【文政権の二重基準】最悪の日韓関係はそのまま次期政権に

自分がほかの女性と浮気をしても、それは素敵なラブロマンス。
でも他人が同じことをすれば、「不道徳だっ！」と声を上げて非難する。
そんなご都合主義の二重基準を韓国では「ネロナムブル」という。

「オレはいいけど、オマエはダメ」というジャイアンみたいな自己中心的な二重基準は世界中にあるけど、韓国のそれはちょっと露骨で異質だ。
ウィキペディアの「二重規範」の項目には、「韓国では、文在寅政権下において政府高官や政権与党の共に民主党内に二重規範が蔓延しているとされ」という説明がある。
また2021年に行われた韓国の市長選挙で与党の候補が大敗したとき、その敗因についてニューヨーク・タイムズは「Double standard」ではなくて「ネロナムブル」という韓国語を使って分析した。
文政権に批判的な韓国メディアの朝鮮日報は、国内でさえ特有である韓国左派のダブルスタンダード固有性を指すネロナムブルが世界的な地位を獲得したと指摘する。

だから「ネロナムブル」は文政権に特徴的だ。
それは例えばこんなふうに。

朝鮮日報（2022/01/10）

【独自】脱原発を主導してきた産業通商資源部「韓国の原発は世界最高」

文大統領は国内では脱原発を主張してそのための政策を進めてきたのに、海外に向かっては「韓国の原発は世界最高だ」とアピールして積極的に売り込んでいたという。
この態度にソウル大のチュ教授（原子力工学）は

「国内と海外で大統領の発言が異なるのは問題だ。原発の優秀性を海外だけでなく、韓国国民にもそのまま知ってもらうべきだ」

と嘆く。
ここまでくると「ネロナムブル」は日本語で「厚顔無恥」と訳していいのでは？

韓国の原発についてはいいとして、日本にとって困るのが慰安婦問題をめぐる文政権の絶望的なネロナムブルだ。

約６年前の12月28日、日韓が慰安婦問題の解決に合意して、当時のユン・ビョンセ外交部長官が世界に向かってこう宣言した。

「今回の発表により、日本政府と共に、この問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する。」

くわしい内容は外務省ホームページ「日韓外相会談」で。

でもその後、慰安婦合意の破棄を主張していた文大統領が誕生し新政権が発足すると、この合意は実質的に破られてしまった。
慰安婦問題は政府間の合意ではなく、「被害者中心主義」で解決しないといけないと国内にアピールし、日本に向かっては未来志向的な関係を望むと訴える。
文政権は合意を無効化させることには成功したものの、その後どうやって慰安婦問題を解決し、日本との関係をどう構築していくかの具体的なプランは何もなかった。

だからそんな無責任な政府に、朝鮮日報が怒りを込めてこう書く。（2018/11/22）

現在の与党は「10億円で（慰安婦被害者の）おばあさんたちを売った」「日本の汚い金は返さなければならない」と前政権を非難してきた。だが、自分たちはどのようにして真の謝罪と法的責任認定を引き出すのかについて、何の答えも出していないし、答えがあるわけでもない。

慰安婦財団解散、「文在寅式解決法」とは一体何なのか

韓国政府が現実的な答えを出さないでいる間に、韓日関係は戦後最悪といわれるほど悪化していく。
合意を結んだパク政権が続いていたら、一方的に白紙に戻すようなことはなく、こんなヒドイ状態にはならなかった（と思う）。

2021年１月に元慰安婦訴訟で韓国の裁判所が日本政府に賠償を命じる判決を出すと、文大統領は「困惑している」と記者会見で述べ、2015年の日韓合意が「政府間の公式合意」だと認めた。
すると今度は、「被害者中心主義」と矛盾するこの大統領の発言に元慰安婦やその支持者が怒り出す。
すると文政権はその怒りの矛先を日本へ向けた。

毎日新聞（2021/12/29）

韓国外相「歴史問題解決のため、日本はもっと真剣な姿勢で」

解決を約束した以上、韓国内の反発は韓国政府の責任で対応しないといけない。
なのにチョン・ウィヨン外相は年末の記者会見で、徴用工・慰安婦問題について「解決するには、日本がもっと真剣な姿勢で臨まなければならない」と強調。
「日本がより前向きで、合理的に対応することを期待している」とも言うから、日本に丸投げしたようなものだ。
この「前向き、合理的に対応」というのは日本が韓国に譲歩することだから、日本政府は無視するにきまってる。

国内では「脱原発」、でも外国には「韓国の原発は世界最高」とアピールしてきた文政権。
その場その場で自分が最大の利益を得ようとする。
国の内外で平気で違うことを言うそんな「ネロナムブル対応」を続けてきたことで、韓日関係は末期状態となり、残り４カ月の任期になって文大統領は自分の首を絞めることになってしまった。

チョン外相の発言は下のNHKニュースをはじめ日本の各メディアによって広く伝わり、また韓国への悪感情を高める結果となった。（2021年12月29日）

韓国外相慰安婦問題「日本は前向きで合理的対応を」

もう文政権下での解決なんて無理。