「戦後最悪」といわれるいま日韓関係が今後さらに悪化し、破滅してしまうのではないかと朝鮮日報がコラム(2020/06/20)で心配している。
次第に遠ざかる韓日、破局へ向かうのか
常識的に考えれば、悪化させた側に改善させる義務があるのだけど、これを読むとあちらにそんな認識はないようで、自分たちが招いた悪化原因を積極的に取り除こうとする様子はみられず、全体的に無責任が貫いている。
これからこのコラムの内容から、日韓関係について考えてみよう。
まずは日本に対するいまの韓国社会の見方だけど、一言でいえば絶望的にひどい。
すこし前に奈良市と姉妹都市関係にあった慶州市が新型コロナウイルス対策物資(防護服1,200セット、ゴーグル1,000個)を送ったところ、記事には「大騒ぎになった。「土着倭寇」(韓国に自生する親日派の意味)「売国奴」という非難が相次いだ」とある。
慶州市が前に地震で大きな被害を受けたとき、奈良市が支援してくれたから今回はそのお返しの意味だったけど、いまの韓国国民にはそれに納得しない人が多くて、韓国大統領府に「慶州市長を解任せよ」という国民請願が登場して多くの賛同者が集まったことで、市長はそれ以上の日本支援をあきらめたという。
でも日本は日本で、韓国人の神経を逆なでするような問題を起こすとし、その一例としてコラムは軍艦島の展示をあげた。
日本政府は軍艦島炭鉱関連の展示施設に韓国人徴用犠牲者を追悼する内容の展示を行うと国際社会に約束したのに反し、歴史的事実をごまかす内容で公開した。
ここにあるように日本は国際社会(ユネスコ)と約束したのであって、その相手は韓国ではない。
「日本が約束に反した。歴史的事実をごまかす内容を公開した」と怒っているのは韓国だけで、国際社会は何も批判していないのだからこれは問題にする方がおかしい。
日本に支援物資を送ったら「売国奴」という非難が相次ぐ事態とはまったく別次元のことだ。
日韓関係が最悪になった最大の原因は、韓国側が1965年の請求権協定をひっくり返したことにある。
2018年10月に韓国最高裁は日本企業に元徴用工への賠償を命じて、韓国政府はそれに対して日本が納得できる解決策をしめさず、「司法に関わることはできない」と国内事情を持ち出すだけで何も解決しようとしない。
日本は韓国との協定をずっと守ってきて、いまになって韓国側が一方的に否定したことが原因なのだから、これは嫌でも何でも韓国の責任で解決しないといけない。
なのにコラムでは、両方とも同じぐらい悪いという自分勝手な主張をする。
1年8カ月にわたり、両国政府はひざを突き合わせて話し合うのではなく、相手に屈服を強要した。外交は存在しなくなった。
日本が「合意をしっかり守ってほしい」と言うと、韓国には「相手に屈服を強要した」と解釈されるからややこしい。
約束を守った側と破った側が「どっちもどっち」で、それぞれに解決の負担を負わせるというのは明らかな不公平でとても受け入れられない。
このまえ発表された読売新聞と韓国日報の共同世論調査によると、現在の両国関係が「悪い」と答えた人は日本で84%、韓国で91%もいた。
この原因は日本を敵視して国民の反日感情をあおり、請求権協定を守ろうとしない韓国文政権にある。
読売新聞の社説(2020/06/11)
文政権は日韓関係に与える打撃の大きさを認識し、打開策を講じねばならない。元徴用工への補償が必要だというなら、韓国政府が主体となって進めるのが筋だ。
日韓世論調査 文政権が相互不信を広げた
この問題は「両国政府は」ではなくて、「韓国文政権が」で進めるのが前提だ。
韓国が政治家もメディアも覚悟を決めずに「韓日、破局へ向かうのか」と眺めているだけだと、本当にそうなってしまう。
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