前回に続いて、東京に1年住んでいた韓国人女性・ソヨンから聞いた話を紹介しよう。彼女は今ソウルの会社で事務員として働いている。
韓国人女性の話 日本人の「情」・韓国の正月と日本旅行・親孝行
コーヒー大好き韓国人
ーーなんか、後ろがガヤガヤしているけど、ソヨンは今どこにいるの?
ソヨン:今はカフェにいます。さっきまでコーヒーを飲んでいました。
ーー カフェの中で話をしても大丈夫? 日本だとひんしゅくを買いそうだけど。
ソヨン:ここは大丈夫ですよ。日本に比べると、韓国の社会は自由度が高くて、自分のやりたいことができるんです。日本人は自制心が強いので、日本を旅行して「礼儀正しい」と感心する韓国人は多いですね。
ーー 韓国人って本当にコーヒーが好きだよね。
ソヨン:それはちょっと違います。好き嫌いを超えて「中毒」なんですよ。もちろん個人差はありますけどね。私は毎朝、出社したらコーヒーを飲んで「さあ、がんばるぞ!」という気持ちになるんです。韓国の会社なら、コーヒーマシンは標準装備されていますね。
ーー で、さっきは何を飲んだの?
ソヨン:アメリカーノです。
ーー「アメリカン」ではない?
ソヨン:アメリカーノです。エスプレッソにお湯を入れたコーヒーで、韓国ではポピュラーな飲み物です。アメリカンって何ですか?
ーー日本には「アメリカンコーヒー」というのがある。日本人が考案したコーヒーだから、アメリカ人が「初めて見た!」と言っていた。韓国にもアメリカンがあるかもと思ったんだけど、ないのか。
ソヨン:聞いたことないですね。
ーー今、韓国でコーヒー1杯いくらなの?
ソヨン:これはトールサイズで4700ウォン(約500円)です。韓国では平均的な価格で、格安から高級志向のカフェまで本当にたくさんの種類があります。
ーー そう言えば、最近、韓国の『マンモスカフェ』が東京に進出したらしい。
ソヨン:あれはコスパ重視で「最安値ゾーン」にあるカフェです。アメリカーノなら、約1リットルで3000ウォンくらいだったような。私は『マンモス』のファンじゃないんですけど、日本で韓国のカフェが受け入れられたら嬉しいですね。
日本語と韓国語は「そっくり」?
ーーそもそも、ソヨンはなんで日本語を学び始めたの?
ソヨン:高校生のとき、第二外国語が日本語だったんです。これは選択ではなくて、日本語しかなかったんですよ。
ーー じゃあ、強制的に学ばされたんだ。
ソヨン:そうですけど、勉強してみたら意外と楽しかったんです。英語と違って文法は韓国語と同じですし、発音と意味がそっくりな単語がいくつもあって、それを発見するのも面白かったんです。
ーー 「カバン、高速道路、洗濯機、無理」は、日本語で言ってもだいたい韓国人に通じるよね。
ソヨン:中国語由来の同じ言葉もあれば、日本から韓国へ入ってきた言葉もありますからね。
ーー 日本語がわかるイギリス人も、そんなことを言っていた。彼女が韓流ドラマを見ていたら「ヤクソッ」と聞こえたから、「あれ?」と思って字幕を確認したらやっぱり「promise(約束)」のことだった。
それから、日本語で同じ言葉を探すことが、韓流ドラマを見るもう一つの目的になったんだって。
ソヨン:その気持ち、すっごくわかります。韓国人にとって、日本語は世界で一番習いやすい言葉なんです。
日本人と韓国人の「スピード感」の違い
ーー 言葉はとても近いけど、日本人と韓国人では価値観や考え方が違う。
ソヨン:違いますね〜。この前、仕事でベトナムへ出張した人もそんなことを言っていました。その人は現地の方から「日本人より韓国人のほうが好きだ」と言われたそうです。
ーー挑発的なセリフだな。聞かせてもらおうか、その理由を。
ソヨン:日本人は交渉が終わると「では、本社に相談してから連絡します」みたいなことを言うから、ベトナム人は「え? ここで決まりじゃないの?」ってビックリするそうです。でも韓国の会社は担当者がその場で決めるので、すぐに仕事が動き出します。
ベトナム人としては、日本の会社だと待たされてイライラするから、韓国人の「即断即決」のスタイルのほうが合っているみたいです。
ーー驚いた。10年以上も前に、ベトナムでまったく同じ話を聞いた。日本人と韓国人の意思決定のスピードは変わっていないんだ。
ソヨン:「日本人の目的は失敗しないことで、韓国人の目的は成功することだ」という話を聞いたことがあります。
ーーその指摘は鋭いな。だから、スピードが違う。
※韓国はアメリカに対してはスピード感が鈍い。去年、アメリカが関税率を下げる代わりに、韓国は対米投資を約束した。しかし、韓国側がなかなか動かないから、アメリカが怒って関税を再び引き上げると圧力をかけて、いま韓国政府が対応に苦慮している。

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