【加害者→被害者へ】日本の“成功”を見る韓国人の複雑な心境

 

建築を通じて人類や環境に意義深い貢献をしてきた建築家を、1年に1人選んで表彰するのがプリツカー賞
米紙ニューヨーク・タイムズで「建築家にとってこの賞は、科学者や作家たちにとってのノーベル賞のようなものだ」と書かれてからは「建築界のノーベル賞」と呼ばれるようになった。

この名誉ある賞を最も多く受賞している国が日本であることを、韓国紙・朝鮮日報の報道で初めて知った。
でもそこは韓国の視点だ、手放しで褒めてくれるわけじゃねえ。

韓国科学技術院のチョ教授の意見では、1987年にプリツカー賞を受賞した建築家の丹下健三(1913-2005)氏の広島平和公園計画が、世界的に『国際主義モダニズムの力作』として受け入れられるなどして日本は成功を収めた。
ただ日本が平和主義をアピールする姿に、韓国人としては素直に拍手を送れないらしい。

朝鮮日報(2021/06/27)

日本の成功を見る韓国人の心境には複雑なものがある。「広島を平和の聖地として掲げることで、日本は侵略戦争の加害者から原爆の被害者へと姿を変えることができた」

「世界的かつ伝統的な建築」…プリツカー賞8人を生んだ日本の成功戦略

 

うん、韓国らしい見方だ。

ザハ・ハディド氏の計画で進められていた東京五輪のメインスタジアムの設計が、あまりに工事費がかかるため白紙になった。
その後、国際コンペを経て日本の美を強調する隈研吾氏が起用されると、「日本が最近になって極右化し、再び『日本主義』が復活する過程と合わさったものと思う」と表現する。
あのメインスタジアムから、こんな結論を導き出せるセンスは他の国では想像できない。

そんな視点からすると、日本が侵略戦争の加害者から、原爆の被害者へ姿を変えることに成功したように見えて納得がいかない。

個人的な感覚だと、んなことはねえ。
日本に対して世界は侵略戦争を起こした当事者であり、原爆を投下された被害者の両方と見ていて、「加害者→被害者」のイメチェンに成功したとはとても思えない。
そもそも日本はそんなことをねらっていない。
もう戦争の加害者も被害者も出さないことを願って広島の平和公園を建設したはずで、韓国の見方はまったくの的外れ。
「日本の成功戦略」とやらも実際の日本とは関係ない。

ただ広島が平和の聖地になり、国際社会が日本を被害者として見るという「成功」に対しては韓国人として不満がある。
そう感じてしまうあちらの価値観に、いまさらツッコミは無意味。
そんな見方をしていて、もし日本が東京五輪を成功させてしまったら、今度は一体どんな心境になるのか。
そのときの韓国紙の記事を楽しみにしていよう。

 

 

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1 個のコメント

  • 「もはや事実上のG8」と自称しているそうですね。
    いつまでも隣国に喧嘩を売って支持率を上げようとする政治戦略の国なんて、世界の先進国には一つもないのですけどね。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。