印象最悪でも、「昼は反日、夜は親日」という韓国人の日本観

いまの日本人は中国よりも、韓国のほうに親近感を持っているらしい。

朝鮮日報（2022/02/26）

日本人「中国より韓国の方に親しみ」

昨年１１月～今年１月にかけて、「親しみを感じる」が５点、「感じない」を１点として「韓国、米国、中国、ロシアの４カ国に対して、どの程度親しみを感じるか」というアンケート調査を行ったところ、韓国に対する親しみは2.3点（２０１９年は１.９点）で、中国は1.9点（２０１９年は２.１点）という結果が判明。
韓国に親しみを感じる日本人が徐々に増えてきた一方で、中国への印象はその逆をいっている。

その理由として若い女性には韓国に親しみを感じる人が多いけれど、中国に対してはそんな集中的な層がないし、香港の民主化運動への対応で中国政府への印象が悪化したことが挙げられるという。
１０代２０代の女性を抜かせば、日本人の印象は韓国も中国も「どっちもどっち」といったところか。

さて視点を韓国に移そう。
米国、中国、日本、フランス、オーストラリア、ドイツ、タイ、ベトナムなど20カ国を対象に好感度を調査したところ、信頼度において日本と中国は最低になってしまった。

中央日報（2022.01.12）

日本と中国はそれぞれ１３．３％、６．８％と調査対象２０カ国の中で最下位となり、韓国人が最も不信に思う国に選ばれた。

韓国人が最も信頼する国は米国…最も不信に思う国は中国と日本

７１．６％が「信頼できる国」と答えた米国が安定のナンバーワンだ。
ほかの項目を見ると、「韓国が最も協力すべき国」は中国が６．９％で、日本は最低の１．１％。
「韓国と良い関係だと考える国」と「韓国に肯定的な影響を及ぼす国」でも中国と日本は最下位水準にあるという。
好感度では米国が６５．９度で最も高く、１８位が中国（３５．８度）、１９位が北朝鮮（３３．８度）ときて、日本は最低の２０位（３３．６度）だ。

全体的に韓国人の間で中国・日本への印象は最も低いゾーンにあって、「最低オブ最低」はどうやら日本らしい。
その理由は言うまでもなく、「解決されていない過去史問題」とのこと。

にしても、この手のアンケート調査は日本の全国紙も報じるけど、「韓国と中国は日本人が最も不信に思う国に“選ばれた”」というイヤミな書き方はしない。

日本が「韓国人が最も不信に思う国に選ばれた」という状態は、基本的に前からあまり変わっていない。
２００５年に行われたアンケートでは両国関係について「良い」と答えた人は１１％で、日本に「信頼できない」という人は９０％もいた。
今回、日本を「信頼できる」と答えた人は１３．３％だったから、日本への見方はここ20年ほとんど不変。

ただこうしたアンケート調査では、韓国人の「本音」は見えてこないとジャーナリストの黒田勝弘氏が指摘する。

韓国では、世論調査となると過去、日本にやられたという歴史を背景にいつも「日本が嫌い」と言わざるを得ないが、実際には「日本に学べ」の声は今もよく聞くし、普通の人を中心に日本（人）に対する親近感は強い。

「韓国は不思議な隣人　（産経新聞社）　黒田勝弘」

他人の目を意識するような公式的な場だと「反日」的な発言や答えになるけど、非公式の本音に近いところではけっこう親日的はことを言うから、「昼は反日、夜は親日」という韓国人が多いという。
黒田氏からみると、韓国の「日本嫌い」は公式的でタテマエ的なところがある。

２、３年前、日本製品の不買運動が盛んだったころにもそんなことがあった。
日本のゲームを買って楽しんだとSNSで報告する韓国人に、他の韓国人から「ノージャパンはどうした？」とアンチコメントがくると、その人は「今日だけはイエスジャパン！」と答えた。

好感度で日本は中国や北朝鮮よりも下、というか最低レべルだったけど、韓国人が日本を嫌っているかというとそうでもない。
旅行で行くと、むしろ親切を感じたという日本人はけっこう多いのだ。
どうも韓国人の日本に対する見方には「昼は反日、夜は親日」、「いつもはノーでも、今日だけはイエスジャパン」といった素直じゃないところがある。