇族が聴いている放送をすることはできない。
「照宮成子内親王もラジオ体操に御執心なり」と聞き及ぶや濃燕尾服に蝶ネクタイを締め、正装に身を包んだ上で放送に臨むようになった。実際の振り付けは郵便局員が全国に周知した。
(ウィキペディア)
おしい。
パンツ1枚の姿に蝶ネクタイをしただけの姿なら、1人のヘンタイが完成したのに。
でもこれはラジオ放送だから、アナウンサーがどんな格好をしていても、聴いている人にはその姿は見えなかったはずだけどね。
でもどうしてこのアナウンサーは、「ほぼ全裸」という姿になったのか?
ひょっとしたら、古代オリンピックを意識したのかも。
古代ギリシアのオリンピックは、全裸でおこなわれていた。
また、古代オリンピックでは、不正を防ぐために全裸で競技が行われたという。
NHKのアナウンサーも、これが頭にあってパンツ1枚になったのかも。
って、そんなわけないか。
・ラジオ体操の今
NHKの「ほぼ全裸アナウンサー」から始まったラジオ体操が、現在の日本でおこなわれているラジオ体操になっている。
日本のラジオ体操の歴史は、アメリカのラジオ体操を知った日本人が始めたことから始まっている。
そして、日本で独自の進化をとげた。
でも、アメリカ人はそんなことをまったく知らない。
ユーチューブで見て、「ラジオ体操は、日本の文化だ!」「これこそ日本の象徴だ!」と思っているところが面白い。
この日本のラジオ体操は、今では外国に「輸出」されてもいる。
読売新聞の「発言小町」には、中国に日本のラジオ体操が伝わったと書いてある。
そもそも中国のラジオ体操は日本のものを真似たもので、しかも体の部分(首やお腹など)や動作の方向を表す言葉が当時の中国語になかったため、日本語の体操用語を真似して作り上げた、とありました。
もはや「日本の文化」といってもいいラジオ体操が、海外に広がることはうれしい。
でも、中国では広まってほしくない。
中国といえば、早朝の公園でおばさんが集団で太極拳をしているのをよく見た。
あれほど「中国らしいもの」は、なかなかない。
太極拳がラジオ体操に変わってしまったら、これはさみしい。
おまけ
日本でラジオ放送が始まったのは大正時代で、これもアメリカのラジオ放送を追随している。
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