ネット上で終わらない「歴史認識バトル」
日本と韓国は「近くて遠い国」どうしで、「強敵」と書いて「とも」と読むような、愛情と怒りが入り混じった複雑な関係だ。
先日、ある韓国人がSNSで、日本に対する典型的な認識を披露していた。
※原文の韓国語を日本語訳したもの。
「日本は朝鮮半島を武力で占領し、資源を略奪して労働者を強制徴用した。そして、日本が敗戦して戦争犯罪国家になったあと、朝鮮戦争を利用して金を儲けて近代化した。目を覚まして反省しろ。」
それに対し、日本人がこう反論。
「目を覚ますのは明らかにおまえの方だ。現実を見て、正しい歴史教育を受けられる国に留学でもしろ🫵😂」
日本統治(1910年〜1945年)やその後の日本の発展について、日韓では見方が逆転するから、ネット上では歴史認識をめぐって、こんなバトルが毎日のように起きている。
歴代最高の「対日好感度」
しかし、その一方で日韓関係を全体的に見れば、今は「絶好調」と言っていいほど蜜月だ。
今月4日、韓国国立外交院・外交安保研究所などが公表した「韓国人の対日認識分析」を見ると、先ほどの鋭い対立とは違い、まったく違う景色が広がっている。
日本に「良い印象」を持つ人は 63.3%と、「悪い印象」(30.6%)を大きく上回った。
この結果について、報告書は「歴代最高の友好的国家イメージが集計された」と分析している。
韓国の人たちが日本に「良い印象」を持つ理由のトップ3がこちら。
1位:親切で誠実な国民性(46・6%)
2位:魅力的な食文化とショッピング(31・7%)
3位:同じ自由民主主義国家であること(25・7%)
日本でも韓国に対する好感度は高くなっている。
昨年、内閣府が公開した世論調査(外交に関する世論調査)の結果によると、韓国に「親しみを感じる」が 56.3%(前回 52.8%)と上昇し、「親しみを感じない」は 43.0%(前回 46.4%)低下したことが判明。
日韓の「好き/嫌い」は連動しているから、あちらが上がるとこちらも上がる。
「国民は好きでも歴史は許せない」
しかし、日韓は「近くて遠い国」である事実は変わらない。
韓国人が日本に「悪い印象」を持つ理由のワースト3は、以下のようなものだった。
1位:韓国侵奪の歴史に対する反省不足(82・8%)
2位:独島(竹島)の領有権主張(48・0%)
3位:慰安婦・強制徴用など歴史問題の未解決(41・2%)
韓国側の視点では「日本が過去の歴史を否定し、真摯な反省や謝罪をしていないこと」が最大のネックとなっている。
つまり、「現在の日本の文化や国民性は好きだけど、歴史認識は許せないし、譲ることもできない」と、現在と過去の日本がはっきりと切り離されて認識されているのだ。
日本で世論調査をすれば結果が逆転し、「韓国がくり返し謝罪や反省を要求すること」が悪印象を持つ最大要因になることは間違いない。
日韓関係は良好ではあるものの、歴史と領土問題という地雷に触れるといつでも爆発が起きる状態ではある。
ちなみに、韓国で日韓関係を「重要」と考えている人は 87・5%ととても高かった。
これは日本も同じだ。
リアルな交流が「残酷な日本人」のイメージを変える
韓国で日本への良い印象が高まっている要因は、旅行やワーキングホリデー、就職などで「直接的な交流」が増えたからだ。
SNSを見ていると、そんなコメントが本当に多い。
たとえば、ある日本人が韓国の「反日」を警戒していたけれど、実際に行ってみたら、そんな経験は一度もなかったと投稿すると、韓国人がこんなコメントをした。
「それは、おそらくメディアが作り出したイメージでしょう。
韓国にも日本人と交流したことがない人の中には、ドラマに出てくる文禄・慶長の役のときの倭軍の武士や、日本統治時代の警察といった野蛮で残酷なイメージしか持っていない人たちがいます。
実際に日本人と交流してみると、面白くて温かい人が多いことがわかるはずです🙂」
メディアや歴史教育を通じて作られた「残酷な日本人」というステレオタイプが、実際に日本に来て、リアルな日本人に触れることで「親切で誠実な国民性」へと上書きされる。
「歴代最高の友好的国家イメージ」はその積み重ねの結果だ。
双方から叩かれる中立派の疲弊と「歴史の壁」
日韓の歴史問題について、SNSで両国民のコメントを見ていると、自国の見方に「全振り」するだけでなく、双方の中間に立って発言する人もいる。
「日韓の一般的な歴史認識のそれぞれに問題があるから、もっと冷静になって客観的に歴史を分析するべきだ」といった意見だ。
本人としては「中立的な立場」から、両国の理解を深めようと努力しているのだろう。しかし、苦しい立場に立たされることも多い。
ある韓国のネットユーザーは、ため息混じりにこう漏らしている。
「私が 🇰🇷🇯🇵日韓関係の改善をあきらめた最大の理由は、正直に言って疲れたからです。
韓国人と 日本人は、お互いの歴史や政治に関する認識があまりにも違いすぎて、常に激しく衝突せざるを得ません。
私は、日韓の歴史認識や政治についての考えを両国の人たちに伝えてきました。しかし、返ってくるのは、強い嫌韓と反日の感情ばかりでした。また、韓国人と日本人の双方から「用日」という批判を受けました。」
また、日本に対して厳しい意見を言うと「親日から反日に転向した」と思われ、去って行く人も多い。
その結果、「なぜこんな思いまでして、自分がやらなければならないのか?」という自己嫌悪でいっぱいになり、関係改善のための努力を断念したという。
※自分の利益を得るために、日本と交流しようとする考え方を用日(용일)という。
これは別に悪いことではない。
日本でも国益のために必要最低限の付き合いをすればいいと、「用韓」を主張する人もいる。
結論:「本日天気晴朗ナレドモ波高シ」は続く
日韓の「歴史の壁」は本当に厚くて高い。
韓国寄りだと「反日」、日本寄りだと「親日(売国奴)」と罵られ、その中間に立っても叩かれる。
個人の努力ではどうにもならないから、疲れ切ってさじを投げる人はどちらにもいる。
日本でも韓国でも両国関係を「重要」と考える人はとても多いが、どちらも歴史問題では譲れない。
「本日天気晴朗ナレドモ波高シ」という状態はこれからも続く。

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