高麗葬という韓国の悲しい風習。からのなぜか「日本が悪い」

 

新型コロナウイルスの感染が世界中で広がっているとしても、感染者数の増加でいま最も深刻なのは韓国だ。
中国を別とすれば3月6日朝の時点で、感染者は6284人と次に多いイタリア(3858人)を大きく引き離している。
毎日のように死亡者をだしていて、韓国社会はパニックと悲しみ、そして怒りに包まれた。

というのも下の韓国メディアが「韓国政府は油断し傲慢だった」と指摘するように、これはムン政権の対応ミスが招いた“人災”でもあるからだ。

次つぎと高齢者が亡くなっていく現状を中央日報がコラム(2020.03.03)でこう書く。

慶北地域の70~80代高齢者ということだ。「現代版高麗葬(姨捨て)」のようで背筋が寒くなる感じを消すことはできない。
遺族らは納得できない死だと訴えるに値する。

【コラム】一度も経験したことのない国、もう嫌だ=韓国

 

高麗葬?
こんな言葉を見たの初めてだ。
高麗(こうらい)といえば、平安時代から室町時代のころに朝鮮半島であった国(918年 – 1392年)で、「korea」という英語の語源にもなった。
「高麗葬」というとその時代に行われた死者の埋葬のことだろうか。

 

韓国人にっては「背筋が寒くなる」ということに興味を持って調べてみたら、高麗葬とは老人を生きたまま埋めたり、山へ置いていく習慣のことだった。

この風習を初めて世界に紹介したアメリカの東洋学者グリフィスによると、高麗葬は朝鮮19世紀末まで行われていた人身御供をいう。
現代と違って食べ物がなると家族の誰かが餓死するような貧しい家では、年をとって働けなくなった人が家族のために犠牲にされることがあった。
これは日本をふくめて、いろんな国であったことだろう。

 

高句麗の時代には墓室の中に食べ物と一緒に老人を入れて、出られないように入り口を閉じてそのまま死なせることが行われていたという。
のちの時代には、老いた親や認知症になった親を山へ運んで置きざりにすることもあった。
19世紀というと高麗は終わって朝鮮王朝の時代になっているから、「高麗葬」というのは高麗時代だけのものではない。
韓国で高麗葬は「老人を生きたまま殺してしまうこと」全般を指すことばとして使われるようになって、1963年には『高麗葬』という映画もつくられた。

ただ、むかし韓国でこの風習があったと考えられているけど、日本の「姥捨て山」のように正確な実態はよく分からない。

 

「口べらし」というのは日本でもあったから、ここまでは理解できる。
問題は、この風習がなぜか日本のせいにされてしまったことだ。

2011年に韓国で放送されたテレビ番組で、老人を生きたまま山に捨てる「高麗葬」を「日本によるねつ造で、朝鮮の文化財を略奪するための日本の陰謀」と紹介し、韓国の複数のメディアもそれを記事にした。

その番組によると高麗葬なんてものははじめから存在していなくて、グリフィスが日本人から聞いた話を本に書いただけという。
つまり、いつもの「日本の歴史わい曲」という主張だ。
日本人がこんな歴史を“つくった”背景はサーチナの記事(2011-09-05)をどうぞ。

多くの文化財が埋蔵されている墓を盗掘するため「日本がねつ造した言い訳だ」という主張も提起された。日本が、墓を掘ることをを罪悪と思っている朝鮮人を説得するための「効果的な言い訳」として「高麗葬」をねつ造したという見方が示された。

生きた老人を捨てる「高麗葬」は、日本のねつ造で陰謀=韓国テレビ

 

韓国メディアは、高麗葬が日本のねつ造なら誤った歴史を正さなければならないと伝えたとか。
歴史の清算ガンバ。
それにしてもなんで韓国の歴史は、始まりは違っていてもゴールは「日本が悪い」になるのか。
まあ反省でも謝罪でも好きなものを要求するがいい。

 

 

こちらの記事もどうぞ。

国 「目次」 ①

韓国 「目次」 ②

韓国 「目次」 

 

2 件のコメント

  • >ただ、むかし韓国でこの風習があったと考えられているけど、日本の「姥捨て山」のように正確な実態はよく分からない。

    この部分、このブログ記事に対して、余分な記述だと思いますがねぇ・・・。
    もしも「日本と韓国に関する記述を平等な扱い(?)とするためにこの部分はあった方がよい」とブログ主さんが考えているのであれば、平均的な考え方よりも、朝日・毎日の側の思想へだいぶ偏っていると思いますよ。

  • 日本人を対象にした記事ですから、身近な例を持ち出すことは自然です。
    「平均的な考え方」というのはどんな考え方のことでしょうか。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。