では、今回はクイズから始めようと思う。
次の機内地図は、どこの国の航空会社のものでしょう?
韓国は「日本海の正しい呼び方は“東海”だ」と主張し、日本は「竹島(韓国名:独島)は日本固有の領土なのに韓国が不法占拠している」と非難している。
この呼称問題と領有権問題は日韓の地雷だから、触れたら爆発し、無傷ではいられない。
機内地図で堂々と日本海を「EAST SEA」、竹島を「Dokdo(独島)」と表記する航空会社は世界で韓国にしかあり得ない。これは10年ほど前、大韓航空かアシアナ航空の飛行機に乗ったときに見た地図で、さっそく「アウェーの洗礼」を浴びた気分になった。
JALやANAに乗ったときは機内地図に「Takeshima」なんてなかったし、日本の航空会社は国籍に関係なく、すべてのお客様への配慮を最優先するから、そんな表記のある機内地図を設置するとは考えられない。
もちろん、韓国の航空会社も外国人の客への配慮はする。しかし、自国の国民感情がそれより優先されるため、「EAST SEA」や「Dokdo」の表記が必要になる。こうしないと、韓国の過激な愛国者から「親日(売国)航空」とたたかれ、国内で炎上する可能性がある。だから、航空会社に政治的アピールをする意思なんて1ミリもなくても、一種の“厄災よけ”としてこのような機内地図にしていると思われる。
去年、そんなことが分かる事例があった。
中央日報の記事(2023.10.04)
日本ツアーの広報に「独島」を外したアイドル…徐坰徳教授の一針「口実を与えるようなこと」
3人の日本人メンバーがいて、日本でもデビューを果たした韓国のボーイズグループが2024年に日本でコンサートツアーを行うことになった。が、その出だしでつまづいた。ツアーの日程を紹介する地図に「独島」がなかったのだ。
それが発覚すると、韓国では批判の声が上がり、全国紙が取り上げる事態となる。この地図に対して、日本のウィキペディアには、「韓国の造園学者、反日・反中民族主義活動家」という嫌な肩書を付けられている徐坰徳(ソ・ギョンドク)さんは、
「日本の領有権主張に口実を与えるようなことだ」
「地図には隠岐諸島も描かれていたが、隠岐諸島はそれこそ独島侵奪の前兆基地と言っても過言ではない」
「独島を当然表記すべきだった」
とお怒りモード。
造園学者のソ・ギョンドクさんはこんなことが二度と起きないように、格別の注意を払うべきだと提言したが、事務所側からの反応はなし。
何を言っても、日韓のどちらかで炎上することは必至だから、できるだけダメージの少ない選択をするしかない。その最善は沈黙だ。
もし、韓国の航空会社が機内地図から「EAST SEA」や「Dokdo」を外せば、きっと同じように「日本の領有権主張に口実を与える」と袋叩きにされる。
いま世界的に日本旅行の人気が爆発していて、今年1月から10月までの訪日外国人は3000万人を突破した。これは1964年に統計を取り始めてから、最速の記録らしい。
その中心にいるのが韓国人観光客で、720万人と国別では最多となった。
ちなみに、2位が中国人(583万人)、台湾人(506万人)と続く。
それで中央日報がこんな記事を掲載する。(11/21)
誰も彼もみんな行く…韓国人720万人も訪れた旅行先は日本
最近の韓国人の大好物は日本旅行。年齢や制限に関係なく、休みがあれば誰もが出かけている状況だ。ここまでではないが、日本でも韓国旅行は人気がある。
日本を体験すると、日本のファンになって帰国する韓国人は多いらしい。
それでも、竹島(独島)や日本海は日韓の地雷であることは変わらず、これに触れたら爆発必至。カンボジアで亡くなった写真家の一ノ瀬泰造のように「地雷を踏んだらサヨウナラ」となる。
ただし、その危険性は日韓で平等ではない。
この領土問題に対して、日本人は韓国人ほど熱心ではないから、日系の航空会社の機内地図やアイドルグループのツアー地図に「竹島」がなくても、サンドバッグになることはない。日本ではあえて触らなければ、問題は発生しないと思うが、韓国はそうではない。
独島に触れないと「愛国心が足りない」、「親日(裏切り者)的だ」と見なされ、起爆スイッチが入ってしまう。韓国を見ていると、日本に関わる人がよくこれで苦しい思いをしている。一方、日本では竹島問題への国民の関心が低くて政府が悩んでいる。
日韓は本当に対照的だ。
コメントを残す