【日韓関係】友好のカギは「君子豹変」(有言不実行)にある

日韓関係のニュースを見ていると、政治家の言うことがコロコロ変わって不思議に思うことはないだろうか。実は、この「言ったことをやらない」ことこそが、日本と韓国が仲良くするための裏ワザだったりするんだ。

目次

「信なくば立たず」と日韓の特殊な事情

孔子の古典『論語』には、「信なくば立たず」という立派な言葉がある。
政治家は自分の言葉に責任を持ち、それを態度で示さないと民衆の信頼を得ることはできず、政治は成り立たなくなるという意味だ。
しかし、日韓関係はとても特殊だから、約束を守るとかえってうまくいかなくなる。友好のカギは「有言不実行」にある。

「君子豹変」の本当の意味

頭が良くて理性的な判断ができる人は、自分の間違いに気づいたら、すぐに考えを改めることができる。そんな立派な方向転換を「君子豹変」という。
季節が変わると、豹(ひょう)の毛がきれいに抜け替わるように、君子(立派な人間)はすぐに態度を改める。この元ネタも中国の古典だ。
もともとは良い意味の言葉だったが、最近では「態度をコロッと変えて、主張が一貫していない」というネガティブな意味で使われることが多い。

李在明大統領の「現実路線」への転換

最近、この「君子豹変」を体現していると評判なのが韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領だ。李氏のビフォーアフターは劇的に違う。
大統領になる前、李氏は日本に対し、次のような厳しい態度を見せていた。

・日本を「敵性国家」と呼び、国内の「親日派をあぶり出す」と発言。
・2015年の日韓慰安婦合意について、「言葉遊びで免罪符を与えた外交的な惨事」と痛烈に批判し、この合意は「無効」と否定した。
・元慰安婦問題に関して「一言の謝罪もしていない」と日本を批判し、「反省なしに容赦はない」と強い言葉で糾弾した。
・日本の処理水の海洋放出を「人類と自然に対する重大な犯罪」「第2の太平洋戦争と記録される」「核テロ」とボロクソ言う。

こうした言動から、李氏は国内の反日強硬派から熱狂的な支持を集めたが、いざ大統領の座に就くと、態度を一変させた。
慰安婦合意については「国家間の信頼」を強調し、維持する姿勢を見せた。さらに、処理水を「毒物」とまで表現して国民の不安をあおっていたのに、最近になって、日本産の水産物の輸入再開の意向を示したという。

韓国の全国紙『朝鮮日報」がその豹変ぶりを厳しく批判した(2026/02/15)。

その豹変ぶりにあきれ、厳しく批判したのが韓国の全国紙『朝鮮日報』だ。(2026/02/15)。

処理水を「毒物」と言っていた李在明大統領が日本産水産物の輸入を突然再開?【寄稿】

朝鮮日報は、過激な言葉で日本を批判していた李氏や韓国政府にこう訴えている。

「なぜ「毒物」を「輸入再開」するという劇的な逆転が起こったのか、説明してほしい」
「李在明政権は自己矛盾に陥っているからだ。処理水が「毒物」であるならば、李大統領は就任してすぐに日本観光を禁止すべきだった」

そして、こう皮肉った。

「日本に行く機会があれば、福島にも立ち寄って刺身の一皿でも召し上がってみてはいかがだろうか」

李大統領が急に態度を変えた理由をひとことで言うなら、「実用的な外交を実践する」になる。これまでのように「反日」的なことを言えば、日本との関係は悪化し、韓国がダメージを受けることになる。

逆説的に考えれば、野党時代の発言を大統領として「不実行」にしたことで、結果的に日韓関係の決定的な破綻を防いでいる、とも言える。

高市首相の「君子豹変」

そんな隣国の展開は日本にも当てはまる。
以前、高市首相は「竹島の日」の式典に関して、堂々と閣僚が出席するべきだと強く主張していた。しかし、実際に政権のトップとして国家運営をになう立場になると、現実的な外交配慮から閣僚の出席を見送った。

この一変ぶりに、国内の保守支持層から「約束が違う」と批判を浴びることになった。
産経新聞はコラム(産経抄)で、「日本列島を強く、豊かにすると誓った高市早苗首相に、熱量を示してほしい」と政府にチクリと言った(2026/02/22)。

しかし、もしここで「有言実行」を貫いていれば、韓国側の国民感情を刺激し、せっかく築き上げた友好ムードを冷え込ませることは確実だ。
国家の政策について、李大統領が「個人的な信念だけを一方的に強要したり貫徹したりすることは容易ではない」と日本に対する態度をコロリと変え、メディアから「説明してほしい」と要求された。
高市首相も「魚心に水心」で、大人の態度を見せる必要があると考えたのでは。

政治家にはバランス感覚が必要で、トランプ米大統領のように「初志貫徹」されても困る。最高裁が各国へかけた関税を「違法」と判断したのに、それを認めず、世界に対してさらに10%の追加関税をかけると表明した。
この場合は「手のひら返し」をしてくれると助かるのだが。

「有言不実行」がもたらす逆説的な友好

今の日韓のトップはそれまでの期待を“裏切って”、実利や現実を優先し、歴史や領土問題を棚上げにして、良好な関係を維持しようとしている。

しかし、この有言不実行は経済や安全保障など、自国の利益のために相手を利用する「用日」や「用韓」で、きっと両者の本質は変わっていない。
「君子豹変」といっても、それは毛が生え変わるだけで、豹はあいかわらずヒョウのままだ。李氏も高市氏も環境が変わったら、過去の言葉を実現したいと思っているだろう。

日韓関係はとても複雑で、さまざまな矛盾を内包している。国民に対して「信なくば立たず」を貫けば、国の関係が成り立たなくなる。
「有言不実行」が友好のキーとなっている現実は、今の両国関係をよく象徴している。

 

 

日本人にとって、韓国の“反日報道”のメリットとは?

日韓関係の難しさ 歴史・領土問題の終わらない国民バトル

右翼化? 日本の歴史教科書で、韓国側が“わい曲”と怒った内容

【独島多すぎ問題】韓国好きの日本人が不快に感じたワケ

【日韓の板挟み】日本の“独島削除”にNOと言った韓国企業

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。
また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。

コメント

コメントする

目次