支援が私怨に？無条件の日本支援を“許さない”韓国の対日世論

いまアニメ「かぐや様は告らせたい？」の二期が放送中だ。

お互い好き同士なんだけど自分から、「好きです。付き合ってください」とは言い出せず、それを言うぐらいなら死を選ぶというほどプライドの高い２人が、何とかして相手から先にそれを言わせようとする

「好きになったほうが負け」という恋愛関係における絶対ルールにしたがって、高校生の四宮かぐやと白銀圭がくり広げる「天才たちの恋愛頭脳戦」で自分に有利な情報を出して相手を先に動かそうとする。

そんなギャグマンガみたいなことをやっているのが隣国さん。
いま日本と韓国は新型コロナウイルスという共通の敵と戦っていて、国内の感染がおさまってきた韓国ムン政権は日本に対して、ウイルス感染の有無を確認するPCR検査キットの支援を考えているらしい。
しかしそれには条件があった。

朝日新聞の記事（2020年4月25日）

ただ、国内の対日世論を考慮し、日本政府からの要請を実施の前提とする方針だ。

韓国、PCRキットの提供検討　日本から「要請」が前提

日本に対する対抗心からすると、韓国から先に「検査キットを提供しましょうか？」と言ってはいけないのだ。
そんなことは国民感情が許さないから、「日本からお願いされた」という理屈があれば対日世論を納得させられる可能性がでてくる。
とにかくまー韓国とはそういう形式が大切な国なのだ。

と言われても、感染拡大について日本はもう最悪の状況を越えて（４月12日ごろにピークアウトしたという見方もある）、いまは徐々に感染をコントロールできていて、「でも決して油断してはいけない」という段階になっている。

さらに朝日新聞の記事によると、もし韓国から検査キットの提供があった場合、「使用するにはまず性能評価を経なければならないというのが日本政府の立場」ということだ。
検査キットの必要性はどんどん小さくなっているし、性能チェックの手間や時間を考えたらいまの日本にとってこれは、どれほどありがたく有効な支援なのか？

単純に必要性の問題だと思うけど韓国では、日本政府が韓国に助けを求めることはプライドや国内の対韓世論が許さないという見方がある。

ムン政権の立場に近いハンギョレ新聞は社説（2020-05-01）でこう書く。

危機のたびに「嫌韓カード」で支持率を高めてきた安倍首相は、韓国に助けを要請する場合、保守支持層が反発するだろうという負担感を持っていたようだ。

安倍首相、今になって「韓国と新型コロナ対応で協力」言及

いやいやいや、何を言うてはりますのん。
韓国側が日本の信頼を裏切る言動をしたことが原因で、きょねん日本政府が対韓輸出の管理強化を発表すると、「日本には二度と負けない」「盗人たけだけしい」と言って“反日カード”を切って支持率を集めたのは韓国ムン政権だったはず。
なのにいまでは主語が入れ替わって、日本が「悪者」にされている。韓国が日本のパラレルワールドと言われるゆえんだ。

ただ実際のところ、韓国としては日本に支援をおこないたいという気持ちがある。
そうして「借り」をつくっておくことで韓日関係を改善させて、韓国経済が破滅的危機をむかえないよう、どうにかして日本と通貨スワップ協定を結んでおきたい。

そのことは改めて別の記事で書くつもりだけど、そんな隣国の考えはソウルファイナンスの記事（05/04）を読めば見えてくる。

[홍승희 칼럼] 한일 통화스왑은 잠시 잊자

でも国内の対日世論を考慮したら韓国から先には動けないから、何とかして日本に「支援をしてください」と言わせて、国民の自尊心を満たす形で日本への支援をおこないたい。

アニメのかぐやと圭の場合は、お互いが同じぐらい好きだから「頭脳戦」になるのだけど、日韓では経済力や国際的信用力が違って拮抗していないから、支援は「日本からの「要請」が前提」という韓国の言葉を日本は聞いていない。
だからやっていることは頭脳戦ではなくて一人相撲。

ちなみに聯合ニュースの記事（2020.05.04）によると、日本は支援の手を差し伸べることにためらいはない。