日本発祥の「カニカマ」海外へ。世界一の生産・消費国はどこ?

 

1970年代に日本で生まれて、いまでは欧米、タイ、中国など世界中で愛されている「カニカマ」。
いまでも消費量と生産量の世界ナンバーワンは日本だ。

と思いきや残念ながら、カニカマの消費量世界一はフランスで、二位はスペインだった。
ちなみに、フランス語でカニカマのことを「スリミ(Surimi)」という。

 

 

カニカマの世界普及について、日本人には残念なお知らせがある。

現地生産の増加、BSE等の影響で輸入冷凍すり身が高騰したことなどから輸出は減少傾向となり、現在海外では韓国製のものが多く流通している。

カニカマ・世界での普及

 

でも安心してほしい。
カニカマの生産量なら、いまでも母国の日本が世界ナンバーワンだ。
ということでもなくて、世界で最もカニカマを作る国は別にあった。
では、それはどこでしょう?

ヒント:この地図にある国ですよ。

 

答えは東ヨーロッパのリトアニア共和国。
「なるほどリトアニアか!何にも知らないけど」という人が多いと思う。

簡単に説明するとリトアニアの面積は65,300km²で、日本でいえば北海道(83,456km²)に近い。
人口は281万人で、青森市(288万人)のちょっと下。
首都は何%の日本人が知っているのか想像できないけど、「ビリニュス」という。

日本との関係をいえば何といっても杉原千畝だろう。
杉原が6000人のユダヤ人を救った「命のビザ」を書いたのがリトアニア。
でもリトアニアでは、杉原千畝は無名と言っていいぐらい知名度がないけど。

では、なんでリトアニアが世界一のカニカマ生産国になったのか?
消費量の一位はフランスで二位がスペインだったように、ヨーロッパ人はカニカマをよく食べる。
というのはここ最近ヨーロッパでは健康に関心が集まっていて、魚の人気が高まっているのだ。
そこでカニカマにスポットライトが当てられた。
日本人が作ったカニカマは本物のカニの味に限りないほど近いし、さらにヘルシーだ。
そんなことでヨーロッパでのカニカマ人気は高まっていって、リトアニアではその原料が取れることから世界一のカニカマ大国となった。

AERA dot.の記事(1/8)

スケトウダラは北の冷たい海域で取れますので、リトアニアの近海でもよく取れます。そして近年のカニカマブームで、ヨーロッパが世界一の市場となりました。

カニカマ消費量世界一は日本じゃなかった 生産量の1位は意外すぎるあの国

 

ただ、カニカマを作る機械は日本企業のヤナギヤが世界ナンバーワン(70%)のシェアをもっている。
日本製のカニカマ製造マシーンをどんどん海外へ輸出した結果、日本発祥のカニカマが海外でも作られるようになっていき、日本は盟主の座を奪われることになった。

さてこのニュースに日本人の反応は?

・そんなもんどうだっていいだろ
・そっか…
・カニカマ天ぷらは最高に美味!
・カニカマはカニに勝ってる
・保存が緩いヨーロッパのカニはカニカマに勝てない
・カニとカニカマは、焼きそばとカップ焼きそばくらい違う。
・エビかま これが開発されない不思議

 

 

では、リトアニアがカニカマの生産国世界ナンバーワンということについて、リトアニア人はどう思っているのか?
知り合いのリトアニア人にメールで聞いてみたら、こんな返事がきた。

I didn’t know that origins comes from Japanese. And I had no idea that Lithuania is the biggest producers in the world.

まず彼はこれが日本発祥という事実も、リトアニアが世界最大のカニカマ生産国だったことも知らなかった。

Well, it’s good, I like it, and we can make lots of different dishes with them, quite easy ones. Maybe that’s why

でも彼はカニカマは好きで、リトアニア人はそれでいろんな料理を作る。そんなことでカニカマ大国になったのだろうと推測する。

ということで日本とリトアニアをつなぐものは、昔は杉原千畝でいまはカニカマだ。

 

さて、カニカマファンにはうれしいお知らせがある。
カニカマメーカーのスギヨが2月29日まで、カニカマ料理を提供する「スギヨのカニカマまつり」をやっている。
開催地は石川・福岡・東京らしい。
まあくわしいことはここをクリックだ。

「スギヨのカニカマまつり」開催のお知らせ

 

 

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4 件のコメント

  • これテレビで見ました♪ まさかヨーロッパであんなに売れるなんて日本は思わなかったんでしょうね。
    たった10人で始めた小さな工場が今や1200人が働いてる大企業なんだもんびっくりでした。
    もっとびっくりだったのがカニカマが出来た理由。 まさか中国の輸出規制からだったとは!
    クラゲって食べたことない。 今は中国から輸入出来るようになったのでしょうか?
    フランスの広辞苑にも「SURIMI」という日本語で載ってるってなんか嬉しいですよね♪
    カニカマは身近な食材だと思っていたのに街角インタビューで10代かな? 知らないと答えてて意外に最近は食べられていないんだとそれもびっくりしました。

  • あれは小さな町工場から生まれた食べ物と聞きました。
    会社も市場もこれほど大きくなるとは思わなかったでしょうね。
    カニカマを作ろうと思った動機までは知りませんでしたが、そんなことがあったとは。
    若い人はカニカマよりタピオカミルクティーですかね。

  • リトアニアと、宮崎県の面積が、同じわけないと思いますが…。地図の縮尺が等しいなら、北海道と似てませんか?

    >簡単に説明すると、リトアニアの面積は65,300km²でほぼ宮崎県(653.4km²)と同じ。

    桁が2つ違いますよ。

  • ご指摘ありがとうございます。
    全くのその通りでした。
    何か壮大なカン違いをしておりました。
    さっそく訂正します。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。