旅㉞韓国人には難しい日本語の発音「ざ」と「つ」。あちゅい!

 

飛行機に乗ると、韓国人のCA(キャビン・アテンダント)がイヤホンをくれる。

一見すると近寄りがたい美人のCAだけど、その日本語を聞くと耳ぐっと親しみを感じた。
そのCAはボクの目をとらえてこう言う。

「イヤホンでごじゃいます。」

ああ、そうだった。
これが韓国人の話す日本語だ。
韓国語には日本語の「ざ」の音がないらしい。

だから韓国人には「ざ」と発音することが難しくて、日本人には「じゃ」に聞こえてしまう。

 

これはミャンマー人のCA

 

5年ぐらい前に、韓国人と明洞餃子みょんどんぎょうざに行ったときにもそんなことがあった。
その韓国人の発音が、どうしても「ミョンドンギョジャ」に聞こえてまう。

明洞餃子はとても有名なお店。

韓国・ソウルのガイドブックには欠かせない存在として外国人にも大人気、また歴代大統領をはじめ地元の韓国人にも長年愛されてきました。

明洞餃子

 

ちなみにそのとき一緒に行った韓国人に言わせると、明洞餃子の味は「観光客用(日本人用)」になっているらしい。

実際のところは分からないけど、明洞という街の特徴とくちょうからしたら、それはあるかもしれない。
これはボクの個人的な感想だけど、明洞は変化が激しい。

ここを訪れる日本人が多くなると、街はすぐに日本人向けになる。
日本人向けの商品や日本語を話す店員が増える。
でも中国人客が多くなると、すぐに中国人向けの街になる。

明洞は、良く言えば柔軟性があるけど悪く言えば主体性がない。

同じ繁華街はんかがいでも「鍾路ちょんの」はちがう。
鍾路はあんまり変化を感じさせない。
鍾路は昔から韓国人を相手に商売をしてきた伝統的な繁華街だからだと思う。

くり返しになるけど、これはボクの個人的な感想。

 

韓国人にとって難しい日本語の発音には、「ざ」の他にも「つ」もある。

韓国語には「つ」の発音もないらしい。
だから韓国人の言う「つ」は、「ちゅ」に聞こえてしまう。

 

韓国人の女の子と真夏の京都を旅行したときに、そのことを強烈に感じた。

夏の京都はとにかく暑い。
ひたいに浮かぶ汗をハンカチでふきながら、その子がこう言う。

「今日は、あちゅいですね。」

あちゅい?
ああ、「暑い」のことか。
思わず笑いそうになる。

「まあね。でも京都じゃ、このくらいが普通だよ。」

「えっ?これがふちゅうですか?」

その子が目を大きくして言う。
これには思わずふき出してしまった。

「ツがチュになってるよ」とボクが指摘すると、その子は「え?」と驚いた顔をする。
その韓国人の子は、「つ」の発音がしっかりできていると思っていたらしい。

 

外国語を話しているんだから、ネイティブのように発音することができなくても当たり前。
最近会ったイギリス人は、日本語の「しゃべる」という発音はできるけど、「しゃべった」と発音することが難しくてうまく言えないと言っていた。

なんの悪気もなく、「『あちゅい』はおもしろい」とボクが言ったところ、その言葉は韓国人の子を傷つけてしまった。
それからしばらく沈黙が続く。

バカにしたわけじゃないけど、本人にとっては屈辱的くつじょくてきだったらしい。
悪いことをした。

 

韓国人の話す日本語の特徴とくちょうってなんだろう?

そう思って、「韓国人 日本語 発音」と打ちこんで検索してみた。

すると、「韓国人 日本語 発音 かわいい」と出てくる。
やっぱり、韓国人の日本語発音をかわいいと思っている日本人はたくさんいるらしい。

ネットを見ると、韓国人は「つ」と「ざ」の発音が難しいとある。
韓国人が「ざ」行を発音すると、「じゃ」「じ」「じゅ」「じぇ」「じょ」となる場合が多いらしい。

だからこうなる。

「在庫」は、「じゃいこ」。

「残念」は、「じゃんねん」。

「税金」は、「じぇきん」。

「全然」は、「じぇんじぇん」。

「思う存分」は、「おもうじょんぶん」。

韓国人が苦手な日本語の発音 

 

立場が変われば、日本人がこうなる。
日本人が発音する韓国語には、韓国人からしたら「え?」というものがきっとあるはず。

日本人の韓国語発音は知らないけど、アメリカ人やイギリス人から話を聞くと日本人の「r」と「l」にはとまどうことがあるらしい。

「lead(指導する)」も「read(読む)」もカタカナで書くと「リード」になる。
でも意味は全然ちがう。
日本人には「lead」は言えるけど、「read」の発音は難しい。

暑いを「あちゅい」と言っても意味は分かる。
だから大した問題ではない。
でも、「read」を「lead」のちがいはかなり大きい。

 

でも、「ざ」の発音がうまくできなかったり「r」の発音ができなくて困ったりするのはいいことだと思う。

どこの国の人でも、外国語を学んでいたら「これが難しい!」という壁にぶつかるはず。

言いかえたら、難しいことに挑戦しているからこそ壁にぶつかることができる。
前に進んでいなかったら、ぶつかる壁もない。

一番マズいのは、何の壁にもぶち当たっていないこと。
それは、自分が前に進んでいないということになる。

日々の生活のなかで、「これは難しいな」「あれはイヤだな」といったことを感じるなら、それは壁やハードルをこえているということだから進歩している証拠でもある。

 

おまけ

ソウルの屋台。

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。