新型コロナウイルスと同時にデマも広がった。
「トイレットペーパーがなくなる!」というウワサを信じる人が続出してドラッグストアの棚からトイレットペーパーが消えてしまったし、ネットには「これが新型コロナの防止になる!」という偽情報が出回っている。
不安や恐怖をあおられると平常心を失って、事実よりデマのほうが現実っぽく見えてしまうこともあるし、そういう方向に導こうとする悪いやつらもいる。
そんなフェイクニュースで悩まされているのが福島だ。
放射能汚染も今は昔の話で、福島観光は問題なくできるし、安全基準をクリアした農産物や海産物はすこぶるおいしい。
でも、「福島はキケン」というデマはまだまだはこびっているから、現地では辛い思いをする人がたくさんいる。
特に海外でそんな誤解や偏見が多いから、福島に住む中国人の男性が立ち上がった。
立命館大学を卒業したあと、福島県の上海事務所に就職した徐さんは2011年3月10日に初めて福島県を訪れて、その次の日の大震災を経験する。
すぐに上海へ戻った徐さんは現場で支援ができなかったことを悔やんで、いまは福島の地域おこし協力隊の一員として、「福島のことは誰よりも詳しい。多くの人に魅力を伝えたい」と海外への情報発信を行っている。
時事通信の記事(2020年03月10日)にウソと戦う徐さんの言葉が載っている。
県産品や観光に対する風評被害について、徐さんは「人はデマを信じたがるもの。中国の場合、政府などの発表に疑い深いという国民性もある」と、公式情報よりもネット上の流言などを信じやすい傾向を指摘する。
「外国人だからできることを」 中国人協力隊、情報発信に奮闘―福島
徐さんの活動が必要なのは、記者会見を開いてデマを言う団体があるからだ。
聯合ニュースの記事(2020.03.10)
「日本産食品の放射能汚染が深刻な水準のまま続いている」と指摘した上で、東京五輪の選手村に放射能に汚染された恐れがある福島県産の食材を供給してはならないと日本政府に促した。
韓国団体「日本産食品の放射能汚染は今も深刻」
韓国では、国がありもしない放射能の恐怖をほのめかして、東京五輪を否定するようなことを言っている。
例えばきょねんの夏、日本が東京五輪の準備状況を世界各国に説明したとき、韓国側は福島産の農林水産物が放射能に汚染されている可能性に言及して、ほかの国にも賛同を求めた。
でも大会組織委員会は、厳しい検査によって農林水産物の安全性は確保されていると韓国の主張を一蹴。
結果は下の読売新聞の記事(2019/08/21)にあるように、韓国が世界の支持を得ることはできなかった。
韓国五輪委「被災地食材に懸念」…他国に支持広がらず
記者会見で市民団体が言っていることはこれと同じ。
海外の理解は得られないけど、国内では確実に支持される。
でも実際に「放射能汚染が深刻」なのは日本より韓国のほうだ。
嫌がらせのように放射能汚染をアピールする韓国に対して、ソウルの日本大使館は数字で対抗。ほぼ毎日、東京・いわき市・福島市・ソウルの放射線量をホームページで公開している。
日本と韓国の空間線量率によると3月16日の放射線量はこんな感じだ。(単位:μSv/h))
福島市:0.128
いわき市:0.059
東京:0.036
ソウル:0.118
ソウルと福島市がほぼ同じで、いわき市は約半分、東京はソウルの3分の1だ。
もし「放射能汚染」を心配するなら、まずは自分から始めがほうがいい。
そもそも「汚染」という表現が悪意に満ちている。
先ほどの市民団体はこういう事実はわきに置いといて、日本政府が福島の原発事故の真実を「隠蔽」(いんぺい)していると非難し、「福島県産の食材を五輪選手村に供給する計画を中止すべきだ」と要求した。
日本が客観的な数字を公表しても、韓国側はそれには目を背けて、官も民も日本の食べ物と放射能汚染を結び付けて恐怖を演出している。
そういう記者会見が堂々と開かれて、メディアは全国へ伝える。国際社会からは支持されないけど、国内ではこれを事実と思いこむ人はたくさんいる。
「人はデマを信じたがるもの」という徐さんの敵はこうやって生産されているのだ。
「福島の魅力を多くの人に魅力を伝えたい」と目を輝かせる韓国人はいないのだろうか。
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