きょう、6月27日は602年に、征新羅大将軍だった来目皇子(くめのみこ)が病気になり、新羅征討が中止された日(6月27日)。
当時、朝鮮半島の南部には、ヤマト王権の「支配下」というのは言い過ぎだが、日本の「影響下」にあった任那(みまな)という地域があった。
新羅が任那に攻め込んだため、ヤマト王権は新羅を討つにため、ある豪族を征新羅大将軍に任命し、600年に朝鮮半島へ派遣した。征新羅大将軍は、1万の兵を率いて新羅を攻め、新羅軍を撃退して新羅を降伏させ、日本への朝貢を約束させた。
朝貢とは、相手国の朝廷に貢ぎ物(みつぎもの)を差し出すことを意味するから、新羅は日本の属国となったと言える。
しかし、軍が日本に戻ると、新羅はまた任那に攻め込みやがった。そこで再び新羅への遠征が決まり、聖徳太子の弟である来目皇子が征新羅大将軍に任命され、2万5千の兵をまかされて新羅へ向かう。しかし、九州の北部で来目皇子が病気になり、進軍は止まった。来目皇子は新羅に到達することなく、そのまま亡くなった。(新羅征討計画)
以上が、日本で定説とされている歴史だが、韓国はそれを認めない。韓国の歴史認識では、新羅は日本よりも強く、文化や文明のレベルも高かったとされている。だから、その設定に反する歴史は受け入れられない。
中央日報の記事(2016.05.09)
日本教科書、また歴史わい曲 「新羅が日本に朝貢?」=韓国・東北アジア歴史財団
当時、日本のある中学校の歴史教科書にこんな内容があった。
「任那が滅亡すると新羅はこの問題に日本が介入することを避ける為、日本に任那の産物を送り友好的な姿勢を取った」
これについて、韓国では「新羅が日本に朝貢した」と解釈され、「歴史の歪曲」とされて問題になった。また、「朝鮮半島」という表現にもダメ出しをした。韓国では「韓半島」と呼ばれているから、日本もそれに合わせるべきという主張だ。しかし、日本にとって朝鮮半島は朝鮮半島だからそれは無理。
そもそも上の内容は、隣国の国民感情に配慮したマイルドな言い方で、実際には日本は新羅を降伏させ、日本への朝貢を約束させている。しかし、「日本<新羅」という韓国の歴史認識からすると、そんな事実があってはいけない。
全国紙・ハンギョレ新聞も同じことを取り上げ、「日本の右傾化」を危惧した。(2015-10-05)
日本の小中高教科書の韓国史歪曲が深刻になる中、歴史歪曲の先頭に立っている右翼教科書の採択率が10余年間で急激に増加したことが確認された。
日本の右傾化教科書で深刻な韓国史歪曲…東学農民運動は暴動、新羅は日本の属国
新羅が日本に朝貢して属国になったという内容は、韓国側からすると日本の「右翼化」を象徴と見なされる。
ほかにも、倭寇の中には朝鮮人や中国人も含まれていたという部分は、(これは正しいのだけど)韓国的歴史認識からすると、事実をねじ曲げたことになる。
しかし、こうした教科書は文部科学省の検定をパスしているので、書かれている内容は日本にとっては完全に正しい。韓国政府が日本の教科書検定をすれば、歴史歪曲を無くし、右傾化を阻止することもできる。
つまり、日韓の歴史認識の違いは永遠になくならず、「歴史戦」はこれからも続くということだ。
コメント
コメント一覧 (1件)
ははは、くだらない。
中国の歴史書の最古のものは司馬遷の「史紀」で紀元前100年の頃、日本の最古の歴史書は「古事記(西暦712年)」および「日本書紀(西暦720年)」です。これに対して韓国の催告の歴史書は「三国史紀(西暦1145年)」だから、凡そ鎌倉時代も近くなってから初めてまとめられたもの。
つまり、任那日本府や新羅の時代は西暦600年の頃の話だから、正確な記録は中国や日本の歴史書による以外他に方法がない訳です。韓国人自身は自国の文献を持ってないのだから、ほとんど学術的主張をする「権利」がないと言ってもいい。何か主張したけりゃ中国・日本の歴史書を勉強しなさいよ。(三国史紀って、「人間と熊のハーフが韓国人の先祖だ」って主張している文献でしょ? いやいや、日本じゃ既に鎌倉時代も近いというのに、何と後進的な文化なのか。)