「タイは若いうちに行け」というキャッチコピーがあったけど、これから日本の若者は中国へ行くことになりそうだ。
時事通信の記事(1/14)
高校修学旅行を海外に 中国念頭に普及推進 観光庁
観光庁は今後、修学旅行や研修などの「海外教育旅行」を推進していく。
若いうちにネット世界や島国を飛び出して、広い世界を知るのはいいことだ。
そうすればきっと、日本は天国だったと気づくから。
カフェや食堂でスマホやノートパソコンをテーブルにおきっぱにして、料理を取りに行ったりトイレに行ったりできる日本の治安は当たり前ではなくて、世界では奇跡に分類されることを知るだろう。
記事の見出しにあるように官公庁はその対象国を主に中国と考えていて、これからその普及に向けた課題の整理なんかをしていくという。具体的には、日本各地で中国旅行を呼びかけるセミナーなんかを開く方針だ。
高校生が海外を知るのはいいとして、なんでそれが中国なん?という疑問はあるとおもう。
それはやっぱり、時世と政治が関係してるでしょ。
さいきんの日中関係はすごくいい感じだし、きょねんは中国の外相が「中国への修学旅行を増やしてくれ」と北京を訪問した外務省のお偉いさんに要望を伝えていたから、今回の発表はそれに応えたものだろう。
中国としては日本の国民感情の改善、中国への好感度アップを期待しているのだ。
ちなみにいま海外の修学旅行先で人気ナンバーワンは台湾で、以下シンガポール、オーストラリアと続く。
ただ中国外相や観光庁のおもわくとは違い、日本のネットの反応をみると、残念無念ながら否定的な書き込みが多いのが現実。
・今まさしく出張で上海行きの飛行機待ちだが行きたくない出張先ナンバーワンだわ中国は
・なにか事件が起きたら観光庁が責任とれるのかね
・中国はいっぺん行っといた方がいいよ
都会さにビビって、日本はある面では遅れてるってことを自覚した方がいい
・バカですか?
・池袋にでもいけば?
・しかし、なんか最近中華の影響力がすごいなw
・日本にお金落とせ
さて、「中国は若いうちに行け」にあなたは賛成ですか?
これは中国最大の都市、上海の様子(7、8年前かな)
「やべえ、日本が置いていかれるかも!」という危機感を若い日本人に持ってほしい。
中国は若いうちに行くべきかどうか?
ボクは「ぜひ行け。行けば分かるから」とおもう。
これはボクがいままでに行った国と地域で、東・東南・南アジアと中東、西アフリカに旅をしてきた。
この経験から言わせてもらうと、中国こそ日本人が行くべきところだ。
中国を見て聞いてまわると日本の伝統や歴史や文化を再把握できて、日本への理解がぐっと深まるから。
ではここでクエスチョン。ででん。
古代日本にとって中国(隋や唐)は先生のような国で、遣唐使を派遣していろんなことを学んで日本へ持ち帰らせた。
だから日本には中国と共通するものがたくさんあるけど、では、中国にあって日本にはないものには一体何があるでしょう?
むかし中国旅行でお世話になった日本語ガイドが、「むかしの日本はぜんぶ中国のマネをしました」と言いやがった。
いつか中国人からそう言われたときのためにも、日本人がマネしなかったものをここで確認しておこう。
中国にあって日本になかったものには科挙、宦官、族外婚、冊封体制、易姓革命などがある。
特に大事なのは易姓革命で、日本ではこれがなかったから天皇はいまでもつづいているのだ。
くわしいことはここをクリック。
易姓革命論は実体としては王朝交代を正当化する理論と言える。またこのような理論があったからこそ劉邦や朱元璋のような平民からの成り上がり者の支配を正当化することが出来たとも言える。
これがあったら豊臣秀吉でも天皇になって新王朝を開くことができる。
隋唐宋元明清と中国の歴史は王朝がひっくり返される易姓革命の連続だけど、日本では一度もこんなことがなかったから、ある中国人の日本語ガイドは「日本は一度も天がかわりませんね。あれは不思議です」なんて首をひねる。
「朝廷」なら中国にもあったけど、「幕府」という武家政権はなかった。
これは日本独特のもので、そもそも中国に「武士」なんていない。
朝廷と幕府の“二重統治”という政治体制は日本だけのもので、中国から強い影響を受けた朝鮮やベトナムはもちろん世界史にも例がないのだ。
タイ、インド、ミャンマーなど海外旅行ではいろんな国でガイドを雇ったけど、日本の歴史や文化、伝統については中国人ガイドの話がいちばん勉強になった。
高校で日本についてたっぷり学んでから中国へ行って、見て聞いて歩くときっと日本のことが分かってくる。
幕府と朝廷はその一例で、修学を目的とする旅行なら、科挙、宦官、族外婚、冊封体制について中国人から話を聞いて、日本がそれを受け入れなかった理由を考えるのもいい。
日本を再発見する旅なら経験上、中国が最もふさわしい。
だからいっチャイナ。
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>むかし中国旅行でお世話になった日本語ガイドが、「むかしの日本はぜんぶ中国のマネをしました」と言いやがった。
私なら、そう言われたら即座に「で、今の中国はぜんぶ日本のマネをしていますよね? それも無断で。」と言い返してやるけどね。
これは会話の一部で、このときガイドは全体的には中国の反日を批判していました。
何年か前に日本製品ボイコット運動をあおった中国メディアがあって、それを「文明や権利といった日本語を使いながら、メディアがボイコットをよびかけるのはおかしい」といったものです。
この中で「でも昔は~」となったのです。
一部を切り取るとむかっときますけどね。