今回はインドで人気の格闘技を紹介しようと思う。
インド出身のファイターで、日本でもっとも有名なのはきっとダルシムで間違いない。
ストリートファイターではインド出身の僧侶でヨガの達人という設定だった。
でも、首にドクロの首飾りをぶら下げているところはヒンドゥー教のシヴァ派のようだし、ターバンを巻いているのはシク教徒だから、日本人がそれっぽいインド要素をテキトーにぶち込んでダルシムが出来上がったのだろう。
リアルのインド人ファイターといえば、「インドの猛虎」と恐れられたプロレスラーのタイガージェットシンがとても有名だ。
ターバン姿にサーベルを持っていたこの人はガチのシク教徒。
日本でインド人と格闘技のイメージが結びついた背景にはこの人の活躍がある。
これが深いところで、インド人ファイターというゲーム設定につながっているのではないかと思う。
インドには上の写真のようなクシュティー(Kushti)という、相撲とよく似た有名な格闘技がある。
知り合いのインド人に言わせると、インドで日本の相撲が人気なのはクシュティーの影響だとか。
格好はプロレスラーみたいだけど、盛土の土俵で戦っているところは相撲とそっくり。
インド各地にこの会場があるから、観客はそこへ試合を見に行くという。
知人のインド人からクシュティーはオリンピック競技にあると聞いたから、「マジか!」と驚いたけど、話をよく聞いたらレスリングのことだった。
インド人にはどっちも同じらしい。
相撲と同じく、クシュティーも宗教との結びつきが深い。
アカーラー (Akhara) と呼ばれる道場は寺院に併設されていることが多く、ヒンドゥー教の神で怪力を司るハヌマーン神が祭られている。砂を盛り、耕してふかふかにした土俵で戦う。
日本の相撲の起源は古くて、1500年以上の歴史がある。
8世紀の古事記には、宿禰(すくね)と蹶速(けはや)による伝説の試合(というか試合の伝説)が書かれている。
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インドのクシュティーにも長い歴史があって、11世紀にはいまと同じような形式で行われていた。
起源をさらにさかのぼると、紀元前にペルシアの格闘技とインドにあった格闘技が融合したことで生まれたと考えられる。
先ほど出てきたインドの猛虎、タイガー・ジェット・シンもクシュティーをしていたという。
インド古来の格闘技で鍛えられた体で、アントニオ猪木やジャイアント馬場、長州力などを苦しめていたのだ。
ダルシムもひょっとしたら…
では最後にクシュティーの試合を見てみよう。
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