これから日本の若者はゴー・ウェスト、中国へ行くことになる。
もれなくみんなではないけど、観光庁がその方針を固めて発表したから方向性は間違いない。
21世紀の遣唐使も悪くないから、中国へ修学旅行に行って、ぜひ日本についての理解を深めてくれ若者よ。
くわしいことはこの記事をどうぞ。
これは時事通信の記事「高校修学旅行を海外に 中国念頭に普及推進 観光庁」(1/14)に書いてあったことで、その記事を読むと最近の高校の修学旅行がみえてくる。
いま日本の高校には台湾、シンガポール、オーストラリアが人気の一方で、中国と韓国はそのゾーンの圏外にいる。
日本の修学旅行全体をみると、海外へ行く高校は増えているけど、訪問先に中国や韓国を選ぶ学校は減っている。
というかだだ下がりで、特に韓国は世界恐慌の株価並みに暴落した。
2007年度には日本から中国に140校約1万6500人、韓国には169校約2万3600人が修学旅行で訪れたけど、10年後の17年度には中国が29校約3300人、韓国が18校約1400人と約17分の1という有り様だ。
おまけに書くと、修学旅行で日本を選ぶ中国の学校は増加傾向にあって、18年度は前年に比べて約2.4倍の約1万7800人が日本を訪れた。
日本ではぜひマナーとマナー、それとマナーを学んで中国へ持ち帰ってほしい。
そして大人になったら、また訪日してたくさんお金を使ってくれ。
さて時事通信の記事には、日本がこれから中国旅行に力を入れることが書いてあるけど、韓国については何もない。
韓国への修学旅行が激減した事実を伝えるだけで、それについて日本政府がどうするつもりなのかまるで書いてない。
ということは、韓国は放置ということだ。
まあ、それは仕方ない。
そうされても文句の言えないことをムン政権は現在進行形でしているし、「ノージャパン運動」をする国へ高校生を送り込むことに抵抗を感じる人も多いはずだ。
でも韓国への修学旅行は、それ自体はそれほど悪くないとおもうのだよ。
中国に行くことで日本の歴史や文化などが分かるように、韓国でもそれが期待できるから。
論より証拠で、ボクが韓国旅行で経験したことをこれから書いていこう。
韓国人の友人とソウルをまわっていたとき、ウェスティン朝鮮ホテルの敷地にある“ここ”へ行った。
さて、この建物が何かわかりますか?
一緒にいた韓国人に質問したら、「分かりません。これは昔のレストランですかね?」と首をかしげる。
「えっ、ソウルで生まれ育ったのにここを知らないの?」という驚きは胸の下に隠して、これは圜丘壇(えんきゅうだん)であることを伝える。
中国にはこの世のすべては天(天帝)によって支配されているという考え方があって、豊作や国家の平和を天に祈る儀式が行われていた。(祭天)
でも、これができる人間は地上にひとりしかいない。
朝鮮では、祭天を行う事ができるのは中国の皇帝だけであり、中国の皇帝から冊封されている朝鮮国王は、祭天を行えないとされていた。
朝鮮は中国の冊封を受けていて外交的には“従属国”だったから、この祭天はできなかったのだ。
でも、そんな関係を破壊したのが日本。
19世紀末の日清戦争で日本が勝利したことによって、中国は朝鮮への支配権を放棄して朝鮮の独立を認めた。
これは下関条約に書いてあることですね。
「我々は中国から独立したんだ!」ということを天下に知らしめるために、朝鮮国王はワンランク上の皇帝になった。(つまり中国と同格)
いまから約130年まえ、第26代朝鮮国王の高宗(コジョン)が大韓帝国皇帝に即位した場所がこの圜丘壇だった。
ここで国家安寧を天に祈る儀式もおこなったとおもう。
韓国の歴史では国が変わる重要な出来事があった場所だから、てっきり学校で習うものだと思っていたけど、韓国人が知らなかったでござるの巻。
ふだんは「歴史を忘れた民族は~」とか言っちゃってるのになんだこれ。
当時の圜丘壇(えんきゅうだん)
そんな圜丘壇を歩いていると、韓国人が「これ、『万歳』って書いてませんか?」と言って壁(柱だったかも)に刻まれた文字を指さす。
萬 歳
韓国の漢字は日本と違っていて、いわゆる「旧字体」を使っている。(すべてがそうではない)
たとえば「乗」は「乘」、「体」は「體」、「広」は「廣」、「亀」は「龜」のような。
まあくわしくはここをクリックだ。
ボクは日本の漢字の「万」に見慣れていたから、「萬」には気づかなかった。
たしかにこれは「万歳」だ。
朝鮮国王は祭天の儀式ができなかったように、「万歳」も禁止されていた。
「万歳」は中国皇帝だけに与えられた言葉だから、朝鮮国王にはワンランク下の「千歳」を使っていたのだ。
19世紀末、大韓帝国皇帝が即位したことを祝って、人々は「万歳」を叫び、圜丘壇のここにその文字を刻んだのだろう。
中国と韓国はなんだかんだ言ってお隣さんだから、日本と歴史がからみ合っている。
海外旅行でこんな思わぬ発見ができるところは東アジアのいいところで、他の国でもそれがないとは言わないけど、「日本と出会う旅」ならやっぱり中国や韓国がいい。
いいのだけど、いいことだけじゃない。
だいたいの場合、光と闇は表裏一体のセットになっている。
「日本と出会う旅」ならいいけど、こんな修学旅行はお断りだ。
次回、“闇”の部分について書いていきます。
ただ、ここに「土下座」とあるけど、そんな事実は確認できなかった。
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