【日本人と西洋人の発想】アマビエとキリスト教の守護聖人

 

コロナ(corona) とはもともと王冠を意味するラテン語で、英語のクラウン(crown)の語源でもある良い言葉だけど、いま新型コロナウイルスが人類を悩ませている。

困った時にはワラにも神にもすがるのは世界中であることだけど、妖怪にすがるのは日本人だけかも。
最近日本では、豊作や疫病などを予言するという妖怪アマビエに注目が集まっている。

江戸時代後期の1846年、肥後国(熊本県)で海中に光る物体が現れるという話が広がり、確認のためにおとずれた役人がアマビエの姿を目にする。
「私は海中に住むアマビエと申す者なり」とわりと丁寧に自己紹介をしたあと、役人に「当年より6ヶ年の間は諸国で豊作が続くが疫病も流行する。私の姿を描いた絵を人々に早々に見せよ。」と予言のようなことを告げると海の中へと消えていったという。

この不思議な妖怪の話は江戸にまで伝わった。

 

アマビエ出現を伝える江戸時代の瓦版(1846年)

 

ボクはまったく知らなったけど、アマビエは妖怪ファンの間では知られた存在で、「ゲゲゲの鬼太郎」や「地獄先生ぬ〜べ〜」でも登場している。

そして令和2年のいま、話題になっているのがアマビエチャレンジ。

先月2月に、妖怪掛け軸の専門店というかなりニッチな店が「疫病退散にご利益があるというアマビエの力を借りよう」「コロナウィルス対策としてアマビエのイラストをみんなで描こう」と考えてアマビエのイラストと説明をTwitterに投稿したところ、これが大反響。

 

 

これに共感した人たちが、ツイッターなどで自作のアマビエを投稿する「アマビエチャレンジ」「アマビエ祭り」が始まった。

アマビエを自己流にアレンジした作品(イラスト、漫画、動画、ぬいぐるみ、あみぐるみ、刺繍、フィギュア、スタンプ、その他小物など)を次々に投稿するという動きが起こった

アマビエチャレンジ

 

これで新型コロナウイルスを退散させられるかどうかは知ったこっちゃないけど、自宅待機のいい暇つぶしになっている。
関係ないけどフィリピンでは外出禁止がきまったあと、引きこもり用にガンダムのプラモデルが飛ぶように売れたという。

 

日本にいるアメリカ人やヨーロッパ人などキリスト教文化圏の外国人に神社やお寺のお守りを見せて、これと同じようなものがキリスト教にもあるか聞くと、「ない」か「あえて言えば守護聖人かな」という答えが返ってくることが多い。

神道に病気治癒、学業、恋愛などを“扱う”神様がいるように、キリスト教の主にカトリックでは特定の仕事を守護する聖人がいる。
聖書をヘブライ語からラテン語へ翻訳したヒエロニムスは通訳の守護聖人になっていて、拷問で歯を抜かれた聖女アポロニアは歯科医の守護聖人といった具合に。

ほかにもキリスト教にはこんな守護聖人がいる。

ペトロ:漁師やパン屋
ジャンヌ・ダルク:軍隊や軍人
大天使ガブリエル:通信事業
大天使ミカエル:警官や救急隊士
聖母マリア:魚売りや馬具職人

ホームレスの守護聖人ペトロ・ド・ベタンクールはその由来を知りたい。

さらにくわしいことはここをクリックだ。

守護聖人

そしてなんと伝染病患者の守護聖人もいた。

ロイター通信(March 27, 2020)

伝染病患者の守護聖人・聖コロナの遺物、独アーヘン大聖堂で公開へ

ドイツのアーヘン大聖堂に伝染病患者の守護聖人「聖コロナ」の遺物があって、新型コロナウイルスの感染拡大が終息した後で公開される予定という。

 

 

終わってから公開しても意味がないように見えるけど、いまお披露目したら、信者が集まってクラスター感染するからそれは無理か。
日本とドイツの現状をみると「守護力」としては、アマビエがキリスト教の守護聖人を上回っているようだ。

 

 

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