中国のニーハオトイレの話は前回で終わり。
でも、まだセントレア空港におんねん。
満州(大連)行きの飛行機のチケットをもらわなあかんねん。
だからチケットカウンターの列にならんでいるところやねん。
今回の記事でかくことは、こうしてチケットカウンターの列にならんでいるときに出くわす危険について。
ふつうに列にならんでいるだけなのに、命にかかわる危険がひそんでいる。
初めてそれを頼まれたのは、15年前のことだと思う。
タイの空港で、今と同じように飛行機のチケットをもらうために、受付の列にならんでいた。
すると、一人の外国人が声をかけてくる。
声がしたほうをむくと、白人っぽいおじさんが立っている。
スーツを着たしっかりした身なりの紳士で、品の良い笑顔がうかんでいる。
「なんすか?」
とボクが聞くと、その上品なおじさんはほほ笑みを浮かべながらして言う。
「じつは君に頼みたいことがあるんだ。悪いけど、ボクの荷物を君の荷物として飛行機にあずけてほしいんだよ」
言っている意味はすぐわかった。
この人は、荷物の料金を払いたくないのだ。
無料で飛行機にあずけることができる荷物の量は決まっている。
だからそれをオーバーしたら、数万単位で追加料金をはらわないといけない。
だから、少ない荷物をもっていたボクに声をかけて、彼の荷物をボクの荷物として飛行機にあずけてほしいと頼んできた。
こういうこと。
「むこうの空港についたら、お礼をするよ」
という言葉もつけ加える。
その「お礼」というのは、1万円ぐらいだったと思う。
正確な金額は忘れたけど、それを聞いて驚いたことはおぼえている。
さて、もしあなたが空港のチケットカウンターの列にならんでいるときに、こんなことを言われたらどうしますか?
答はもちろん、「NO!」ですね。
正体不明の外国人から荷物を運ぶように頼まれたら、「NO!」とことわるにかぎる。
その荷物の中身がなんなのか、わかったもんじゃない。
そのときのボクは、たいして旅慣れてはいなかったけど、それぐらいのことはわかっていた。
だからそいつに言ってやった。
「イエス、オフコース」
そのときのボクは、な~んもわかっていなかった。
彼は困っているし、ボクの荷物は少なかったから、人助けの気持ちで「いいよ」と言ってしまった。
「ああ、良かったよ!」
とそのおじさんが言って、「これなんだ」と持っていた小さなバッグをボクにわたす。
そのバッグを受けとろうとしたとき、「ちょっと、何やってんですか!」と声がわりこんできた。
ボクの前にならんでいた30歳ぐらいの日本人の男性だ。
「話は聞いていました。あなたは今、どんなに危険なことをしようとしているのか、わかってますか?そのバッグの中に何が入っているかわかってますか?
これは人助けだ。
中身なんて知るか。
「あのねえ、もしその中に大麻が入ってたら、もう終わりですよ?警察につかまってあなたの人生は終わりますよ」
それを聞いた瞬間、急に背中に寒気を感じて顔が青ざめた。
中に大麻が入ってる?
そんなこと、まったくこれっぽっちも考えてなかった。
「NONONONONONONONO!」
血相を変えてバッグの受け取りを全身で拒否する。
するとそのおじさんは、何も言わずにスッとその場を離れてしまった。
だからこのときはこれでおしまい。
その後にしたことといえば、命の恩人の背中に手をあわせたことぐらい。
タイの空港
今でも、このときのことを思いだすと冷や汗が出てくる。
本当にほんっとうに危なかった。
そして自分はおっそろしくバカだった。
今までの旅行経験のなかで、これと同じことが3回あった。
もちろん、すべて「NONONONONONONONO!」とことわっている。
もし、見知らぬ外国人から頼まれた荷物を運んでいたら、どうなるか?
その中に大麻や覚せい剤が入っていたら、さっきの神(日本人)が言っていたように、まずまちがいなく警察につかまる。
海外では、大麻や覚せい剤に対して厳しい国が多い。
日本も厳しいと思うけど、もっと厳しい国はたくさんある。
少しの量の大麻でも、警察にみつかってつかまると死刑になることもある。
そのときに、「これはボクの荷物じゃありません!他人から頼まれたものなんです!」なんてことを言っても、100%通じない。
そんな言い訳がとおる国なんてない。
じっさい、竹内という日本人女性がそれをしてしまい、マレーシアで死刑を宣告された。
そのことは次回に。
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