「平和ボケ」と言われる、または自分で言っちゃう日本人にとって、韓国はいい刺激をくれるし現実も教えてくれる。
たとえばトップにいる文大統領だ。
日本を「盗人猛々しい」と国民に訴えて反日感情をあおると同時に、日本に対しては「未来志向の協力関係」を呼び掛けるような二律背反する言動をよくしやがります。
韓国最高裁が2018年に日本との合意(日韓請求権協定)をひっくり返して、日本企業へ賠償を命じて国際法違反の状態を生み出した。
(国内法で国家間の合意を否定するのは国際法に違反する)
このあり得ない行動に日本が抗議すると、文大統領は記者会見で「日本政府がもう少し謙虚な姿勢を持つべきだと思う」に日本に不満をあらわす。
さらに、「日本は不満を表明することはできるが、基本的に不満があっても仕方ないという認識を示さなければいけない」とも言った。
くわしいことは毎日新聞の記事(2019年1月10日)をどうぞ。
文大統領「日本政府、もう少し謙虚に」 徴用工問題対応を批判
それでも、日本との未来志向の関係は望むというのが前から変わらない文大統領の態度。
国の利益を考えれば、国内の反日と通貨スワップ協定などの日本の協力はどちらも捨てられないから、これを両立させる「ツートラック戦略」が韓国の対日外交戦略となっている。
でもこれは都合が良すぎるために、日本での受けは恐ろしく悪い。
こんな感じで、自分たちの利益のために日本をうまく利用しようとする考え方や行動を韓国語で용일(用日)と言う。
国際社会は互いに国益のために全ての国々が利用し、利用されるのが常であることから、反日を国内外で行いながらも、日本および日本人から技術や資金など利益を得ようとする行為を指している。
こんな用日は日常茶飯事、先日あったこんな事例を紹介しよう。
世界貿易機関(WTO)の事務局長選挙へ、韓国のユ・ミョンヒ通商交渉本部長が名乗りを上げた。
もし当選したら韓国人初の名誉となることから、政府は全面的な支援に乗り出し、韓国が持つ外交ネットワークを総動員して、WTO加盟国にユ氏への支持を取り付ける方針だという。
でも日本にとってユ氏は「天敵」。
日本政府の輸出管理強化に対して、対日批判を繰り返し、対立をあおってきたのがこのユ氏だ。
なんだかんだ言って日本は世界第三位の経済大国で、WTOの中でも(期待を込めて)大きな影響力を持っているから、韓国としては日本の思惑が気になる。
少し前の聯合ニュースの記事(2020.07.07)を読むと、韓国側の考えが見えてくる。
WTO事務局長選 韓国高官の兪明希氏「勝算ある」=政府が総力
ユ氏が次のWTO事務局長になることについて、当然、日本は反対姿勢を見せているけど、韓国政府は「大きな問題にならない」と気にしていないらしい。
政府関係者は「日本が反対すれば、感情的で偏狭な対応をしていると自ら示すことになり、逆効果になる可能性がある」と述べた。
日本の反対については、「それに備え、われわれも資源を総動員する」ということだ。
でも一週間後になると、だいぶ様子が変わった。
聯合ニュース(2020/07/17)
WTO事務局長選 日本に協力呼びかける=韓国候補
ユ氏は「日本に私のビジョンを紹介したい」と述べて、自分を支持するよう日本へ訴え始める。
そしたら日本も、「隣国の頼みは断れない」と協力を約束した。なんてわけはなく、日本メディアの報道を見る限り、日本はユ氏を腹立たしく思っているようだ。
時事通信の記事(2020年07月17日)
WTOの決定は全会一致が原則のため、事務局長選での勝利には日本の支持が不可欠となる。ただ、日本政府内には冷ややかな見方が多い。
日本の支持確保に自信 韓国候補、WTO事務局長選で
「日本の支持確保に自信」という、その源を知りたい。
これまでの所業を見れば、日本が自分に冷たい視線を送っているのは分かるはずだ。
まーこれからの韓国側の出方しだいで、氷が解けるかもしれないけど。
さてこんなユ氏のように、これまでさんざん日本との対立をあおっておいて、いざとなったら自分を支持するよう協力を求める。
これも用日だ。
矛盾しているように見えるけど、そのときどの自分の最大限の利益に基づいてものを言っているから、実はまったくブレていない。
これはズルさはとても正しい。
国にとっては国益、つまり国民の生命と財産を守ることが一番大事なのだから、他国との関係もそのためにある。そう割り切って、考えて行動するのは間違っていない。
自分の利益のために相手を利用して、相手からは利用さないように警戒しながら握手をするのはどこの国もやっている。
損得なしの友好関係は国民個人が築くことで、税金で成り立つ政府が他国とそんな情緒的なお付き合いをしてはいけない。
相手が滅んだら自分も滅ぶような運命共同体じゃないんだから。
だから日本も韓国と同じように、「用韓」したらいいですよ。
国と国はお友だちではなくて、国益を最優先にして付き合うということは、現在進行形で韓国が教えてくれている。
韓国を怒らせることを言っておいて、自分の利益のためなら、笑顔で協力を呼びかける、それぐらいのことはしてもいい。
相手から冷ややかに見られるほど、自分中心に図々しく行動する姿を見るのも、日本にとってはいい刺激になる。サンキューコリア。
相手に期待していなかったら、失望することもないから、相手の言動に一喜一憂することもなくなる。これはこれで関係維持のコツだ。
用日も用韓も相手には利用価値があると判断された証拠で、いちばん怖いのは用済みで相手にされなくなること。
とはいえもちろん、最低限の節度は保つべき。
自分が一方的に合意や国際法を破っておいて、相手国に「もう少し謙虚な姿勢を持つべきだ」と不満を言うようなことを日本がしてはいけない。
おまけに書くと、日本は台湾に対しては容赦のない仕打ちをしている。
1972年に台湾との関係を断絶して、中国と国交を結んだ。
国益を最優先に考えたら、この決断は仕方ない。
こちらの記事もどうぞ。
見習うところはずうずうしさくらいでは?
用日しようとしてはいますが、実際は何もできてないですし。
彼らが喉から手が出るほど欲している日韓通貨スワップすら7年も結べない状況ですよ。
>①国際社会は互いに国益のために全ての国々が利用し、利用されるのが常であることから、
>②反日を国内外で行いながらも、日本および日本人から技術や資金など利益を得ようとする行為を指している。
話にならないですね。
①で言っているのは「利用し、利用されるのが常である」 ですよ。だったら、
②は「日本および日本人から利益を得て、向こうにもメリットがあるような行為を目指すべき」 でしょうが。
その程度の論理的破綻に気づかないとか。
ここで言っていることは、国益第一で行動するということです。
論理破綻はありません。
限度もありますが韓国と表面上だけでも友好にしておくのは大事だと思います。
韓国は日本における最後の防波堤になってもらうためです。
韓国(と台湾)がなければ中露と直接ぶつかることになりますし。
思えば文明開化後の日本の動きは用韓の歴史でもありますね。
戦前を否定してるから今の日本の政治家の韓国への甘さに繋がってると思うと自虐史観から早く脱却して広い視野で政治ができるようになってほしいです。
国として韓国との関係を断つことは現実的に無理でしょう。
ネットではそんな声が多いですが、そんなことを真面目に言う政治家は知りません。
日韓関係も日本と台湾の関係のようになればいいんですけど。
>ここで言っていることは、国益第一で行動するということです。(改行)論理破綻はありません。
>日韓関係も日本と台湾の関係のようになればいいんですけど。
夢想家であるのは、いったいどなたですかね。
ブログ主さんが、元は反戦左翼主義だったが途中から転向して「中庸」を信奉するようになった、との思想の持ち主らしいですから、その程度の夢想にふけることも、まあ、分からないではないですが。
あなたが政治家にならなくてよかったですよ。その程度の浅い信念で政治家になっては、日本の国益を損なう。
>元は反戦左翼主義だった
これは初耳です。どこで知りましたか?
>途中から転向して
これも知りませんでした。いつ転向したのですか?
>「中庸」を信奉する
信奉する、の根拠はなんでしょう。
あとは個人の感想ですから自由です。