自分の国をバカにされたら、すげームカつく。
たいていの場合、蔑視や差別の気持ちは表現にあらわれる。
日本人が「倭」という国名を嫌って、6世紀後半に「日本」を考え出したのもそれが大きな理由だ。
「倭って言うなし!」と中国人に言った。
そのことが中国の歴史書「旧唐書東夷伝(くとうじょとういでん)」に書いてある。
倭国がみずからその名が雅(みやび)やかでないことをにくみ、改めて日本とした
「日本」はみやびだからOK。
くわしいことはこの記事をどうぞ。
雅の国
国際化のいまの時代、すべての国旗や国名に敬意を示すのはあたり前。
でも、蔑視や差別の気持ちがなくても、知らないうちに失礼な言い方をしている場合もある。
例えば知り合いの中国人はこんな文字を見ると不快になるという。
ドライブ中にこの看板を見つけた中国人はこう言う。
「私は旭日旗より、『支那(シナ)』という言葉の方が嫌いです。中国のテレビドラマで、日本兵がよく中国人をバカにして『シナ』と言っていましたから」
たとえ日本人の側に差別意識がなくても、「支那」という言葉はアウト。
中国料理に「支那」とつけられるのは、中国人としてはかなり腹が立つらしい。
このことについては彼に賛成だ。
ラーメンという言葉があるのだから、「支那」という言葉はやめた方がいい。
歴史を見てみると、日本政府は1930年(昭和5年)に、「支那」という呼称を使わないことを閣議決定している。
くわしいことは外務省ホームページを見てほしい。
こうした中国官民の感情に配慮して、外務省は1930年10月27日に中国の呼称変更を閣議に請議し、同月30日に閣議決定となりました。
いまでは日本政府をはじめ、テレビやラジオでも「支那(シナ)」は使用禁止になっている。
でも地名はOK。
だから東シナ海、南シナ海、インドシナ半島、フランクシナトラなどは、今でもそのまま使っている。
中国の地図には東シナ海や南シナ海なんて海はない。
それと「蒙古」という言葉もモンゴル人に失礼だから、使わない方がいいっすよ。
くわしいことはこの記事をどうぞ。
「しな」と入力しても「支那」は出てこないけど、「もうこ」だと「蒙古」の変換が出てくる。
でも、これももうすぐなくなるかも。
これは2007年のハワリンバヤルのパンフレット
「支那」と呼んではいけないことは知ってた。
「蒙古」がダメなのも知ってた。
でも「イラン」はnew。
「イラン」と呼ばれるのを嫌がるイラン人がいるらしい。
イランへの旅行を呼びかけるセミナーで、あのボナクダールニヤーさんがそう訴えた。
ボナクダールニヤーさんとはイランの旅行会社の営業部長さん。
AFPの記事(2018年10月25日)でこう言っている。
「イランとイラクは名前が似ていて、イラクで悪いことが起きると日本では『イランは危ない国』と間違えられる。だから『ペルシャ』と名乗りたい」とイランの古名を使って売り込んだ。
「ペルシャと呼んで」=イランが大使館で観光セミナー
イランは1935年に国名をペルシャからイランに変えている。
でもいまでは、「やっぱペルシャでオナシャス」ということらしい。
*オナシャスは「お願いします」のネット言葉。
この営業部長さんだけかもしれないけど。
たしかに一部の人にはイランとイラクの違いなんて、「マナカナ」並みにむずかしいと思う。
で、これにネットの反応は?
・昔の名前で出ています
・偉大なるペルシャ帝国の末裔だわな
・ペルシャはギリシャに負けたイメージだな。
・「ペルシャの市場」を小学生の時に合奏コンクールで演奏したよ
・ペルシアの方が断然かっこいい
・この国でアラビア湾って言うと怒られるんだっけ?
・イランと言えば偽造テレフォンカードって印象がしばらく続いてたからな
・ペルシャの方が異国情緒あってかっけーなw
・なんで国名ペルシャにしないの?
言葉の方は「ペルシャ語」って呼ぶのに
・アラブ人とか言うとぶっ飛ばされるからな
・私の心にあなたちっとも気付かない
・アラビアよりペルシャの方が好まれるのか。
勉強になります。
・ペルージャとまちがえる
・アラビアンナイトでは、ペルシャ人は完全に外国人で、悪役の場合が多い。
「イランじゃなくてペルシャと呼んで」といっても、これは倭・支那・蒙古とはまったく別の問題だから、定着しないと思う。
でも、こんなことを考えるイラン人がいることを、知っておくことはいらんことではないはず。
あ、最後の最後で書いちゃった。
でも、イランよりペルシャのほうが響きは雅かも。
アラビア人とペルシャ人の違いに興味があったら、ウィキペディアを見てほしい。
サーサーン朝を滅ぼしてその旧領域のほとんどを支配するにいたったウマイヤ朝では、支配下に入った旧サーサーン朝の人々をアラビア語でアジャミー(عجمی (‘ajamī)、「理解することのできない言葉を話す者」を意味する)と呼んだ。
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支那、シナはこのまま使うのが望ましい、英語でも発音の違いこそあれChinaと書くではないか「中国」とは古来より我が日本では「葦原の中つ国」を意味する
支那と呼ばれて気分を害する人が居たとしても、あくまでもその人の主観である 戦前の日本は蔑称の意味を込めて「支那」と呼称していたのではない 発音を国際標準に適合させ、それに漢字を当てていただけである それを現在になり日本人にだけ「中国人の俺が不愉快だからそれを使うな」などと強制にも似た主張をするのは、とてもまともなアイデアとは言えないのである
支那には多くの西洋諸国が多くの租界(植民地のようなもの)を作り侵略していた
英国などに至っては清国人(支那人)にアヘンを売りつけ、国策として彼らをアヘン中毒にして貿易収支の均衡を図っていたのである(アヘン戦争の原因はまさにこれである)
それを主張するのであれば、Chinaを使用して欲しくないとの主張を世界に向けて発信しなければならない
ちなみに現在はあまり使われなくなったのであるが支那人を意味する「チャンコロ」も同様である 彼らが自分たちの事を「チャンコㇿーゥ」と言っていたのを現地で聞いた日本人が彼らをそう呼ぶようになっただけなのである(またロシア人を意味する「ロスケ」も同じである ロゥスキーが日本人には「ロスケ」と聞こえたのだ)
自分の主観を盾に「他の者の言動を俺の好む方向に合わせろ」主張する人がいるとするならば、その人は民主国家にすむ人ではない 習近平や将軍様が支配する独裁国 あるいは古代の人治国家に住むべきなのだ
個人的な思いは人それぞれですが、日本では政治家やジャーナリストが公の場で「支那」と言えば終わります。