日本に住んでいる知人の中国人(20代・男性)が隣国へ旅行に行った。なのでこれから、彼がそこで喜んだことやガッカリしたこと、感激したことなどを紹介しよう。
韓国と中国東北部、1月はどっちが寒い?
ーー1月の下旬になって、寒さは今がピーク。といっても、リュウがいた中国東北は、1月にはマイナス20度に達する極寒ゾーンだから、静岡の寒さなんて「蛙の面に水」か。
リュウ:そうですね、寒さは大したことありませんが、今の例え方はヒドいですね。人を両生類あつかいしないでください。
ーーそれはいいとして、最近は何かあった?
リュウ:(チッ)この前、2泊3日で韓国を旅行したんですよ。
ーーえっ、そんな話、聞いていなかった。とにかく、賞味期限があるものなら、早く取りに行かないと。
リュウ:なんでアンタに言わなきゃいけないんですか。それにお土産もありませんよ。私はムダなことをしない主義なので。
ーーおまえの言い方もヒドいな。
「1月の韓国は寒かったでしょ」って、日本人なら聞くところだけど、 中国の東北部にいたリュウには「どこ吹く風」かな。
リュウ:さっきよりも人権に配慮した言い方でありがとうございます。でも、韓国もすっごく寒かったんですよ。日本に何年もいたから、私の「耐寒能力」がかなり落ちてしまって寒く感じたんです。
ーー静岡の冬は、日本の中でも暖かいほうだから。ぬるま湯に浸かっていたせいで、気づいたら野生の狼じゃなくなって、温泉でリラックスするカピバラになってましたと。
リュウ:そんな感じです。中国東北部からチョクでソウルへ行ってたら、大して寒く感じなかったでしょうね。
ーーまぁ静岡県民の俺からしたら、どっちも「究極の寒さチャレンジ」になるけどね。鼻水が凍りそう。

日本人にも人気の韓国グルメ「チメク」。
チキン+メクチュ(ビール)の組み合わせは、サッカーボールと翼くんのような最高の組み合わせとされる。
ベスト・オブ・韓流グルメは?
ーーリュウが韓国を旅行して、良かったことって何?
リュウ:それは圧倒的に食べ物ですね! 何を食べても「おいしい・とてもおいしい・最高においしい」の3つしかありませんでした。
ーーインドみたいな感想だな。「インドの季節は3つある。ホット・ホッター・ホッテストだ」ってインド人に言うとけっこうウケるんだわ。
リュウ:へ〜。
ただ、私の場合は、韓国の大学に留学している友人がいたんです。彼女は私の好みを知っていて、それに合った店を選んでくれたので、どれも正解だったんですね。自分のカンを信じて店に入っていたら、きっとハズレもありました。
ーー中国人にとって食べ物がおいしいというのは、とても重要なポイントだと思う。で、リュウの「ベスト・オブ・韓流グルメ」は何だった?
リュウ:フライドチキンです。
ーーなるほど…。でも、それを韓国料理と言っていいのかどうか。
リュウ:私の友人はそう考えていました。韓国のフライドチキンには独自の味があるので、韓国の食べ物だと思います。
ーーそっか。チキンと一緒にビールを飲んで「チメク」を楽しんだんだ。
リュウ:いえ、外は寒かったしビールは冷たいので、私も友人もそれは飲みませんでした。
ーー中国人って冷たいものを避けるよね〜。

韓国の王宮にあった国王の玉座
後ろの屏風の絵は韓国独自の文化と言われている。
韓国でつまらなかったもの
ーー逆に、韓国でイマイチだと思ったものはある?
リュウ:ソウルにある景福宮(キョンボックン)という王宮です。中国の伝統的な建物と同じに見えてしまったんですね。景福宮の中を歩いていると、まるで中国にいるみたいな感じがして新鮮味がなかったので、すぐに出ました。私はムダなことをしない主義なので。
ーー朝鮮王朝は明の影響を強く受けたから、現代の中国人が見たらそう感じるかもね。昔、俺が行ったときは、日本語ガイドがいて丁寧に説明してくれた。リュウも中国語のガイドを聞いたら、新しい発見があったと思うけど。
リュウ:そうですね、建物の背景や当時の歴史の話を聞けば、新しい発見があったかもしれません。でも、体験したかぎりでは、景福宮は中国の王宮の下位互換で見る価値はありませんでした。
ーーいくら中国(明清時代)が宗主国だったとしても、もうちょっとオブラートに包んで言おうよ。
※10年以上前、景福宮に行った際、日本語ガイドから「朝鮮出兵で日本軍が攻め込んできて、景福宮を焼いてしまった」という説明を聞いた。しかし、実際には朝鮮の民衆が燃やしたから、この説明は間違っている。
景福宮の日本語ガイドさん、王宮を焼いたのは日本人じゃないですよ
中国語の説明では、ガイドと中国人観光客が意気投合して、チメクを決めに行く光景が目に浮かぶ。

ソウルにある梨花(イファ)女子大学校は、韓国民なら誰でも知っているような有名大学だ。
韓国旅行で良かったこと
ーー韓国旅行で、見学して良かったと思ったところやものはある?
リュウ:ありますよ~。友人が通っている梨花女子大学校です。キャンパスはきれいで建物がオシャレなので、外国人もたくさん来るみたいです。
ーーいまネットで調べたら、学食や銀行のほかにも、大学内に映画館やフィットネスクラブなんかもあって、すごく豪華な大学っぽい。
リュウ:友人がこの大学を自慢に思っていて、頼んでないのに案内してくれたんです。
とくに「女性目線」では、かなり気分がアガる大学みたいですね。友人がススメていたのがこの光景(トップ画像)です。
ーーここは韓流ドラマのシーンに出てきそうで、確かにSNS映えするな。でも、巨大な鉄球が転がってきたら、逃げるのは難しそうだ。
リュウ:『イカゲーム』じゃないんですから。
ほかにも印象的な建物や自然があって、あの大学内を散歩するのは良い体験になりました。最初は、無料でも大学見学なんて気が進まなかったんですけど、行ってみたら景福宮の100倍良かったです。
ーー「もっと遠回しに」って思ったけど、好き嫌いをハッキリ口にするのは中国人の良いところなんだと思う。
リュウ:ハイ。つまらないところもありましたが、今回の韓国旅行は全体的には満足できました。半分は友人のおかげです。
ーーそこは謙虚でよろしい。
※日本人にとって、梨花(イファ)女子大学校は不思議な学校だ。韓国では日本による統治(1910〜1945年)はとても過酷で、「世界最悪」と言われることがある。
でも、梨花女子大のホームページには「女性教育の新しい時代を切り拓きました」と書かれている。
人権をはく奪されていたら、そんなことはありえないと思う。

コメント