上の写真は富士山のすぐ南、愛鷹山をリトアニア人、ロシア人、タイ人とベトナム人2人と登っているときに撮ったもの。
*実はこのとき道を間違っていて、通ってはいけないルートを迷わず進んでいる最中だった。
こんな山の中に入って何を感じるかたずねてみたら、「ジブリのアニメでこんな背景があったとおもう」とロシア人が言えば、「空気がとてもきれいでリフレッシュできる」とタイ人が笑顔を見せる。
そしてベトナム人はこう言った。
「スーサイド・フォレストもこんな感じなのかな。そう言えば、あれってこの近くにあるの?」
ジブリの森の次は「自殺の森」ですか。
この禍々しい響きの森は富士山の西北に広がる青木ヶ原樹海のこと。
昼でも光の少ない青木ヶ原樹海
このとき驚いたのは、リトアニア人、ロシア人、タイ人もこのスーサイド・フォレストを知っていたことだ。
青木ヶ原樹海って山梨のローカルスポットだけど、そんな世界的に有名だったっけ?
でも数年前にアメリカ人から「スーサイド・フォレストは若い人の間で有名だよ!」と聞いて驚いたことがあるから、このときはもうあんまり意外とはおもわない。
ちなみにそのアメリカ人は「スーサイド・フォレスト」と覚えていただけで、「Aokigahara」という正式名称は知らなかった。
この場所が「自殺の名所」として海外の注目をあびたきっかけは、「ローガン・ポール」という世界的なユーチューバーだった。
このときの外国人もアメリカ人もローガン・ポールが起こした“事件”をネットで知って、日本に「スーサイド・フォレスト」というオソロシイ森があることを知ったという。
さて、海外では有名なローガン・ポールと青木ヶ原樹海の関係。
このことを知っている日本人はどれだけいるのだろう。
ローガン・ポール
フェイスブックに1回投稿すれば約15万ドル(約1650万円)、インスタグラム1投稿で8万ドル(約880万円)をかせぐと言われる。
「自殺の名所」にユーチューバーとくれば、何が起こったか想像がつくとおもう。
2017年12月に青木ヶ原樹海に入ったローガン・ポールはそこで自殺した人間とでくわす。
その遺体を動画に撮って、「これはユーチューブの歴史に残る瞬間になる!」なんて言いながら全世界へ配信した。
まさにユーチューバカ。
するとその行為に世界が怒った。
俳優のアーロン・ポールは「気分が悪い。多くの若い人がお前を尊敬しているなんて信じられない。(中略)お前は完全にゴミクズだ」とポールを強く批判。ピューディパイやフィリップ・デフランコといった他のYoutuber達からも、本件でのポールの態度が不謹慎であるとされ、
結局ローガン・ポールは動画を削除して謝罪動画を投稿したけど、ここまでの炎上騒動は全て計算ずくだったかもしれない。
この世界的ユーチューバーが一線を越えた動画を投稿したことで、このローカルな場所がワールドワイドになってしまった。
いまでは英語版ウィキペディアに「Aokigahara」の項目があって、そこには「known as “the Suicide Forest”, one of the world’s most-used suicide sites」と、世界で最も多くの自殺者を出す”the Suicide Forest”として有名だと書いてある。
青木ヶ原樹海が「自殺の森」として世界的に有名になったのは、”ゴミクズ”と呼ばれたユーチューバー、ローガン・ポールのせいだ。すべてがそうとは言わないけど、国境を越える世界的インフルエンサーの影響は絶大だったはず。
日本の小学生に聞いた「将来なりたい職業」でナンバーワンがユーチューバーだったという。
となると道徳の授業に力を入れたほうがいい。
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