【日韓の板挟み】日本の“独島削除”にNOと言った韓国企業

 

日本と韓国には竹島(韓国名:独島)という、起爆力の高い地雷がある。
日本では、あえてこれに触れると爆発してケガ(炎上)をするけれど、韓国では感度が高すぎて、“触らないと”爆撃することがある。
たとえば今年、こんなことがあった。
韓国のボーイズグループが日本でコンサートツアーを行うことが決まり、その日程を発表したが、その地図には「独島」がなかった。そんな日本への配慮が韓国民を怒らせた。

【韓国人の愛国心】“触らないと”爆発する独島という地雷

かといって、地図に独島を入れたら日本で炎上することは必至。せっかくのツアーが大爆死する未来しか見えない。入れても外しても、結局は叩かれてしまう。中立的な立場から「友情島」にしたら、きっと両方から非難される。
日本と韓国でビジネスをする人や企業が、こういう板挟みになって苦しむことは多い。
こうしたとき、どちらかをキッパリ捨てたらどうなるのか?

 

最近の日本のコンビニやドラッグストアでは、パッケージにハングルの書かれた商品がよく置いてある。韓国のスーパーで日本語の商品はどうなんだろう?

 

究極の選択の場面で、一つを完全に捨てることで大きな成功を収めるーー。

そんな決死の覚悟を韓国語で、「生きようとすれば必ず死に、死ぬ気になれば必ず生き残る」という意味で「必死即生」という。
韓国の歴史では16世紀の朝鮮出兵の際、国民的英雄である李舜臣が「必死即生」という言葉を使って、日本軍と戦う決意を表した。「必死即生」と聞けば、自然と李舜臣が思い浮かぶほど、韓国ではよく知られていると思う。
韓国のドラマやメディアの報道でも、たまにこの言葉が出てくる。

日本では戦国時代に上杉謙信が「生を必ずする者は死に、死を必ずする者は生きる」(死を覚悟した者が生き残る)と同じようなことを言った。しかし、現代の日本でこの言葉はあまり有名ではなく、「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」というフレーズが知られている。

 

数ヶ月前、韓国で「必死即生」を体現するような菓子メーカーがあって、全国紙・朝鮮日報の記事に取り上げられた。(2024/08/20)

「パッケージの独島の絵を消して」 日本企業の要求を理由に受注断った韓国メーカーに注文殺到

韓国の菓子メーカー「オルバルム」が経営難になって、会社が傾きかけた時、ある日本企業がその会社の年間売り上げの15%に相当する契約を提案してきた。
しかし、それには条件がある。菓子のパッケージに独島のイラストと、「独島は韓国の土地」という言葉があったため、日本企業としては、それをそのまま日本で販売することはできない。だから、日本へ輸出する商品からは、それを削除してほしいと日本の企業が要求する。

日本企業にとっては当然のことだが、オルバルムの社長はそれを受け入れなかった。社長にとってパッケージの独島は「プライドの問題」であり、「目の前の利益のために国の誇りを捨てることができなかった」という。オルバルムが独島を選んだ結果、日本で販売する話は無くなり、15%の利益も消えた。
しかし、韓国民が愛国者を見捨てるはずがない。
この話が韓国のネットで拡散されると、オルバルムの商品には「独島米菓子」というキャッチコピーが付けられ、爆発的な注文につながり、生産が追いつかない状態になったという。
ちなみに、この商品は香港や台湾などには竹島のイラストが描かれたまま輸出されている。

 

あのボーイズグループも日本市場をキッパリとあきらめれば、同じような「愛国爆上げ効果」が期待できる。でも、それはすぐに過ぎ去るから、「必死即生」の決断なんてできないわけがない。
KーPOPにとって、日本人は最大のお客様だ。
アルバムの輸出額を見ると、2023年の1月から10月の合計は約2億4381万ドルで、これはK-POP史上最高額となった。国別の内訳を見ると、日本が1位で約1億571万ドル、2位はアメリカで5432万ドルとなっている。
日本は2位の約3倍で、K-POPに世界で最も多くの金を払う国なのだ。日本人に受け入れられなかったら、成功することはほぼ無理ゲー。絶対にこの市場を無視することはできないから、地図上から独島を消すしかなかった。

『全世界の旭日旗退治キャンペーン』をしている韓国の造園学者、徐 坰徳(ソ・ギョンドク)の立ち位置はオルバルムと同じで、日本を完全に“捨てて”、国内向けにパフォーマンスをしている。ただ、この人の反日活動は過激なので、韓国人から批判を受けることも多い。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。