きのう6月24日は「UFO記念日(空飛ぶ円盤記念日)」だった。
1947年6月24日、アメリカの実業家アーノルドが飛行機に乗っていたとき、高速で急降下、急上昇をおこなう不思議な飛行物体を発見し、彼はこれを「空飛ぶ円盤(flying saucer)」と呼ぶ。
これが全米で報道されると同じ物体を見たという証言が相次ぎ、しまいにはアメリカ空軍が「UFO(Unidentified Flying Object:未確認飛行物体)」と名づけて本格的な調査を始めた。
これがアメリカ初のUFO目撃情報だったことから、1947年6月24日は「UFO記念日」になり、この日は世界中のUFOマニアが空を見上げるのがお約束らしい。
ということで今回は、外国人目線での日本のUFOっぽい話を2つしよう。
数か月前、トリニダード・トバゴ人(カリブ海に浮かぶ島国)からこんなメールをもらった。
「Do you know of this story? The Mystery of Utsuro-Bune? I am presently reading up on it and I find it quite interesting.」
ウツロブネのミステリー?
ワタクシめ日本に生まれ育って45年以上の月日を過ごしてきたけれど、このときまで「虚舟(うつろ舟)」というものを知りませんでした。
1844年に描かれた「うつろ舟」
江戸から明治時代にかけて、1803年には常陸国、1796年には加賀国、1681年尾張国、1883年(明治16年)には神戸沖でうつろ舟が見つかったという記録がある。
でもこれが何だかわからない。
民族学者の柳田 國男は「神の乗り物」で潜水艇のようなものではないかと考え、同じく民族学者の折口 信夫の見解はこうだ。
折口信夫は、うつぼ舟は、他界から来た神がこの世の姿になるまでの間入っている必要があるため「いれもの」のような形になっていると説いている。
うつろ舟については日本より海外の方が関心を持っている人が多いらしく、日本語版に比べて、英語版ウィキペディアの方にくわしい説明が載っている。
外国人向けに書かれた英語版ではオカルト要素を強調していて例えば、
certain ufologists have claimed that the story represents evidence for a close encounter with extraterrestrial life.
この話は地球外生命体との親密な出会いの証拠を示していると主張するUFO研究家もいる、という日本語版ウィキペディアにはない文がある。
うつろ舟について、海外ではこういう理解の仕方をする人が多いのだろう。
うつろ舟に乗っていた女性が持っている不気味な箱や彼女の外見や奇妙な服を、UFO支持者は地球外生物との出会いの証拠と指摘する、という下の文章も日本語版ウィキペディアには一切ない。
UFO proponents further point to the ominous box held by the woman as well as her physical appearance and unusual dress as evidence of an extraterrestrial encounter.
1825年に描かれたうつろ舟と謎の女性
うつろ舟について日本では一般的に「民族伝承」と理解されているけど、海外ではUFO研究家が興味津々のようだ。
そして海外では「竹取物語」を「UFO話」と受け止める人も多い。
これも英語版ウィキペディアにある説明で、日本語版にはかけらもない。
an extraterrestrial being raised by a human on Earth, and her being taken back to the Moon by her real extraterrestrial family. A manuscript illustration also depicts a round flying machine that resembles a flying saucer.
extraterrestrial beingは「地球外生命体(生物)」で、flying saucerは「空飛ぶ円盤(UFO)」のこと。
地球の人間によって地球外生命体(かぐや姫)が育てられて、月にいる本当の家族の元へ帰っていく。
宇宙人が人間に娘をたくしたのが竹取物語だった、という見方が海外では特定の個人レベル以上であるのだ。
原稿に描かれた空飛ぶ丸い機械というのはきっとこれだろう。
竹取物語には、かぐや姫が月から地球に安全に送られるといったSF的要素がいくつもあるから、海外ではproto-science fictionという位置づけをされている。
これも日本ではあまりない視点で、個人ブログならそういう見方もあるけど、ウィキペディアのような一般的なレベルでは記述の対象にはならない。
海外にはUFO好きがどれだけ多いのやら。
こちらもどうぞ。
UFOと言えば、私にとっては、SFドラマ「謎の円盤UFO」(英国、ジュリー&シルヴィア・アンダーソン制作)なんですが。1970年に作られたとはとても思えないレベルの、21世紀の社会を彷彿とさせるスタイリッシュな人々の生活と、(なぜかこれだけは原始的な)UFOとの戦いを描いた、かっこいいドラマでしたね。
それにしてもあんな高速でくるくる回る乗り物に平気で乗ってくる宇宙人って、どんだけ三半規管が強いんだか。
あの手のリアリティー路線でこれを超えるドラマ・映画は、まだ現れてないと思います。
沈着冷静なストレイカー司令官(エド・ビショップ)は、もうお亡くなりになってしまったのですね。
月面基地に常駐しているエリス中尉(ガブリエル・ドレイク)もよかったなぁ。もう少し、シャワーシーンを出してほしかった。