【独島多すぎ問題】韓国好きの日本人が不快に感じたワケ【独島多すぎ問題】韓国好きの日本人が不快に感じたワケ

いま「パワハラ疑惑」で日本中の注目を浴びている兵庫県の斎藤知事。
知事は出張先で、玄関の20メートル手前で公用車を降りて歩かされたことに激怒し、職員をどなり散らしたという。
それについて記者会見で聞かれ、知事はこう答えた。

「円滑な動線の確保を図るべきではなかったのではないかという趣旨だった。あくまで業務上必要な指導」

知事はパワハラであることを否定するために、自分が20ｍ歩かされたことを「円滑な動線を確保できなかった」と表現した。
この知事は本当に日本語を扱うのがうまい。

ソウルの街中を歩いていると、いきなり独島と東海が視界に入ってきた。ハングルで書いてくれたら気がつかなかったのに、韓国は容赦も遠慮もない。
この「独島アカデミー」というのは、この島について専門的に学ぶところか？

「動線」というと、竹島（韓国では独島）について韓国でこんな出来事があった。
ハンギョレ新聞の記事（2024-08-17）

ソウルの地下鉄の駅から撤去された独島模型、「独島の日に再設置」

ソウル市内の地下鉄のいくつかの駅に、独島の模型（横1.8ｍ、縦1.1ｍ、高さ0.9ｍ）が設置されていが、最近になって、「地下鉄利用客の動線に支障になる」という理由で撤去された。
すると、反日強硬で知られる野党・共に民主党サイドは、来月訪韓する岸田首相のために独島オブジェが撤去された。尹（ユン）政権は体系的に独島を消そうとしていると批判し、野党の支持者もそれに同調。
結局、ソウル交通公社は謝罪したうえで、10月25日の「独島の日」に合わせてオブジェを設置することにしたという。

撤去された本当の理由は、野党が指摘したように、日韓関係を重視する尹大統領が日本を意識したためだったけど、それを「利用客の動線を確保するためで、あくまで業務上必要な措置だった」と言い換えたのかはわからない。
ソウルの地下鉄を利用する日本人は多いから、そうした人たちに配慮してオブジェを撤去した可能性はある。
ちなみに、独島のオブジェは戦争記念館にもあって撤去されたが、批判を受けて、また「復活」されるらしい。

保守派の朝鮮日報はリベラルのハンギョレ新聞とは違い、「地下鉄駅のオブジェで韓国の立場が強くなったとか弱くなったなどと言い出すこと自体が幼稚極まりない」と野党に批判的だ。
日本政府は竹島について、「歴史的事実に照らしても、かつ国際法上も明らかに日本固有の領土です」と強調するが、現実には韓国が実効支配を続けていて、日本から行くことはできない。
いまは韓国が有利な立場にあるのだから、こうやって騒がないほうがいいと思うのだけど、あちらはそうは思わないらしい。
ただ、今回の件は、野党が独島オブジェを利用して政権を攻撃しているだけだから、日本はほとんど関係ない。

竹島（独島）について「あれはわが国固有の領土だ！」と主張している点では、日韓は完全に一致している。しかし、その“熱心さ”はまったく違う。
日本で竹島は政治問題で、一般的な社会問題になっていないから、市民が普通に生活していて竹島を見ることはない。韓国で騒ぎが起きてニュースになることで、竹島を目にする日本人が多い。
一方、韓国では独島が日常生活に入り込んでいる。
以前、ソウルの地下鉄か電車に乗っていると、車両内のモニターに竹島の映像が映って驚いた。複数の地下鉄駅に独島のオブジェが設置されていたことからも、韓国では官民一体で独島をアピールしていることがわかるはずだ。
日本なら、国民感情を刺激するこういう敏感な政治問題は、一般の生活から隔離されるから、韓国人が普通に日本を旅行をしていて竹島と出会うことはない。

今年の夏に、韓国を旅行したある日本人も予想外の形でこの政治問題と出くわした。
その人が居酒屋に入って、タッチパネルで注文しようとすると、その画面には海に浮かぶ島があって、韓国語で何か書いてある。グーグルレンズで翻訳したら、「独島は韓国の領土」と出てきた。
その日本人はそこで飲む気が一瞬で失せて、別の店に行ってしまった。
そこは日本式の居酒屋だったから、市民からの親日批判を気にして、防御用に「愛国」を強調していたのかもしれない。
この人は韓国が好きで、政治問題とは距離を置いていたのに、突然巻き込まれてしまって、とっても嫌な気分になったとSNSで報告していた。
（オブジェが撤去された背景にこんなことがあったかも）

韓国では独島が常識の一部にあり、日常生活に入り込んでいる。「独島多すぎ問題」があるから、いつどこで出くわすか予想できない。韓国好きの日本人でも、不意打ちをくらうと不快になる。
かといって、市民の目から遠ざけると「独島を消そうとしている！」と猛批判を受けるから、この現状はもはやどうしようもない。