はい、始めに質問。
「日本人は、創造力があると思いますか?」
念のために確認しておこう。
創造力とは、それまでになかったものをつくり出す能力のこと。
そう‐ぞう【創造】
新しいものを初めてつくり出すこと。
「文化を創造する」「創造的な仕事」「創造力」(デジタル大辞泉の解説)
前にイギリス人と、そんな話をしたことがある。
「日本人には、新しい物を生み出す力はあんまりないんじゃないかなあ」
そのときは日本人が創造したものが思い浮かばなかったから、イギリス人にそう話した。
すると、「そんなことはない」と彼に言下に否定された。
げん‐か【言下】
言葉の終わるか終わらないかに、すぐ。言いおわった直後。
「言下に否定する」(デジタル大辞泉の解説)
「日本人に創造力ないなんてウソだね」
と言った彼の根拠は、彼が働いている中学校や高校の運動会で見た応援合戦だった。
「あの応援合戦では、本当にいろいろなものが出てきたよ。そのアイデアには驚いたね」
彼の話では、学ランに鉢巻きという日本の昔ながらのかっこうをした生徒がいれば、ジブリやワンピースのキャラクターの仮装をした生徒もいたという。
踊りも伝統的なものに新しい動きを加えて、彼ら独自の踊りを考案していた。
日本の古いものと新しいものを絶妙に組み合わせて、オリジナルのものを創作していた。
それを見た彼からしたら、日本人に創造性がないなんて信じられないという。
言われてみれば、そうかもしれない。
運動会の応援合戦での姿かっこうや動きは、他の国では見られない日本独自のものだ。
日本人の創造力は、日本人が思っている以上にあるのかも。
「日本人は、創造力があると思いますか?」
この答えは、日本人と外国人とで大きく違っているらしい。
日本人は「日本人には創造力がない」と考える人が多い。
それに対して、外国人は「日本人には創造力がある」と考える人が多い。
次の「サーチナ」の記事を読むと、このギャップはかなり大きいことが分かる。
これは2015年10月のものだから、比較的新しい。
今、日本は世界からこう見られている。
日本人の「創造力がない」という自覚は、外国からの評価に反する=中国メディアが調査結果を紹介
中国メディア・捜狐は20日、世界からはクリエイティブだと思われている日本人の多くが「自分はクリエイティブではない」と思っている理由について論じた記事を掲載した。
記事はまず、アドビシステムズが今年6月に発表した調査結果のなかで、日本のクリエイティビティが米国を抑えて世界第1位であるにもかかわらず、「自分はクリエイティブな人間」と答えた日本人の割合は44%にとどまり、先進国の平均である59%を15ポイントも下回って先進国中最低だったことが明らかになったと紹介。
「日本のクリエイティビティが米国を抑えて世界第1位である」。
それなのに、「自分はクリエイティブな人間」と考えている日本人の割合は先進国の中で最低だった。
これでは、日本を見る目が日本人と世界の人とではまったく違ってくるはず。
日本人はよく言えば控え目だから、アンケートでも「自分はクリエイティブな人間」とは答える人は少なかったとは思う。
でもそれを考えても、事実と認識の差は大きい。
現実には「日本のクリエイティビティは世界第1位」であるにもかかわらず、日本人の意識は先進国の中で最下位だった。
ずい分、極端だ。
日本人は謙虚であるというより、自信がないのだろう。
逆にいえば、こうなる。
外国では、クリエイティビティは日本より下だけど「自分はクリエイティブである」と考えている人が多いということ。
日本人はもうちょっと、図々しくなってもいい。
先ほどの記事では、外国人から見て日本の創造性(クリエイティビティ)をしめす具体例がいくつかあげられている。
それはアニメやゲーム、カラオケなどで、「枚挙にいとまがない」ほどだという。
枚挙(まいきょ)に遑(いとま)がない
たくさんありすぎて、いちいち数えきれない。
(デジタル大辞泉の解説)
コロンビアにあるメイドカフェ。
まわりの外国人を見ると、それもうなづける。
ポケモンGOは、イギリス人、アメリカ人、インドネシア人、ブラジル人の友人も夢中になっている。
というか、なって「いた」。
最近は「もう、飽きた」という人が多いから。
確かに外国に行くと、日本のアニメキャラをいろいろなところで見かける。
イエメンのお菓子。
アラビア語で「NARUTO」と書いてある(らしい)。
イエメン人も、ナルトを知っていた。
どれぐらいの日本人が、イエメンの場所を知っているかは知らないけど。
毎年フランスで、日本文化を紹介する「ジャパンエキスポ」が開かれている。
それは世界最大規模のイベントで、次のような内容になる。
Japan Expo には、日本と日本文化に恋する人たちが一堂に会します。マンガ、武道、ビデオゲーム、民芸、J-POPから伝統音楽までをカバーし、日本文化に関心を寄せる人にとっては見逃せない祭典、それがJapan Expoです。
ここでは、ビデオゲーム、パフォーマンス、ファッションショー、コスプレといったことがおこなわれている。
確かに、これらは日本のお家芸だ。
特にヨーロッパでは、近年コスプレの人気が高まっているという。
回を重ねるごとに、コスプレはJapan Expoで最も人気のあるイベントのひとつになりました。
日本国内にいると気がつかないけど、こういう外国人向けのイベントを知ると、「日本人は、けっこう創造力があるんじゃないの?」と感じる。
日本の創造性をしめす例は世界にたくさんあるし、実際に外国人は日本人を創造力があるとみている。
自分を小さく見せる謙虚さも大事だけど、事実に応じた自己評価をすることも大事だ。
実際のところ、外国人には謙虚さは美点にはならないこともあると思う。
だから、まわりの人に言う必要はないけど、心の中では言い切っちゃえ。
日本人には、創造性や創造力がある!
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