いまや日本で韓国の信頼は地に落ちて、そんな見方が常識になりつつある。
半年前に読売新聞が発表した世論調査の結果では、日本で韓国を「信頼できない」と答えた人の割合は74%と過去最高を記録。
まあ韓国でも「日本を信頼できない」という人は75%いたから、不幸な認識ではお互い一致している。
「韓国 約束」で検索するとこんな状態だ。
韓国は約束を守らないのか、守れないのか。
そもそも韓国での約束の概念とはなにか?
そんな根源的な思索の旅にでかける日本人は多いようだ。
また、ことしのクリスマス・イブにはこんな質問を投げかける人もいた。
「よし。これでもう安心だ」というセリフのあとに、最大のピンチをむかえる展開はアニメでよくある。
でも、それを現実世界でおこなう国が隣にあった。
最大の外交問題だった慰安婦問題は、2015年に日韓両政府が「最終的かつ不可逆的な解決」を確認したことで決着をみた。
過去の問題にケリをつけて未来へ進もうと思ったところ、ムン政権が「あれで解決にはならない」と蒸し返して現在の問題にしようとする。
ことし7月には慰安婦財団を一方的に解散して、合意の履行を不可能にした。
きょねん韓国最高裁が請求権協定をひっくり返したことにこの約束破りが加わって、「なんで韓国は約束を守らないのか?」という日本人を大量生産させることとなる。
そんな慰安婦問題について、きのう韓国の裁判所が新しい認識をしめす。
4年前に日本政府と結んだ慰安婦合意は憲法違反だと元慰安婦や遺族らが韓国政府を訴えていた件で、韓国の憲法裁判所はそれを認めず、原告らの訴えを却下した。
国家が結んだ合意を憲法違反と認められたら、政府として無能にもほどがあるから、それを避けられて韓国政府としてはほっと一安心というところだろう。
裁判所があの合意を否定したら、また日韓の間で大問題&大波乱は間違いないから、日本としても年末に爆弾がさく裂しなくてよかった。
だからといって、一件落着といかないのがいまの日本と韓国。
訴えを退けた理由について、憲法裁判所は日韓合意を「拘束力のない政治的合意に過ぎない」という。
おいこらマテ。
あれはたしかに法的拘束力のある条約ではなかったけど、国家間の合意を守らなくていいことにはならない。
裁判所の判断は韓国政府に約束を守らないことの「お墨付き」をあたえてしまう、というのは言い過ぎとしても、いま韓国がおこなっている約束違反の放置を助長させることになりかねない。
だからこうなるのは必然。
共同通信社(2019/12/27)
慰安婦合意に履行義務なし 韓国憲法裁、日本の反発必至
2015年当時、こんな事態を予想できた人はだれもいなかったはず。
コリアまいった。
でもこれは政府が結んだ合意を軽視することにもなるから、国家の信用低下を不安視する声は韓国にもある。
たとえば東亜日報は社説(2019/12/28)でこう書いている。
憲法裁が、条約でないすべての外交合意を単純に政治的合意に格下げしてしまえば、今後どこの国が韓国と誠実な外交協議をしようとするだろうか。
「慰安婦合意」憲法訴訟却下、外交合意を巡る議論は慎重でなければ
両国の外務大臣が共同記者会見と握手までした2015年の慰安婦合意。
これを守らなかったら、世界は韓国を信用しなくなる。
韓国を信頼して約束した結果がこれだ。
どの韓国紙を見ても、「さあ今度は我々が合意を守る番だ。日本大使館前の少女像を撤去しよう」という有言実行の気配はない。
中央日報(2019.12.27)
韓国外交部「憲法裁判所の決定尊重…慰安婦被害者の尊厳ために努力する」
朝鮮日報(2019/12/28)
韓国憲法裁、韓日慰安婦合意憲法訴願却下「条約ではなく政治的合意…対象でない」
聯合ニュース
慰安婦合意は「政治の領域」 韓国憲法裁が違憲訴え却下
これでは先に約束を守ったほうが損をする。馬鹿を見る。
こんご韓国となにかを合意するときは”裏切り”を想定して、必ずペナルティーとセットにしたほうがよさそうだ。
というわけで、来年の対韓外交の基本姿勢は「信賞必罰」に決定。
いまのあちらの様子を見ていると、韓国に対する日本人の見方も当分変わらない。
ただ韓国がこんな国になったのはムン政権になってからのことで、慰安婦合意を結んだパククネ前政権だったら、きっと日韓関係はここまでひどくなっていなかった。
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