いつかあなたにも来るかもしれない。
外国人をお寺に案内したり仏教の話をしたりするときが。
そんなときのために、使える英語の表現について書いていきます。
今回は、「 涅槃(ねはん)」という言葉のご紹介。
これは、とても大切な仏教の言葉だ。
なぜなら、仏教の目的はこの涅槃(悟りの境地)に行く(入る)ことだから。
仏教には大きく分けて次の2つのグループがある。
・南方仏教(インドの南の方から伝わった仏教)
タイ・カンボジア・ミャンマーといった東南アジアの仏教。
・北伝仏教(インドの北の方から伝わった仏教)
日本・韓国・中国の仏教。
南伝仏教と北伝仏教には違いがた~くさんあるけど、目的はみ~んな同じ。
涅槃に行く(入る)こと。
これが仏教の目的。
この涅槃を意味する英語は「nirvana(ニルヴァーナ)」になる。
「涅槃に行く(入る)」を英語で言うなら、「enter Nirvana(Weblio 辞書)」でいい。
ちなみに「enter(エンター)」は、「入学する」という意味もある。
名詞だと「entrance(入口)」。
「nirvana(ニルヴァーナ:涅槃)」は、古代インドのサンスクリット語「निर्वाण」を英語で発音した言葉。
タイ語だと「นิพพาน(Nípphaan)」だから「ニッパァーン(たぶん)」 ベトナム語だと「niết bàn」だから「ニェッバァン(これもたぶん)」と読むのだろう。
すべては、サンスクリット語の「निर्वाण(涅槃)」の現地語で発音した言葉になる。
ここまで読んできて、こんなことを思わない?
「仏教の目的が『涅槃(ねはん)に行くこと』なのはわかった。それを「ニルヴァーナ」と呼ぶことも分かった。でも、涅槃ってそもそもどんなところなんだ?」
ちょっと話はそれる。
前に、タイ人の友人にこんな質問をしたことがある。
「タイの仏教では、涅槃ってどんなところ?」
彼は笑いながら言う。
「それは分からない。だって、ボクはまだ死んだことがないから」
そりゃ、そうだ。
誰も死んだことがないのだから、死後の世界なんて分かるわけがない。
でも、この仏教徒のタイ人の答えはおもしろい。
これは、儒教の考え方に似ている。
あるとき、孔子(儒教の開祖)に弟子がこうたずねた。
「先生、死とはなんですか?」
このときの孔子は、「未だ生を知らず、焉んぞ死を知らん」と答えたという。
「生きる意味さえまだ分からないのに、どうしたら死の意味が分かるのか?」
これは、儒教の死生観をあらわす言葉としてよく使われる。
この言葉には「今は、生きることを考えろ/集中しろ」という意味があるらしい。
考えても分からないことは、考えない方がいい。
その時が来たら、自然とわかる。
ではあらためて、涅槃とはどんなところなのか?
あの世のことは誰にも分からないし、涅槃にはいろいろな理解があるだろう。
「中村元」という有名な仏教学者は、こう説明している。
「安らぎ – Nibbāna(= Nirvāṇa 涅槃)声を荒らげないだけで、ニルヴァーナに達しえるのであるから、ここでいうニルヴァーナは後代の教義学者たちの言うようなうるさいものではなくて、心の安らぎ、心の平和によって得られる楽しい境地というほどの意味であろう。」としている。
(ウィキペディア)
外国人に「涅槃(ニルヴァーナ)ってどんなところだ?」と聞かれたら、「心の安らぎ、心の平和によって得られる楽しいところ」と答えたらいい。
何度も書いているけど、死後の世界を正確に知っている人はこの世にいないのだから。
ちなみに、世界的に有名なグループで「NIRVANA(ニルヴァーナ)」というものがある。
有名というか、もう「伝説のバンド」と呼んだ方がいい。
特に「ネヴァーマインド」というアルバムは、「音楽史に革命を起す」というほどのものだという。
ネヴァーマインド
それは、音楽史に革命を起す出来事となった。歴史的名盤と称 され全世界で3,000万枚という破格のセールスを記録した作品となり、今もなお多くのミュージシャンに影響を与え続けている。
「歴史的名盤」と言われるこのアルバムは確かに聴く価値がある。
ボクがお寺を案内した外国人はみんなこの「NIRVANA」を知っていた。
だから、このバンドのことから音楽の話題にと話を広げることもある。
でも、なんでバンド名に仏教用語の『涅槃』をつけたのか?
これは誰も知らなかった。
では、最後に英会話の勉強をしちゃいますか?
アメリカ人の友人と待ち合わせをしたけど、そのアメリカ人が待ち合わせ場所にいなかった。
「今、どこにいるの?」と、そのアメリカ人にメールをした返事が下の文。
さあ、英語にしてみよう!
・あと5分したら、そこに行きます。
・あなたからメールの返事がありませんでした。
・だから、近くにコンビニに行きました。
答え
・Ill be there in five minutes.
・I didnt recieve a reply from you.
・so I went to the nearby convenience store.
*「Ill」は、正しくは「I’ll(I will)」だけど、「’」を打つのが面倒くさかったん
だろう。「didnt」も同じ。
英語の試験じゃないから、「’」は省略してもまったく問題ない。
ボクもよくする。
それより、「5分後」は「in five minutes」ということに注目。
「after five minutes」じゃないよ。
アメリカ人やイギリス人は「after five minutes」なんて言わないよ。
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