「運命の日韓戦」はサッカーや野球などのスポーツだけではない。
「歴史戦」も大切な日韓戦で、むしろこちらのほうこそ絶対に負けられない。歴の真実を譲ることはできない。
その試合は韓国や日本でおこなわれることがあれば、どちらにとってもアウェーの海外でぼっ発することもある。
今回は南半球にあるキウイの国ではじまった。
ニュージーランドで起きた慰安婦像をめぐる「日韓戦」
ニュージーランドの首都はウェリントン。
でも、最大の都市はオークランド市で、人口の約3分の1が暮らしている。
そんなNZの経済や文化の中心地で、慰安婦像(韓国では“平和の少女像”)が建てられるという話が持ち上がり、「日韓戦」がはじまった。
韓国系団体が市有地への設置を求めて運動をおこなうと、在ニュージーランド日本大使館はそれをしないようオークランド側に働きかける。
大使館としては、日本をおとしめる行為は全力で阻止するしかない。
韓国系団体が「日本政府が被害女性たちに加えられた暴力を隠そうとしている」と反発すれば、日本大使館側は「日本とニュージーランドの外交関係に重大な影響を及ぼしかねない」と訴えた。
これは事実だ。
2018年に米サンフランシスコ市が慰安婦像を設置したことで、大阪市との姉妹都市関係が解消されてしまった。

設置拒否と日韓メディアの反応
最終的にオークランド市は像の設置を認めなかったから、日本の主張が受け入れられたことになる。
その結果を報じる両国のメディアにも温度差がくっきりとあらわれた。
韓国のハンギョレ新聞は日本を非難しつつ、残念そうに伝えた。(2026/4/29)
ニュージーランドの「平和の少女像」設置、日本側の圧力により結局「白紙化」
それに対し、産経新聞はオークランド市の“英断”を支持。(2026/5/16)
NZの慰安婦像 韓国系の要求はねのけた
決定打は「民意」だった
しかし、この件をくわしく見ると、決定打になったのは日本の働きかけ(圧力)ではなく、「民意」だったことが分かる。
まず、2025年に、団体側がオークランド市に慰安婦像の設置許可を求めると、地区委員会は一度それを了承した。
しかし、その計画が知られるようになると、反対や懸念の声が寄せられるようになり、許可は保留された。
つまり、地区委員会はこれがどんな像なのか、よく知らなかったということになる。
そしてことし1月、広く市民から意見を募集したところ、6割近くが反対意見だった。
おそらく結果には賛成のほかにも、「どちらでもない」や「その他」などもあっただろうから、像の設置を好意的に考える人はかなり少なかったと思われる。
この「民意」を受けて、オークランド市は「分断を招きかねない」と判断し、設置計画を白紙に戻した。
ニュージーランド人のリアルな声
SNSでこのニュースをシェアする人がいて、多くのコメントが寄せられた。
おそらくそのほとんどはニュージーランド人だろう。
全体的には像の設置に反対する人が多く、次の意見がその気持ちを代表している。
「Has absolutely nothing to do with us.」
「私たちにはまったく関係のないことだ。」
では、コメントを日本語にしたうえで、内容ごとに分類して紹介しよう。
1. 設置反対:ニュージーランドには無関係
「それはニュージーランドの歴史ではない。」
「ニュージーランド人として、私はこの決定(設置拒否)を支持します。明らかに不適切です。」
「韓国人は好きなだけ、その像を韓国内に建てることができる。しかし、ニュージーランドと何の関係があるんだ? ニュージーランドが日本と韓国の政治に関わらないのは賢い選択だ。」
「正直なところ、ニュージーランドがそれを置く理由はあるの?」
「そもそもなぜその像がそこにあるのですか? 被害者の中にニュージーランド人はいましたか?」
2. 設置反対:日韓の政治対立に巻き込まれたくない
「これは、あらゆる場所で日本を攻撃しようと積極的に活動している韓国の運動だ。彼らが自国の被害者のために戦うことは理解できるし、そうすべきだが、他国に『輸出』するようなものではない。」
※以下のチャンギ刑務所はシンガポールにあり、戦時中、日本軍が連合軍の捕虜を収容した。
「私はニュージーランド人で、チャンギ刑務所に収容された第二次世界大戦の退役軍人の孫です。
韓国が自国の利益のため、また日本に罪悪感を積み重ねるために、この像を押しつけようとするのなら、ニュージーランドが主権をもって拒否したのは当然です。
慰安婦はアジアのいたる所にいました。
私たちが選ぶ記念碑は、ニュージーランド独自のものであるべきです。
日本は第二次世界大戦中の不正行為を謝罪し、被害者に補償をしてきました。
今の日本人は祖先の犯罪に対して責任はありません。
韓国が被害者を慰めたいのであれば、ベトナム戦争で韓国人兵士がベトナム人女性をレイプして生まれた子供たち、『ライ・ダイハン』についてそれをするべきです。」

「第二次世界大戦中、日本軍はニュージーランド人を捕虜にしたし、東南アジアで過酷な労働をさせて多くの人を死なせた。
韓国が日本に恨みを持つのは理解できる。
しかし、だからといって、日韓の政治家が自国民をお互いに『永遠の敵』だと洗脳してはいけない。
両国は違いよりも共通点のほうが多く、お互いの文化に好感を持っている。
対立を煽るのはいつも一部の過激派だ。」
「日本はドイツと違って戦争犯罪を隠そうとし、学校でも教えていません。
一方、韓国の政治家(特に左派)は歴史を政治的利益のために利用しています。
この像は純粋な追悼ではなく政治的道具であり、人びとの日本への恨みを継続させる結果を生んでいます。」
3. 設置賛成:歴史の記憶に一定の理解を示す意見
「ニュージーランドには、祖先が慰安婦にされた中国人、韓国人、フィリピン人が多くいます。ニュージーランドで慰安婦を記念するにはふさわしい像です。」
「今では日本よりもドイツが好きになった」
騒動で分かるニュージーランドの「らしさ」
ニュージーランドは多民族国家で、中国系や韓国系の人もいるから、慰安婦像の設置を支持する意見もある。
しかし、オークランド市は「分断を招きかねない」と判断し設置を認めなかった。
つまり、反対も賛成も、「国内に多様なルーツをもつ人たちがいる」という同じ理由が根本にあるところに、ニュージーランドの“らしさ”が表れている。

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