海外旅行の注意、マナーとタブーの違いとは:「一線」を越えないように

 

今回はクイズから始めます。

次の戦国時代の人物はだれでしょう?

「何ぴとも武器を携えて彼の前に罷り出ることを許されなかった。彼は少し憂鬱な面影を有し、困難な企てに着手するに当たってはなはだ大胆不敵で、万事において人々は彼の言葉に服従した(戦国時代 ルイス・フロイス)」
*罷(まか)り

「日本絶賛語録 小学館」

 

答えは「織田信長」でした。

織田信長(1534~1582)は桶狭間(おけはざま)に今川義元を討つ。
京都では比叡山を焼く。
そして将軍足利義昭(あしかがよしあき)を追放して室町幕府を終わらせた。
でも天下統一を目前にして、本能寺の変で自殺。

 

さて皆さん、マナーってどんなものだと思いますか?

まずは辞書的な意味から見てみよう。

マナーの様式は多くの場合、煩雑で堅苦しく感じられるが、その形は社会の中で人間が気持ち良く生活していくための知恵である

(ウィキペディア)

 

要は、「一緒にいて、気持ち良くいられるような言葉・態度・行動」でいいだろう。

以前、友人のイギリス人は「一緒にいて不愉快になるような言動はマナー違反」と言っていた。

これはその裏返しになる。
こちらがマナーを守っていれば、相手の気持ち良くすごせるけど、違反すれば不快になる。

マナーとはそんなもの。

 

そのイギリス人とイタリア料理店にいたとき、ボクはスパゲティをお箸で食べていた。
そしてイギリス人は、ホームパーティーでお好み焼きをナイフとフォークで食べていた。
これはお互いにとって不愉快になる行為ではないから、マナー違反ではない。

日本とヨーロッパの文化の違いというだけ。

 

でも、インド人が焼きそばを手でつかんで食べたり、日本人がズルズルと音を立ててラーメンをすすって食べたりするのは、マナー違反。
実際にそれを不愉快に感じる人がいるのだから、少なくても彼らにとってはマナー違反になる。

でも、その食べ方はその国の食文化だから、自分がその国にいるのなら相手に文句は言えない。

 

ここまではいい。
マナー違反をしてしまったとしても、それは相手に不快や嫌悪を感じさせるぐらいだから、ギリギリいい。
相手は文句を言わないで、我慢できるていどだろう。

 

でも、不愉快より上の「一線」を越えてはいけない。
そうした言動をしてしまうと、相手を激怒させてしまう。
そうなったら、大きな問題になる。

それが、「タブーに触れる」ということ。

 

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カレーを手で食べることはマナー違反ではなくて文化。

 

このタブーという言葉はもとはポリネシア語での「tapu(印をつけられた)」から生まれた言葉だ。

タブーの意味をウィキペディアから見てみよう。

タブー (taboo) とは、もともとは未開社会や古代の社会で観察された、何をしてはならない、何をすべきであるという決まり事で、個人や共同体における行動のありようを規制する広義の文化的規範である。

(ウィキペディア)

 

今の日本でふつうに使われている「タブー」であれば、「してはならないこと」という意味だろう。

「それを口にしたら、相手は怒りだす」というようなこと。

 

「あいつに、別れた彼女の話をするのはタブーだ」といった軽い意味もあれば、犯せば警察に捕まってしまうようなタブーもある。

 

タイでは国王をバカにするような行為はタブーで、これをしたら「マナー違反」ではすまされない。
フェイスブックにそうした書き込みをして、逮捕された人もいる。

タイ人が大切にしている人や物に対して、外国人も敬意を示すことはマナーだ。

 

 

「物の食べ方が汚かったり下品だったりする」、「日本の電車や地下鉄で携帯で話す」といったマナー違反なら、ひんしゅくを買うけど大きな問題にはならない。

でも、宗教に関する「してはならない」というタブーになると、マナー違反や文化の違いではすまなくなる。

 

このことは日本人が特に気をつけた方がいい。

今の日本で一番多い宗教はきっと「無宗教」だ。
「あなたは、どの宗教を信じていますか?」と聞かれたら、一番多くの人は「無宗教です」と答えるはず。

一般的に日本人は、宗教に関心がないし宗教のことを知らない。
その必要がないから。
日常生活と宗教はほとんど関係がないし、日本では宗教のことを知らなくても生きていける。

 

でも、食事や地下鉄でのマナー違反ならまだいいけど、宗教のタブーに触れると「外国人だから」「知らなかったから」では、許されないことがある。

 

そのイスラーム教のタブーに触れてしまって、「あのときは、本当に殺されるかと思いました」と言っていた日本人の旅行者に会ったことがある。

そのことは次回に。

 

おまけ

「タブー」という言葉がポリネシア語だということを知って、思いついたことがある。

「ひょっとしたら、タブーの『タ』とタトゥーの『タ』は同じ言葉じゃないか?」

ポリネシア語のtabu(もしくはtapu)は前後二つの部分に分けられる。taは徴(しるし)、あるいは徴づけられたもの。buは「強く」を意味する。すなわち「強く徴づけられたもの」を指す。

(ウィキペディア)

 

そんな疑問が浮かんだから、調べてみたけど違った。

名前の由来

2つのポリネシア語の単語が、他の多くの言語で採用されています。1つはtapuで、フランス語のtabou、英語のtabooの語源です(日本語では「タブー」)。

もう1つはtatau(タタウ)です。フランス語のtatouageと英語のtattoo(古典英語のtattow)は、肌に消えない印を彫る慣習を表すこの単語が語源になっています。

 

でも、タブーとタトゥーはともにポリネシア語だということは、雑学として覚えておいても損はないはず。
ということで、「おまけ」として書いてみた。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。