敬遠される「お通し」
日本人の間で昔から賛否が分かれるのが「お通し」だ。
AIで調べてみると、過去におこなわれたアンケート調査では、お通しを「不要(嫌い)」と感じている日本人は約7割もいるから、「賛否が分かれる」というのは正解ではない。
一部に擁護派もいるが、全体として「お通し」は敬遠されているのが現状だ。
その理由としては「勝手に出されて料金を請求されるのがイヤ」という声が多く、「自分の嫌いな食材やアレルギーで食べられないものが出てくることもある」「値段と質が見合っていない」という意見もあった。
個人的にも、小皿に盛られた冷凍枝豆で500円を請求されたときは、このシステムを呪った。
韓国人はお通しをどう思う?
日本人でさえ拒否感が強いのだから、外国人からの評判はなおさらだ。
最近、韓国のインターネット掲示板に「日本の『お通し』に拒否感がある人」という投稿があり、大きな反響を呼んだ。
何度も日本を旅行しているというその投稿者は、お通しについてこんな私見を披露した。
「500円以下で大した金額ではないし、一種のテーブルチャージだと考えればいいのだろう。でも、お通しは断れないし、日本の文化だから仕方がないと思っても、やはり抵抗を感じる」
この投稿に対して、「ふだん韓国に来る外国人には『韓国のルールに従え』と言ってるだろ」や、「『料理付きの席代』と考えれば、むしろラッキーでは?」といった、お通しに好意的な意見もあった。
しかし、そんな擁護派は少なく、寄せられたコメントの多くは「あれには違和感を覚えた」「せめて選ばせてほしい」と否定的なものだった。
コメントを見ていると、日本人の意見とあまり変わらない気がする。
評価は「料理しだい」
静岡県の企業で働いていたある韓国人男性は、お通しについて「支持」と「反対」の間を揺れ動いていた。
お通しのシステム自体は問題なく、「出された料理しだい」というのが彼の考え方だ。美味しければ満足するし、マズければ納得がいかないと感じるという。
ちなみに、彼のお気に入りのお通しはキャベツだった。
韓国のものに比べて日本のキャベツは「シャキシャキ感」があって美味しく、ビールにもよく合うと絶賛していた。
韓国人が日本で出会った“最悪”の韓国料理店
あるとき、そんな日本文化に理解があって、おおらかな性格の彼と話をしていると、「自分史上、あれは最悪のレストランでした」と吐き捨てるように言った。
しかし、理由を聞くと納得するしかない。
彼が大阪を旅行したとき、日本で評判の良い韓国料理店を訪れた。
全体的に料理の値段は高かったが、日本の繁華街という立地を考えれば納得できるし、味もたぶん美味しかった。
しかし、彼は「もう二度と行かない」とキッパリ言い切った。
その理由は二つある。
韓国料理店なのになぜ日本文化の「お通し」が?
一つは、韓国料理店でありながら日本独自の「お通し」システムを採用し、勝手に料理を出して料金を請求してきたこと。
「郷に入っては郷に従え」の理論は分かるけれど、韓国料理店を名乗るなら韓国の文化や習慣を尊重するべきだという彼の主張は間違っていない。
逆に、日本人が韓国の日本料理店で「お通し」を出されたら、違和感をもつのでは?
バンチャンが有料!
もう一つの理由は、こちらのほうが決定的だったが、「バンチャン」が有料だったことだ。
韓国の食文化には「バンチャン」というお得なシステムがあり、飲食店では主食と一緒に食べる小皿のおかずを無料で食べることができるのだ。
それなのに、その店ではバンチャンが有料で、キムチやナムルでさえ料金を請求していた。
彼の韓国人としてのDNAからすれば、キムチでお金を取ることは「違法行為」に等しい。
「本場」を強くアピールしておきながら、お通しとバンチャンの有料化という日本の「悪しき商習慣」をちゃっかり採用している。そんな店の姿勢に彼は怒りをおぼえ、せっかくの料理の味が吹き飛んでしまったという。
彼は3年近く日本に住んでいて、これほど不愉快になった韓国料理店はほかになかったという。
この一件のせいで、その後は自分から進んで韓国料理店へ行くことがなくなったほどだ。
でも「韓国らしい」と思った理由
しかし、怒りが収まって冷静に考えてみると、あの店は「これ以上ないほど韓国的だった」と思うようになったという。
利益を最優先に考え、自分にとって都合のいいシステムを積極的に採用するその精神は、ある意味でとっても韓国人らしい。
本場韓国の味と日本の商習慣がハイブリッド(融合)したあの店は、彼にとって忘れられない思い出のひとつになった。

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