アメリカ人が”英語”で感じた、日本人と韓国人の性格の違い

 

韓国の全国紙・朝鮮日報がなんか誇らしげ。(2022/08/27)

「韓国人は英語が上手なのに、なぜ日本人は伸びないのか」…日本メディアの嘆き

元ネタはニューズウィーク日本版のこの記事だ。(8/23)

日本のTOEFL iBT平均スコアは73……韓国・中国より10以上も低い理由

2020年の TOEFL iBT のスコアを見ると世界平均は87で、韓国86、中国87に対して、日本は73と10以上も低かった。
この結果について、英語教育には30年以上のキャリアのある船津徹氏がニューズウィークの記事で、日本・韓国・中国人の性格の違いについてこう指摘。

中国人や韓国人などに比べて日本人は控えめな人が多く、間違いを恐れず積極的に英語を話したり、活発な議論を通して英語力を身につけるというメソッドは合わないと感じています。

 

いまの日本の英語教育は「コミュニケーション」に重点が置かれすぎている。
でも、控えめな人の多い日本人の特性を考えると、この戦略は適してなくて、読解や文法などそれ以外の技能の向上につながらない恐れがあるという。
もちろん、英会話能力を向上させることは大事だ。
でも、TOEFL iBT のスコアを上げるには、自分の好きな分野のウェブサイトや英語ブログなどをたくさん読む「英語多読」が日本人には合っていると船氏は強調する。
この記事のメインは日本人にとって効率的な英語学習のやり方を提案をすることで、参考として韓国の英語教育に触れているだけ。
1997年から改革に着手した韓国は、英語教育の目標を高く設定したことがうまくいって、「英語が得意な国」に生まれ変わったという。

ただこの記事には、「韓国人は英語が上手なのに、なぜ日本人は伸びないのか」なんて言葉は無い。これは韓国メディアがつくった文章だ。
「日本メディアの嘆き」というのも韓国独特の視点で、この記事は、こうすれば日本人の英語力がアップするという希望を説いている。

 

韓国の仏像

 

まえは日本の小中学校で、いまは韓国に移住してソウルの小学校で英語を教えているアメリカ人の知人がいる。
日韓で子どもから大人まで英語を教えた経験から、彼女は英語学習を通して日本人と韓国人の性格の違いをよく感じるという。
ただ彼女は浜松市に住んでいたから、地方都市と首都を比較するのフェアではない。
けど、そのアメリカ人にはその比較しかできないから、その点は理解してくれ。

韓国人に比べると日本人は控えめで、間違いを恐れて消極的という印象は彼女も感じた。
日本では人口の95%以上が日本人という同質性の高い国で、いろんな人種・宗教がごちゃ混ぜになっているアメリカとは社会構成がまったく違う。
アメリカではいろんなバックグラウンドを持つ人に、誤解を与えないよう正確に伝える技術がとても大事だから、アメリカ人は自分の意思や気持ちをハッキリ伝えるようになったと彼女は考えている。
そんな移民大国に対して、島国の日本では歴史的に、外部から人が流入してくることはほとんどなかった。
ずっと同じ場所に住む日本人同士なら、価値観や考え方が近いから、言葉にしなくてもちょっとした表情や仕草で相手に意思を伝えることができる。
だから日本では「以心伝心」が成立するし、「空気を読む能力」が重視される。
アメリカ人には基本的に「以心伝心」の発想は無く、言葉にしてくれないと何を思っているのかわからない。
「言わないことで伝える」というのが日本人で、アメリカ人とは違うと彼女は話す。
韓国も日本と同じで、国民の95%以上が韓国人で占められている同一性の高い国。
だから、日本人と同じような「以心伝心」的な国民性があるかと思ったらまったく違って、韓国人は思っていることをストレートに言葉で表現する。
そのアメリカ人からすると、これは日本人と韓国人の性格の最大の違いで本当に驚いた。
英語を教えていると、よくそれを実感する。
日本人に比べて韓国人は全体的によく質問するし、文法や単語の間違いを気にせず英語で話しかける人が多い。
だから彼女の目に日本人は消極的で、韓国人は自信があるように映る。

ただ、日韓では社会が求める理想的な人間像が違う。
日本では相手の気持ちをよく考えて理解する能力が大事にされているから、謙虚な態度と積極性に単純に上下優劣をつけることはできない。
でも、英会話だけについて考えると、韓国人にはとにかく話をしようとする“熱”があるから、伸びる要素を持っていると彼女は思う。

「郷に入っては郷に従う」で、日本に住んでいた知人の韓国人もこのへんの違いを感じて、日本にいると性格や表現が穏やかになったと言う。
韓国人のストレートな言い方は日本人には合わない。
もちろん韓国へ行けば世界は逆転する。

そのアメリカ人からすると韓国では、「この人は本当は何を考えているのだろう?」と推測する必要はほとんど無くて、アメリカ人の性格と似ているからその点では付き合いやすい。
世界的に見て日韓はとても同質性の高い国なのに、国民性はまったく違うということが彼女にとってはミステリー。
彼氏の韓国人に意見と求めると、「考えたことがないからよく分からないけど、思っていることを口にしないと、気分が悪くなるからでは?精神の病気になりそう」と笑う。

ということで、以上が日本人と韓国人を知るアメリカ人の見方。
これとは別で、「英語が上手な韓国人を見て、日本人が嘆いている」といった設定を好きなところにも、日本人と韓国人の性格の違いがあらわれている。

 

 

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2 件のコメント

  • イザベラ・バードさんの本にも明治初期の日本と当時の朝鮮の 英語力の違い、みたいな記述があったような気がします。
    双方「英語教育」が始まる以前の耳で聞いて真似をする、と言う能力に大きな開きがあったみたいで、文化や国民性だけではなく、もっと物理的なレベルで日本人にとっての障壁があるのかも、と思いました。

  • そうですね。
    ちょっと話は違いますが、コオロギなどの虫の声を聴く感覚が日本人と外国人では違うと言います。
    聴覚的な理由もあるかもです。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。