【竹島問題】韓国で日本の民間人が殺害された第一大邦丸事件

 

ゴールデンウイークに突入だ!
…という気分をなくすことを、韓国の野党議員がしやがります。

中央日報の記事(2023.05.03)

韓国野党議員の独島訪問に日本「到底受け入れられず極めて遺憾」

「歴史的事実に照らしても、かつ、国際法上も明らかにわが国固有の領土である」と日韓が主張する竹島(独島)に、韓国の議員が仲間と上陸して、

「韓国の領土である独島の上で新たな誓いをした」
「日本の主権侵奪に対抗して韓国固有領土の独島を命を賭けて守りたい」

などと強調し、「絶対負けない」と日本に敵意を燃やす。
対して日本は韓国へこう伝える。

「我が国による事前の抗議・中止の申し入れにもかかわらず強行された上陸は、竹島がとに鑑み、到底受け入れることはできず、極めて遺憾」

竹島をめぐる日韓のこうしたイザコザはもういつものことだから、一般の日本人にとっては政府の「遺憾砲」よりも、ゴールデンウイーク後半の天気のほうが気になるのでは?
韓国にとっても日本の「到底受け入れることはできない!」は言われ慣れていて、むしろ無反応だと不安になるかも。
韓国側としては日本政府の抗議よりも、こうした自国の出来事によって、日本人に「この世の地獄」と言わせた事件がよみがえってくることのほうがきっと嫌がる。

 

韓国の海洋警察隊に捕らえられた日本人

 

1953年の1月22日、福岡を出航した「第一大邦丸」と「第二大邦丸」が海上で魚を獲っていると、韓国の漁船が近づいてきて、その中にいた兵士が自動小銃でいきなり銃撃を始めた。
2つの漁船は捕まって韓国へ連行され、船内にあった価値のありそうな物は警察に略奪される。

深刻なのは、銃撃をうけて意識不明となった乗組員の瀬戸重次郎だ。
船員が瀬戸の手当てを頼んでも、韓国の医者は拒否。
韓国側に病院への入院を頼んでも断られ、それでも頼み続けると、ようやく軍病院への入院の許可されて「車はすぐ来る」と言われた。
その返事に安堵した船員は、病院への搬送中に瀬戸が死なないよう、医者にリンゲルの注射を打ってもらうことをお願いしたが断られる。
私物を売って金を払うと船員が約束すると、ようやく医者は注射を打ってくれが、約束の車は現れず、放置された瀬戸はそのまま死亡した。

このあと船員たちおそろしく狭いスペースに監禁され、食べ物はまったく与えられなかったから、船内にあった食料で何とか食いつなぐ。
この収容所にいた船員が「“この世の地獄” 日一日と弱る体力」という手紙を日本へ送り、それがメディアで紹介されて国民も韓国で起きたことを知るようになる。

この2つの漁船が「李承晩ライン」に侵犯したという韓国側の指摘に、日本側は、そのラインは韓国が一方的に決めたもので国際法上認められていないと反論した。
ある日勝手に線を引いて「ここから内側はオレたちの領土だ!」と宣言しても、日本はとても認められないし、そんな行為が許されたら世界はカオスになる。
この李承晩ラインの内側に竹島があったから、いま韓国側はそこを自国の領土と主張していて、日本は李承晩ライン自体が国際法に違反しているから、韓国は竹島を不法占拠していると非難する。
当時、日本はGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の占領下にあって、国家としての主権がなかったから、李承晩ラインの設置に対してしっかり対応することができなかった。

 

その李承晩ラインに日本の漁船が入ったとする韓国警察は、ウソの内容の調書をハングル文字で作成して船員に捺印させる。
でも、あまりにいい加減な調書だったからすぐバレた。

海図を出して調べるときには丁字定規一本とたばこ及びマッチを以て測るという具合に適当に作成された調書の矛盾より公海上の事件であった事がわかり、

第一大邦丸事件

 

最後はアメリカが動いて李承晩大統領にはたらきかけると、大統領は遺憾の意を表明し、釈放された船員たちは「この世の地獄」から日本へ戻ってくることができた。
この第一大邦丸事件は「One of them」で、死んだり虐待を受けた日本人はほかにたくさんいる。
韓国軍による日本人漁民殺害と日本漁船拿捕

プレジデントオンラインの記事にもくわしい内容が書いてある。(2017/09/30)

死者は8人”竹島”を狙った韓国の漁船狩り

 

公海上にい日本の漁船に、韓国軍が無警告で銃撃して民間人を殺害した。
船員を韓国へ連行した後、食べ物を与えなかったり、殴る蹴るの暴行をくわえた。

いまのほとんどの日本人は、竹島をめぐる問題で政府が韓国に「遺憾の意」を表明しても、そのニュースのタイトルを見て終わりだろう。
でも、戦後の日本人に起きたこの事件はとても重いし心に残る。
近く韓国を訪問する岸田首相に、こう注文をつけた韓国にはブーメランだ。

ハンギョレ新聞の社説(2023-05-03)

岸田首相の訪韓、過去に背を向けては未来に進めない

韓国発の竹島に関するニュースがあると、日本のネットで「第一大邦丸事件」のことを書き込む人をたまに見かける。
実はボクもそれで初めて知ったし、野党議員が上陸した今回の一件にもそんなコメントがあった。
「日本は加害国で韓国は被害国」という設定をしている韓国にとって、それをひっくり返される事実が日本で拡散されるのはきっと困る。
でも、「歴史を忘れた民族には未来はない」と韓国は日本に言うし、竹島問題に直接つながる「第一大邦丸事件」を日本人の記憶から無くすわけにはいかない。
韓国で誰かが竹島へ上陸すると、日本では誰かがこれを書き込むだろうから風化防止には役立つ。

あの悲劇からトキは流れた。
たくさんの国民が気軽に相手の国へ旅行に出かけるいまの日韓関係は、国交すらなかった50年代とは別もので、竹島をめぐって政府の間で抗議や遺憾砲が飛びかっても、「この世の地獄」を体験する人はもういない。
「過去に背を向けては未来に進めない」という指摘は正しい。
竹島問題の円満解決は無理だとしても、日韓の首脳がコミュニケーションを取り合って、死者や負傷者が出る未来だけは防がないといけない。

 

 

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4 件のコメント

  • 独島に対する、客観的判断資料を通じた領有権は日本にある可能性が高いと思います。
    ですから、韓国で固執する無条件の独島の領有権主張は行き過ぎだと思います。
    しかし作られた歴史を無視することはできませんので、韓国が独断的に占拠した事実も歴史の一事件と見るべきだと思います。独島を媒介に韓日がもっと近い友達になりたいです。
    今のような極限の感情対立は望ましくありません。

  • >独島に対する、客観的判断資料を通じた領有権は日本にある可能性が高いと思います
    こんなことを韓国で言ったら、総攻撃をくらうでしょうね。
    領土問題は世界中にあります。お互いなるべく挑発的な言動をしないで対立をあおらないことが大事です。
    政府や教科書の記述は仕方ないですが、議員が上陸するのは控えるべきです。

  • 韓国では、客観的な資料によりますと「独島は日本の領土である可能性が高い」と言うと、ものすごい非難に直面することになります。売国奴になることで、土着倭寇になります。 (笑)
    しかし良心的に、客観的な資料によると独島は日本の領土である可能性が高いです。 悔しくても仕方がありません。ただ、イ·スンマン大統領が強制的ではありますが作っておいた歴史ですので、韓日間の円満な解決策を模索することが望ましいです。

  • >韓日間の円満な解決策を模索することが望ましいです。
    たしか日韓の協議で「未解決をもって解決とする」という結論が出たと思います。
    「竹島の領有権は絶対にどっちも譲ることができない」という状況は動かせないから、それで“解決”と見なして、もう日韓の悪感情が広がらないように努力する。
    そんな内容だったと思います。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。