古代中国はすごかった。
2200年以上も前に書かれた「韓非子」にはこんな話がある。
楚(そ)の国王に呼ばれた息子の太子(たいし)が馬車に乗って王宮へ入ると、それを見つけた役人が馬車を破壊する。
というのは、車で王宮に入るのは法で禁じられていたから。
雨によって地面が冠水していたから、馬車で入ったのだと太子が主張しても、役人は「きまりはきまり」と頑として認めない。
怒った太子が父である国王に役人の処罰を求めたところ、その続きは毎日新聞のコラム(2020年2月28日)をどうぞ。
楚王は「これぞ法を守る臣だ」と太子や自分の権力を恐れない役人を昇進させた。法こそが国の根本と説く古代中国の「法治」の書「韓非子(かんぴし)」にある説話である。楚王はどうやら役人のそんたくを求める人物ではなかったようだ
楚(そ)の国では車で王宮の内門に入るのは禁じられていた…
日本では文字もなかった時代に「法治」があったというのはさすが。
で、いまの中国は?
正義や意見なんてものは個人や組織の価値観の数だけあるのだから、「オレは正しくて、おまえが間違っている」と一方的に主張する人間とは付き合っていられない。
国益のぶつかる国際社会では特にそうだから、それでも協調してやっていくためにはどうしても共通の法やルールが必要になる。
なのにそれを軽視する困った国が隣にありました。
共同通信の記事(2020/2/26)
慰安婦問題、外務政務官が反論 国連人権理事会で演説
韓国の康京和(カン・ギョンファ)外相が国連人権理事会での演説で慰安婦問題について述べて、日本に反論される出来事があった。
日本の外務政務官がその場でカン外相にこう言う。
「2015年の日韓合意など、長きにわたって慰安婦問題に真摯に対応してきている」
「日韓合意に基づく事業は、多くの元慰安婦から評価されている」
これはその通りで元慰安婦の多くは解決に合意していて、あとは韓国の国内問題、韓国政府が解決しないといけない問題だ。
カン外相は「(元慰安婦の人たちが)心からの謝罪を必要としている」と言うのだけど、これも2015年の慰安婦合意に照らせば道理が合わない。
それについては安倍首相が心からのお詫びを表明することで、「最終的な解決」とすることは韓国側も確認したのだから、いまさらそんなことを言いだすのはフェアじゃない。
それに日本は日韓合意で約束したことをすべて守ったけれど、韓国はいまだに目を背けている。
安倍首相は3年前に放送されたNHKの番組「日曜討論」で、慰安婦問題合意について「たとえ政権が代わろうとも、それを実行するのが国の信用の問題だ」と世界の常識に言及したあとこう話す。
中央日報の記事(2017.01.09)
在韓日本大使館と釜山日本総領事館の前に設置された少女像の撤去を要求した。「日本は10億円の拠出を既に行った。次は韓国がしっかり誠意を示していただかなければならない」とも話した。
安倍首相「10億円出した」…公式反論もできない韓国外交部
日本は合意を履行したのだから、今度は韓国が慰安婦像を撤去しないといけない。
この正論に「公式反論もできない」というのが韓国の立場だった。
慰安婦像については韓国外交部(外務省)も、「外交公館の保護に関連する国際礼譲および慣行という側面でも考えてみる必要がある」と国際法(ウィーン条約)に違反していることは薄々認めていて、「事実上適切でないという立場を明らかにした」という。
自分たちは合意や国際法を破っておいて、約束を守った日本に「心からの謝罪」を要求する。
日本は「慰安婦問題に真摯に対応してきている」と言うだけではなくて、法こそが国の根本と説く「韓非子」を持ち出して韓国に世界のルールにしたがうよう求めてもいい。
そもそもいま新型肺炎で韓国社会は大パニックなのに、外務大臣が国連で「ディスカウント・ジャパン」なんてしている場合か。
韓国による国際社会における日本の価値や評判を下げて、日本の地位失墜をめざす運動のこと。(中略)この運動は「日本を貶める、卑しめる」ことを目的とし、日本が誠実な対応をしても、「日本の存在」そのものが攻撃対象のために終わりがないと説明している。
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