イスラム教のタブー③聖書コーランを燃やしたら、どんな事態になるか?

 

前回まで、日本人がイスラーム教のタブーに触れてしまって、とんでもない事態になってしまったことについて書いた。

イスラーム教徒にとって神聖なクルアーン(英語読み:コーラン)を冒とくすると、国際問題になることもある。

意図的に冒とくしたのではなくても。

 

でも、これは日本人だけではない。
外国人もこのイスラーム教のタブーに触れてしまって、いろいろな問題になっている。

今回も引き続き、イスラーム教のタブーについて書いていく。
特に、クルアーンを燃やしてしまうと、どういう事態を招くかということについて。

これを読めば、イスラーム教徒にとって聖書(クルアーン)がどういう存在であるか分かるはず(と願っています)。

 

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パキスタンにあるモスク(イスラーム教の礼拝所)

 

・インドネシア

これは、今インドネシアでおこっている問題。

読売新聞の記事によると、11月4日、首都ジャカルタで約10万人が参加したデモがおきて、その一部が暴徒となって暴れ出したという。

このとき治安部隊は催涙ガスや放水で対抗して、160人あまりが負傷している。

 

このデモの原因は、人びとがジャカルタの知事が「クルアーンを侮辱した」と信じたから。
このことでジャカルタ知事は警察から事情聴取を受けている。

下は、11月8日の「じゃかるた新聞」にある記事。

アホック氏を事情聴取 コーラン侮辱容疑 国家警察本部で9時間

コーランを侮辱する発言をしたとして宗教冒とく容疑で刑事告発されているアホック・ジャカルタ特別州知事の事情聴取が7日、約9時間にわたって行われた。

 

でもインドネシア人の友人に話を聞くと、別の理由があるという。
このデモの原因は、ただ単に知事がイスラーム教を冒とくしただけではなく、人種問題もからんでいるらしい。

このジャカルタの知事は中国系のインドネシア人で、さらにキリスト教徒でもある。
このことに、マレー系のイスラーム教徒が以前から反発していた。

こうした人種の違いという背景があって、今回のような大規模なデモになったらしい。

 

ジャカルタの知事なら当然、聖書クルアーンがイスラーム教徒にとってどのようなものかはよく知っているはず。
熟知していたにもかかわらず、こうした騒ぎが起きてしまうところに宗教の難しを感じる。

 

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中国系インドネシア人のジャカルタ知事(画像はウィキペディアから)
「彼は日本人です」と言われたら、信じてしまいそう。

 

・アフガニスタン

これは過去の話。

アフガニスタンで2012年2月、首都カブールに駐留していたアメリカ軍の兵士がクルアーンを燃やしていたことが発覚して、大問題になった。

駐留米軍側は「誤って焼却した」と釈明し、事件を巡って、パネッタ米国防長官、カーター国防副長官、オバマ氏らが、23日までにアフガン政府に相次いで謝罪を表明しました。

コーラン焼却事件

オバマ大統領は謝罪してカルダイ大統領にお詫びの手紙を送ったのだけど、抗議行動は収まる気配を見せないという。

アメリカ人の兵士はクルアーンを燃やしただけではなくて、アフガニスタン人の怒りにも火を点けてしまった。

アフガニスタンの各地で抗議のデモが発生する。

そして多くの死傷者を出した。

2月27日までの1週間の抗議デモに関わる死者は約30人、これには射殺された国際治安支援部隊(ISAF)米士官2名と兵2名が含まれています。

コーラン焼却事件

これも、イスラーム教を冒とくしただけではなくて、反米感情が背景にあったのだろう。

 

最後に紹介するのは、本当にやるせない思いなる事件。

まずは、その事件を伝える米CNNの記事を読んでほしい。

「コーラン焼却」で女性殺害、4人に死刑判決 アフガン

事件は3月19日に起きた。ファルクフンダさん(当時27歳)は男たちから殴る蹴るの暴行を受け、体に火をつけられたうえ、橋から川へと投げ落とされた。

 

「ファルクフンダさんが、クルアーンを燃やした」ということを聞きつけたアフガニスタン人が、このような凶行に及んだ。

でもひどいのは、この女性が本当にクルアーンを燃やしたかどうか、はっきり分かっていなかったということ。
ファルクフンダさんがコーランを焼いたことを証明するものは見つかっていないという。

「クルアーンを焼いた」という疑いをかけられただけで、先ほどのようなひどい殺され方をされている。

本当にやるせなくなる。

 

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イスラーム教徒がクルアーンを燃やされたら激怒するのは、クルアーンが彼らにとって神聖な書物であるから。

もちろん、それはそうだろうけど、「燃やす」という行為がその怒りを増幅させているのだと思う。

イスラーム教では、死後、罪人は地獄に落ちると考えられている。
それは「火炎地獄」で、地獄の炎で身体を焼かれる苦しみを味わうという。

一方で地獄はジャハンナムと呼ばれ、地獄の業火が燃えさかる奈落の底にある。
イスラムでは炎こそ地獄を象徴するもので、とにかく罪人は炎攻めにあう。

イスラム教の天国と地獄はどんな世界なのか?

 

イスラーム教では「火で焼かれる=罪人」というイメージがある。
そのため、クルアーンを燃やすという行為は「クルアーン=罪人」というイメージを連想させてしまうのではないかと思う。

そうしたわけで、イスラーム教徒はクルアーンを燃やすという行為には、激しく反発するのではないんだろうか?

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。