実際のところ、韓国ほど日本との友好を願う国はなかなかない。韓国メディアは単なる友好を超えて「真の友好」を強調し、それを実現する方法についてよく論じている。
僭越ながら言われてもらうと、そのためには「フェア」な態度が重要では。友好には「公平さ」が有効だ。
歴史教科書から見る「フェア」とは
韓国の歴史教科書を見ると、「古代、わが国の人びとは日本へ先進的な技術や知識を“伝えてあげた”」といったことが書かれている。日本人の立場からすると、「上から目線」の印象を受けてしまう。
『わかりやすい韓国の歴史(明石書店)』の中で、韓国の歴史教科書を日本語訳した人が、韓国側が「教える」や「伝える」という表現を使う理由について、次のように指摘している。
「韓国の歴史教育が古代史において文化的優越感を堅持することを目標にしているからである」
こうした歴史認識を常識として持っているから、「新羅が日本に朝貢した(=属国となった)」という日本の歴史教科書の記述は絶対に見過ごせない。
【歴史戦】日本の「新羅は属国だった」に、韓国が「歪曲、右傾化だ」
これは歴史資料に書かれていることだから、文化的優越感が揺らぐとしても、事実は事実として認めたほうがいい。
経済発展の裏にある「日本隠し」
韓国は古代における日本への貢献を強調する一方で、近代になってから、韓国の発展に日本の支援があったことは華麗にスルーする。国民に伝えようとしない。
韓国は1970年代に「漢江(ハンガン)の奇跡」と呼ばれる急速な経済成長を遂げ、現在の経済大国としてのベースを作った。
もちろん、この奇跡の主人公は努力を重ねた韓国の人びとだ。しかし、人間が起こす奇跡には必ずワケがある。
「漢江の奇跡」の土台には、日本からの巨額の経済支援金や太っ腹な技術協力があった。日本が約25年も円借款(資金融資)を続け、その後も技術援助を行った。これで韓国の社会インフラが構築され、奇跡的な経済発展を支えた(漢江の奇跡)。
ソウル地下鉄では、今でも日本式の「指差し確認」をしているかもしれない。
韓国では、こうした話が「隣国が支え合った歴史」として前向きに受け止められることはない。どちらかというと国民感情や誇りを傷つける。しかし事実ではあるので、結果的にこれに触れようとしない。
韓国事情に精通したジャーナリストの黒田勝弘氏は、韓国が日本の影響を無視することを「日本隠し」と表現した。
韓国では相手が「日本」となると民族感情が先立ち、政府、マスコミ、政治家、学者・知識人が日本の影響を否定する「日本隠し」に走るという。
反日感情の理由:韓国の「日本隠し」。日本のアニメや経済協力など
ミラノ冬季五輪で韓国メディアが「伝えない」こと
最近のスポーツのニュースでも、少し似たようなことがあった。
今ミラノで開催されている冬季オリンピックで、韓国のチェ・ガオン選手がスノーボード女子ハーフパイプで、見事に金メダルを取った。
これは今大会で韓国初の金メダルで、韓国にとっては雪の種目で初めての金メダルという歴史的な快挙だ。
この知らせに韓国の人たちは熱狂し、メディアも連日、以下のように大々的に伝えている。
ハンギョレ新聞(2026-02-13)
17歳のチェ・ガオン、闘魂の大逆転…韓国、雪上競技史上初の金メダル
朝鮮日報(2026/02/16)
「雪上種目で韓国初の金」スノーボードのチェ・ガオン 歓待の中メダルと共に帰国 ミラノ冬季五輪
しかし韓国メディアは、チェ選手が起こしたミラクルの背後には、日本の「サポート」があったことを伝えようとはしない。
実は韓国には、彼女のレベルで、満足にハーフパイプの練習ができる場所は1つもない。一方、日本には充実した設備があるから、チェ選手は「日本で練習した」と語っている。
日本のメディアは、彼女の技術は日本で磨かれ、日本のスノボ文化が韓国の「天才少女」を生んだと指摘するが、それを伝える韓国メディアは見かけない。
代わり(?)に中央日報はこんな記事を掲載した(2026.02.16)。
<冬季五輪>「クイーン・ヨナの伝説の動画」を見て金メダル…スノーボードのチェ・ガオンにキム・ヨナがサプライズメッセージ
韓国の伝説的な金メダリストであるキム・ヨナさんが、彼女を精神的に支えたという。こういう記事は読者の民族感情を満足させるから、メディアも積極的に掲載する。
ちなみに、チェ選手を経済的にサポートしたのは、在日韓国人の重光昭夫(韓国名:辛 東彬)氏で、チェ選手は重光氏にも深く感謝している。
さらに、彼女の板がヨネックス製だったりしたら、韓国の快挙に日本が果たした「貢献」は本当に大きいことになる。
日本の「貢献」に触れない隣国さん
韓国メディアの報道にも、チェ選手が日本で練習していることに触れた記事を1つ見た。それは日本勢の活躍の秘訣を探る記事で、その中で彼女の言葉を紹介し、韓国の練習環境は不十分だと指摘している。日本の「貢献」は認めていない。
逆に、日本選手が韓国で練習して金メダルを取れば、韓国メディアは「韓日が力を合わせて快挙を達成した!」などと大々的に報道すると思われる。半分を自分たちの「手柄」にしてしまうかもしれない。
韓国メディアの「日本隠し」は平昌五輪でもあった。
古代においては、「自分たちが助けた」と強くアピールするのに、最近になって自分たちが日本から受けたサポートには触れないでいるのは、少し寂しい。
本当の「日韓友好」を築くために
韓国が日本の統治を受け、屈辱的で苦しい思いをした歴史があったとしても、もし韓国が本当に日本と「真の友好」を築きたいと願っているのなら、フェアであるべきだ。
「日本隠し」のような態度は少しずつ変えていって、日本のサポートも認めるようになると両国関係も未来に向かって前進する。
自国の成功の背景に他国の協力があったとしても、それは「弱さ」でも「恥ずかしいこと」でもない。国際社会の中で互いの長所を利用し、助け合って成長するのは自然な姿だ。
日本も長い歴史の中で、韓国から良い影響を受けて発展してきた。
今では、たくさんの日本人が韓国のエンタメやファッション、グルメなどを楽しんでいる。
隣り合う国同士が影響を与え合い、必要なときは助け合いながら発展していくのは「普通」のことだ。だから、一方の貢献だけを強調するアンバランスな姿勢を見ると、せっかくの友好ムードに水を差してしまう。
事実を知って自尊心が傷つくなら、その自尊心のあり方がおかしい。
良いところも、助けられたところも率直に認め合う「フェアな関係」が根付くと、キャッチコピーではない、本物の「日韓友好」が近づくはずだ。

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