これから登場する国は、東アフリカにある国のルワンダ。
日本とのつながりを調べたら、スターバックスのウェブサイトによると、アフリカは「世界で最も個性豊かなコーヒーの生産地」で、スタバで取り扱っているコーヒーに、エチオピア産(コーヒー発祥の地と言われる)のほかにルワンダ産があった。
日本のスタバで飲むコーヒーにも、ルワンダ産のものがあるかも。
さて、ルワンダとはこんな国だ。
面積:2.63万平方キロメートル(四国のおよそ1.5倍)
人口:1,378万人
首都:キガリ
民族:フツ、ツチ、トゥワ
言語:ルワンダ語、英語、フランス語、スワヒリ語
宗教:キリスト教、イスラム教
1890年にドイツの保護領となって、第一次世界大戦中の1916年にベルギー軍に占領された後、1922年からベルギーによる支配が始まった。1962年にベルギーから独立し、今にいたる。
ソース:外務省HP「ルワンダ共和国(Republic of Rwanda)基礎データ」
最近、日本の大学で学んでいるルワンダ人(30代・男性)と話をしたので、今回はルワンダと日本の違いをお伝えしよう。
ーー日本に住んでもう3年。日本で知って気に入った文化や考え方って何かある?
食事をするときに、みんながそろうまで待って、一緒に「いただきます」と言って食べること。食材を育ててくれた人や料理を作ってくれた人、目に見えないすべての人を思い浮かべて感謝することが、日本の文化では重要視されているという話は印象的だったね。
ーーまぁ、毎回そこまで考える人がいたら、ボクなら丁寧すぎてちょっと引くけど。
それに、「いただきます」の考え方は日本に古くからあったと思うけど、習慣になったのはわりと新しくて、戦前の軍国主義の影響と言われている。だから、日本の伝統文化と言えるかはちょっと微妙。(いただきます)
ルワンダの人たちも食事をする前に何か言う習慣はある?
何も言わずに食事をすることが多い。何かを言うとしたら、それは信じる宗教によって違う。私はキリスト教徒だから、家族と食事をする前にみんなで「食事を恵んでくれてありがとうございます」と神に感謝を捧げることはある。
イスラム教徒ならアッラーに感謝して食べるんだろうね。
ーーキリスト教徒は神に感謝を捧げ、日本人は人に感謝するところに文化の違いが表れている気がする。日本人は生活で神の目は意識しないけど、世間の目や世間体は気にする。「世間」って英語だとよく「society(社会)」と訳されるけど、ニュアンスが違うと思う。
ーーインドでは食事をするとき、伝統的に手を使って食べていて、今でもそうしている人が多い。ルワンダでも手を使って食べることがある?
それはない。植民地になる前は手で食べていたけど、その時代に食事が西洋化されたから、今ではスプーンとフォークを使って食べるよ。イスラム教徒は今でも手で食べる。中国人なら箸だね。
ーー日本で気に入った食べ物は?
ラーメンだね。
ルワンダ料理の調味料は塩がほとんどだから、ラーメンは私の舌に合った。
あとはスシ。ルワンダでは肉を生で食べることがなかったから、最初はスシが怖かったけど、食べてみたら想像以上においしかった。しょう油が良かったと思う。
ーーしょう油もしょっぱいからね。塩系の味はルワンダ人に合いそうだ。
ルワンダにラーメンはないと思うけど、麺料理はある?
あるよ。
ヨーロッパの国に植民地にされた影響で、昔からスパゲッティをよく食べている。最近では、中国料理店も増えているから、中国の麺料理もある。
ーールワンダでは白米を食べるの?
アメリカ人、イギリス人、ドイツ人に聞いた話では、欧米ではパエリアやジャンバラヤみたいに、お米に調味料や香辛料を加えて調理することが一般的だから、日本人のように白米を食べることはないらしい。
日本人はお米の味を楽しみたいから、サフランライスのように味や色を付けることは少ない。
ルワンダでも白いご飯を食べる。でも、キャッサバ(イモ)やトウモロコシの粉をお湯で練って作るウガリをよく食べる。お米のように、ウガリ自体の味は薄いから、肉や野菜のおかずと一緒に食べるんだ。それにヨーロッパ人が持っていたジャガイモも、今でも一般的な食材になっている。
ーーなるほど、ルワンダ人はキガリでウガリを食べると。
日本にウガリはないね。スーパーでは売ってないし、ウガリを提供しているレストランなんて超激レアだ。
日本に住んでいたタンザニア人がすごく恋しいと言ってたし、ウガリはアフリカ人のソウルフードと言っていいと思う。
*キャッサバは熱帯地方の食べ物だから、日本人にはなじみがない。でも、タピオカの原料になっているから、実は気づかないうちに食べている。
本日のまとめ
ルワンダの社会は想像以上に、ヨーロッパ文化の影響が強かった。
話を聞いた彼はキリスト教徒で毎週日曜日に教会に通っていて、食事ではスプーンとフォークを使って食べている。ベルギーに長く支配されていて、フランス語を話す人も多いし、ルワンダは日本よりもヨーロッパの要素は濃厚な気がする。
日本は一度も異民族の支配を受けたことがない稀有な国で、食文化や信仰なども昔から変わっていない。伝統文化の積み重ねが基礎となっていて、表面的に西洋文化があるのが日本という国の特徴だ。
> インドでは食事をするとき、伝統的に手を使って食べていて、今でもそうしている人が多い。
> (ルワンダは)植民地になる前は手で食べていたけど、その時代に食事が西洋化されたから、今ではスプーンとフォークを使って食べるよ。イスラム教徒は今でも手で食べる。中国人なら箸だね。
イスラム教徒が素手を使って食事をするのは、左手が「不浄の手」であるとされているからです。そのことは世界中の(ナイフやフォークを使わない)イスラム教徒で同じだと思います。
ところで、インドにはイスラム教徒以外の人も多いと思いますが、彼らはイスラム教徒でなくても右手だけを使うのですか? それとも両手を使うのでしょうか?
と言うのも、中国人(及び日本人・韓国人)が箸を使って食事をするのはその通りなのですが、私はその例外を目にしたことがあるからです。シンガポールで中国人達が、私と、マレー系イスラム教徒達と一緒に地元レストランへカレーを食べに行った時の話です。イスラム教徒達は当然、右手だけを使って食べるのですが、中国人達は、なんと両手を使ってカレーを食べているのでした。でも、カレーって別にシンガポールやマレーの食べ物という訳じゃなく、インドの食べ物ですよね。なのにどうしてわざわざ中国人がイスラム教徒の真似をするのか? しかも両手で、カレーを食べる時に限ってですよ。
ちなみに私は抵抗感があってどうしても素手で食べることができず、レストランに頼んでスプーンとフォークを貸してもらいました。
もう20年以上前の話なので、今では現地の事情も違っているかもしれません。
>インドにはイスラム教徒以外の人も多いと思いますが、彼らはイスラム教徒でなくても右手だけを使うのですか? それとも両手を使うのでしょうか?
一般的には右手を使いますね。無意識に左手でお金を渡そうとしたら、拒否されたことがあります。