新型コロナウイルスの感染と一緒に外出自粛も広がって、いま飲食店は大ダメージを受けている。
それで最近、激辛ラーメンで有名な「蒙古タンメン中本」がこんなサービスを始めたのだった。
人気店だけに、これで少しでも行列を減らしたいという考えもあるらしい。
伸びにくい麺を開発したという用意周到さもあって、店の予想を上回る需要で売り切れ店舗が続出だとか。
で、これにネットの反応は?
・蒙古タンメンって、いうほど激辛でないだろ
真の激辛は三田の生駒軒。ここは人類が完食不可能なレベル
・辛いのがダメな俺には十分激辛だよ
・蒙古襲来絵詞にも出てくるよね
食べたい
・店で提供することにこだわる人が多い中カップラーメン作ったりお持ち帰り始めたり思考が柔軟な所はポイント高いね
・次の日はトイレとお友達になります
「テイクアウト文化」でいえば、台湾は日本の先を進んでいる。
麺とスープをそれぞれビニール袋に入れて売っているから、知り合いの台湾人は昼食でたまにそれを買って会社で食べるらしい。
カップラーメンではなくて、ラーメンをそのままお持ち帰りできるのか!とこのときは思ったけど、日本でもやればできる。
とにかくこんな感じで、辛さに注目する人が多いけど、個人的には気になったのは「蒙古」という言葉。
というのは、モンゴルの人たちはこの言葉を嫌っているから。
その理由は歴史作家の司馬遼太郎氏が「街道をゆく」で書いている。
「蒙古」という漢民族がことさらモンゴルの音にあてた漢字には、馬鹿、無智と いう語感が重なっている
「蒙」という言葉は「道理をわきまえず、愚かなこと。無知なこと(デジタル大辞泉の解説)」という意味で、「無知蒙昧」といえば知識のない愚かな人間を指す。
だからそういう人たちには、正しい知識をあたえて教え導く「啓蒙:蒙を啓(ひらく)」が必要だ。
それに「古い」が加わった蒙古をモンゴル人が歓迎するはずもなく、この漢字にはモンゴルに対する蔑視や差別的なニュアンスがあるということで、代わりに「モンゴル」と使おうという活動もおこなわれている。
旭鷲山、朝青龍、白鵬、日馬富士といったモンゴル出身の力士も参加したモンゴル祭り・ハワリンバヤルのパンフレットにはこんな意見広告があった。
「蒙古ではなくモンゴルを」という主張は日本で数十年前からあって、東京外語大と大阪外語大は1960年代に学科名を「蒙古」から「モンゴル」に変えている。
こういう活動を知っていたから、「蒙古」という言葉がこれから日本の社会でどうなっていくか少し気になっていたのだ。
これはボクの“肌感”だけど、マスコミや政治の世界では蒙古をモンゴルに言い換える動きが進んでいて、例えば蒙古襲来はモンゴル襲来と言うほうが多くなったとおもう。
この点、モンゴルマンは蒙古マンじゃなくてよかった。
でも蒙古斑や蒙古タンメン、元寇の戦いを描いた「蒙古襲来絵詞」のようにすっかり社会に定着していて、いまさら変えられないような表現もある。
このへんの事情は「支那」と似ている。
中国を表すこの言葉は侮辱的ということで、いまではテレビやラジオではNGワードだけど、「インドシナ」とか「東シナ海」のような固有名詞では使用可だ。
くわしいことはこの記事をどうぞ。
誰がどんな言葉を使うかは、その人の価値観とセンスと優しさできめることだけど、「蒙古」の意味やモンゴル人の気持ちは知っておこう。
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「倭色論争」
未だに倭とかって字が大手紙(韓国の)に載っちゃうとかやばいですねぇ笑
倭色は私も気になりました。
和食ならいいのに。