ことし２月末、まだ「東京オリンピックができるかも？」という期待が少し残っていたころ、日韓の新型コロナウイルスの状況は日本の感染者数161人（２人死亡）に対して、韓国では977人（11人が死亡）と両国ともに一カ月先の地獄をまだ知らなかった。
そのころ日本の新型インフルエンザ治療薬「アビガン」が注目を浴びていて、韓国政府はアビガンの輸入を真剣に検討していた。
朝鮮日報の記事（2020/02/25）
新型肺炎拡大の韓国 日本製「抗インフル薬」輸入検討
でも韓国ムン政権といえば、「日本には二度と負けない！」と大統領が宣言するなど、国民の反日感情を刺激して不買運動をあおった”前科”がある。
反日を叫ぶ政府が日本の治療薬の輸入には前向きということで、韓国国民からは当時、こんなコメントが殺到した。
・出たｗｗｗ選択的不買運動ｗｗｗｗｗｗ
・ノージャパンを扇動しておいて、薬剤だけは特例で輸入を検討ｗｗｗｗｗｗｗ
・日本のことをあれだけ嫌っておきながら、必要になれば薬を譲ってくださいって？
・どうしてそこまで言葉と行動が一致していないんですか？
・ノージャパンを叫んでいる人間は、最後まで投薬を拒否し、抗日精神をあの世まで保持し続けてください。
くわしいことはこの記事を。
このとき韓国のネットユーザーが使った「選択的不買運動」という表現は日本では見たことがなく、とても韓国人らしい発想だと印象に残った。
反日を叫ぶけど、自分の都合や必要に応じて日本を利用する。
信念はないけど、柔軟性がある。
ノージャパンを主張しつつも日本製品を使うような態度を、韓国では選択的不買運動と言うらしい。
口では反日、でもやっていることは親日という矛盾した行動をする韓国人はよくいて、ことし３月にはこんなこともあった。
レコードチャイナの記事（2020年3月26日）
「親日追放」を叫ぶ韓国の前大統領府公職紀綱秘書官、愛車がレクサスと判明し物議
「韓国より日本の利益に便乗する集団を追放すること。これが選挙における最大の目標だ！」と熱く語って選挙に名乗りを上げたチェ・ガンウク氏（前大統領府公職紀綱秘書官）。
でも愛車がトヨタのレクサスとバレて、国民からは批判が殺到。
レクサスに乗りながら「親日追放」を唱える人物に、韓国のネットユーザーからは批判が集中。
「日本車に乗りながら日本製品不買運動を主導していたの？」
「自ら日本に利益を与えていたとはね」
「まずは自分から追放してほしい」
「もう驚かないよ。韓国の議員はみんな口だけが反日」などなど。
韓国人の反応を見ていると、自分の都合や欲望を基準に反日と親日を使い分ける「選択的不買」をする韓国人に対してはかなり厳しい。
だから、「まずは自分から追放してほしい」と思うのは当たり前。
そういえば去年も、日本製品不買を主張するソウル市長がレクサスに乗っていることがバレて、ネットで
「典型的な韓国式の反日愛国者」と叩かれたこともあったっけ。
５月になったら今度は、ノージャパン運動をしているはずなのに任天堂ゲームソフト「あつまれどうぶつの森」がバカ売れしたことで韓国国民の「有言不実行」が批判に上がった。
Record Chinaの記事（2020年5月24日）
「不買運動を行うのは個人の自由だが、特定のブランドのみ不買をしたり購買したりするという行為は避けるべき」と、「選択的不買運動」を批判する声が出ているという。
韓国市場で日本企業の明暗くっきり、「選択的不買運動」批判も
でも、そもそもノージャパン運動自体が非現実的だった。
親日追放や反日を叫んでいても、大人はレクサスに乗りたいし子供は「あつ森」に夢中になる。
それに中にふくまれている部品まで含めたら、日本製品の完全不買なんて無理にきまってる。
それにしても「選択的～」という表現は便利で、これでいろんな韓国人の行動を説明（または糾弾）することができる。
韓国では「正義」さえ選択的だったのだ。
次回、そんなことを書いていきます。
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